EQこころの知能指数


タイトル:EQこころの知能指数
作者:ダニエル・ゴールマン
出版元:講談社
発行日:1996年7月26日
形式、ページ数:ハードカバー、387ページ
難解度:★★
ためになる度:★★★★★
感動出来る度:★★★
面白さ度:★★★
おすすめ度:★★★★★

あらすじ

 EQとは何か?というところから、EQこそが人生を幸福にする鍵である事を説き、それぞれの事例を元にEQの重要性、EQの高め 方などを紹介する。

感想

 昔、EQのテストだとかいう本を読んだ事があります。読んだというよりも、テストを自己申告で受けてみたのですが、そのとき思いがけず 高得点が出たことから、私はEQこそもっとも必要な要素だ!とEQびいきになったりしました。EQの高い人物とは、高度な情操性をもち、 豊かな感情表現、穏やかで慈悲深い性格、協調性や、共感性を持った優れた人物像が浮かび上がってきます。

 日本人の美徳であるとされた、思いやりの心、助け合いの精神というものは、実はこのEQの高さが鍵ではないかと思われます。勿体無い という文化、滅私奉公という価値観が存在する日本だからこそ、知らずして高いEQをはぐくむ土壌が出来上がってきたと考えます。しかし、 最近の日本人は、とかく個人の利益ばかりを追求し、競争競争で他人を追い落とす事ばかりを考えてしまいます。身勝手な人が増えて、社交性 に欠ける人が増えてきて、日本の美しい心というものが失われていくような気がします。

 高度なシステム化された社会というのは、個人レベルの感情であるとか、心というものを無視した環境となっているような気がします。 公共でも、職場でも、家庭内でも、余裕がなくなっているような気がしてなりません。自分を強引に押さえ込んで、それで社会は成長して、 繁栄をもたらしました。繁栄はもたらされたけれども、その実生き方というものにはほぼノータッチで、社会人となって数年経った私は、 生き方、心のありかた、そのものEQを発揮すべき場所というものが、どうも自分自身でどうにかしなければならない社会になっている ような気がします。こういうの学校や社会や家庭できちんと教えていかないといけないんでしょうね。

 この本を読んで、共感するか、それとも反感を覚えるか、それは人それぞれですし、かりに反感を持ったとしても、だからEQが低いだとか、 そういうことはないでしょう。EQとは何か?というのを、この本では筆者が独自の世界観に元づいて書いているので、日本人の感覚から したら、ちょっとそれってどうなの?と思うところもあるかと思われます。

 EQを高めるためには、この本を読めばいい・・・というわけでもなく、この本はそのきっかけに過ぎません。この本を読んで、その上で 自分で考えて、その行動について、考え方について、深く考えて、直すべきところは直し、日々考えていく事。それこそが、この本の筆者が 狙ったところであると思われます。EQは人それぞれだし、それぞれの心の中にあるものであって、これはIQのように簡単に数値化できる ようなものではありませんね。

戻る