こころ


タイトル:こころ
作者:夏目漱石
出版元:新潮文庫
発行日:1914年8月(1952年2月29日)
形式、ページ数:文庫、268ページ
難解度:★★★★
ためになる度:★★★★
感動出来る度:★★★★
面白さ度:★★★
おすすめ度:★★★★★

あらすじ

 先生は、いつも寂しそうだった。そんな先生との出会いから、先生との日々を描く上「先生と私」。父が倒れ、田舎に帰る私。 先生の深い哲学感とは違い、浅はかに見える両親。しかし父には父の深い考えがあった。父が危篤となり、一家があわただしくなる中、 先生から手紙が来る「両親と私」。先生の手紙による過去の告白が続く「先生の遺書」の三部構成。

感想

 やっぱり、昔の人は深いです。特に夏目漱石という人は、若い頃からずっと小説を書いてきて、この作品はもう晩年近い頃の作品です。 なのでその分人生の深みが出ているんですね。「こころ」は中高生必読の書として、夏休みの読書感想文やら、読書週間の推薦図書によく 紹介されていますが、それだけの深さがあります。

 先生は、親友を裏切って恋人を取ってしまった。それがために親友は自殺してしまい、以来ずっと悔恨の念にさいなまれる。この苦しみ、 悲しみの中にずっと生きてきた先生は、最後にはそのけじめをつけてしまいます。そのけじめというのは、残された妻からしたら、なんて 身勝手な人だと思うことでしょうね。これは結局「自分から逃げて」しまう行為であろうかなと。それでも、それだけ苦しめられた先生は、 一体どれだけ悲しい人生を生きてきたんだろう、一体どれだけ生真面目な人なんだろうと、そう思うわけです。

 人のこころの機微、人の心の繊細さというものが、この小説からは痛いほど伝わってきます。大人になるまでに、一度読んでおいたらよい かなと、そう思わせてくれる小説です。もちろん、大人になってからも読むべきだし、子供の頃とはまた感じ方が違うと思います。なので、 私も人生の転機となる場面では、その時々でこの小説を読んでみて、考えてみようかと思います。

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