あらすじ
福生に住む、情熱をもてあました若者達。米軍基地に近く、アメリカ文化が入ってきて、若者達の文化は荒廃していた。ドラッグ、セックス、 暴力が支配するその世界に生きる、もろくて壊れ易い彼らの生活の中に、醒めた目で、それでも熱くのめりこんでゆくリュウ。青春の1ページ の中にある、熱くそして冷えた人間関係。
感想
国語の教科書に”「限りなく透明に近いブルー」で、処女作にして芥川賞を受賞した作家”と紹介されている作家。それが私の、生まれてから 23才になるまでの村上龍という人への評価でした。村上龍という人に対して抱く、全ての感情がそれでした。名前だけは知っていたけれど、 その作品は何も知らない。そんな状態で、彼の作品を何作か最近読んでみたのですが、彼の若い頃の作品は、どうもセックスだとか暴力 だとか、そういう作品ばかりなんだなというところに気がつきました。これじゃあ国語の教科書には載せられないだろう。。。
この作品も、一部シーンを除いて、国語の教科書に載せるにはかなり大掛かりな注釈というか、バックグラウンド的なものを紹介しなければ ならないと思います。型どおりに受け取れば、これは恐るべき若者の犯罪白書になってしまうし、私自身「この人はジャンキーなのか?」 とか思ってしまいました。
実際は、彼の生活の周囲にある、異常値を更に異常にしたような、つまり事実をむちゃくちゃにデフォルメしたような、そんな作品のよう です。実際、こういう生活をしている若者が彼の周囲にいて、そんな若者達の生活を、更にセンセーショナルに、スキャンダラスに描写 してみると、あんなふうになるようです。
そういう激しい部分が大きな小説ですが、主人公のリュウの視線は妙に醒めていて、その醒めた視線にはかなさを覚えてしまいます。 青春とは、つまりはかないものなんだなというのは、青春を生きる私自身感じる事ですが、そういうせつなさ、はかなさを見事に表現して いるのが、この作品なんだそうです。
私は、正直この作品を、読書初心者が読むべきではないなと思いました。捻りなしで受け止めると、なんだか恐ろしいもののように見えます。 もしかしたら、思春期の少年少女のほうが、意外とすんなりとこの作品の感性を理解できるのかもしれません。私は「・・・なんか凄いなぁ〜 とか思いながら、それにしてもちょっとうそ寒いよなぁ。。。表現に感情が伴ってないよなぁ・・・自分達みたいだ」というある種の共感 を覚えました。