先生


タイトル:先生
作者:吉村達也
出版元:角川ホラー文庫
発行日:1994年9月20日
形式、ページ数:文庫、350ページ
難解度:★
ためになる度:★
感動出来る度:★★
面白さ度:★★★★
おすすめ度:★★★

あらすじ

 北園雪夫教諭は、幼い頃から肌が雪のように白かった。そのせいで友達からはバカにされ、いじめられてきた。おかげで対人恐怖症となり、 子供しか相手にする事ができない。しかし生徒からもバカにされて、彼は遂に生徒達に狂気の刃を向けた。

感想

 対人恐怖症というか、やっぱり歪んだ精神の持ち主が犯人となり、殺人を繰り返していくという、そういう話です。それにしても、なんだか 後ろ向きで、怖い話ですよこれ。若い人、特に中学生くらいがこの本を読んだら、どう思うだろう…多分嫌な気分になってしまうんだろう なと思います。既に大人になった身からしたら、こういうのはホラー小説(なのか?)として楽しめるのかなとは思いますが。

 それにしても、ちょっと嫌な話ですね。というか、この北園は一体ナンなの?と。途中で「彼はロリコンじゃない」とか言われていますが、 精神的には明らかにロリコンでしょう。彼が何故女子中学生、しかも○○な子を狙うかといえば、それは自分のコンプレックスからなのですが、 そのコンプレックスというのが、元々彼の体の特徴と、その特徴からいじめられて、それで対人恐怖症になって、子供しか相手にできなく なったからこそで、つまりそれは「ロリコン」なんですよね。そういう気が確実にあると。

 小説としては、これがまた結構面白い。元々読者は犯人がわかっていて、それを周りはどうやって立証して、追い詰めていくかがテーマ なのですが、北園が総美学園に赴任してからというもの、今まで完璧だった犯罪に少しずつほころびが見え隠れしてきて、完全なものでは なくなってきます。

 一番最後には、彼が対人恐怖症になるに至った原因のひとつが登場してきて「おいおいそうなるのか〜」という驚きがあります。こういう ところも、なるほど面白い。結構しっかりした小説なんじゃないかなと思います。

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