あらすじ
1990年7月6日、神戸市にて、神戸高塚高校に通う15歳の女子生徒が、校門に挟まれ圧死する事件が起きた。朝日新聞神戸支局が事件の 経緯、経過を追う。
感想
最初にタイトルを見たときは「なんだろうこれは!?」と思ったりしたのですが、内容を読むとかなりお堅い内容の本でありました。 90年頃の神戸。神戸市北部のニュータウンに作られた新しい高校は、校則が厳しく、登校時間を過ぎると先生が門を硬く閉じてしまいます。 ある日、重い門を体全体で押していた先生が、遅刻を逃れるために走って門の中に入ろうとする生徒に気付かず、一人を挟んでしまう 事件が起こりました。生徒は頭部を挟まれ、その後死亡してしまいました。この事件は、そんな厳しい校則と、マニュアル的な動きしか できない先生と、そんな日本の教育制度の未熟さが導き出した、起こるべくして起こった事件でした。
物語は、最初は事件が起こって、当日の動き、その後の動きなどが出てきて、不謹慎ですが読み応えのある部分となります。しかしその後、 裁判や事件の検証部分となると、どうもお堅い新聞社のノリが出てきてしまい、教育制度うんぬんだとか、法律的な解釈だとか、ひたすら 硬く硬くなってきてしまいます。
物語としては、あまりオススメできる作品ではありませんが、ひとつの事件を知るには、またこの頃の教育制度がどうだとか、事なかれ 主義、責任を認めようとしない学校のありかただとか、身につまされるようなことが色々出てきます。実際に門を閉じた先生は、生徒を 殺そうとして門を閉めて殺してしまったわけではもちろんなくて、教育のためなら多少の厳しさ、体罰も辞さずという昔かたぎな教育方針 から、こんな悲劇を引き起こしてしまいました。本来のこの先生の姿は、教育熱心な熱血教師であり、こんな事件が起こらなければ今ごろは どこかの高校で校長先生になっているかも・・・などと考えてしまいました。
個人的なことですが、私の母校もこの学校のように校則の厳しい学校で、この先生のような先生だらけの学校です。そうなると、さすがに 校門圧死事件は起こりませんでしたが、体罰問題だとか、行き過ぎた指導が問題になった事がありました。自由な校風を認めてしまうと、 生徒が荒れてひいては地域社会全体に対して、また将来の日本全体に対して著しい不利益になってしまう。かといって厳しくすればいいという 訳でもないし、生徒の自主性を重んじる事も大事。結局、先生は指導を厳しくすればいいのか、甘くすればいいのか、日夜悩んでいる。 そう考えると、教育って難しいんだな〜というのが切実なものとして感じられました。