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[サンデーサイレンス×ノーザンテーストはなぜ壊れやすいか?]
父サンデーサイレンス、母父ノーザンテーストという配合の特徴は
「柔らかさ」だと思う。
柔らかさを瞬発力に転化させれば長所になる。
だけど、柔らかさは壊れやすさにも繋がり得る。
関節の可動域が限度を超えて広くなると、
それだけ骨に与える衝撃が大きくなるからである。
馬の走法を観察すると、
基本的には収縮と伸展の二つの局面から成り立っている。
手脚の動きと首の動きはシンクロしているはずで、
大きく後ろ脚を伸ばす馬は首を深く倒すのが理に適っている。
だけど、首をあまり動かさないまま手脚を目一杯動かして
ビュンビュン伸びてくる馬を見かけることがある。
関節が柔軟だからこそ出来る芸当だが、
見ていてあまり気持ちの良いものではない。
じつはアドマイヤマックスのフォームがそうで、
サンデーサイレンス産駒の若馬にはよく見られる。
そういう無茶なフォームで走れてしまうというのには、
この種牡馬の子どもに独特の気質の激しさが多分に影響しているはずだ。
サンデーサイレンス産駒にヨレる馬が多いということと同質の現象だろう。
ただ、馬というのは走ってなんぼで、
壊れてしまってはなんにもならない。
去年、栗東の何人かの調教師が露骨な「皐月賞飛ばし」をして、
サンデーサイレンス産駒の有力馬を春の中山で使わない、
という事態が発生したが、考慮に値するオプションの一つとして
これからも定着していくのではないか。
サラブレッドの3歳春は、まだ化骨が終わっていない。
ただでさえ壊れやすいものを、フォームが固まっていない状態のまま、
ボコボコして躓きやすい最終週の芝コースの上を走らせるのだから、
故障の確率が高まるのは必然である。
アグネスゴールドもフサイチゼノンも、
3歳春の時点ではあきらかにG1級の能力があった。
サンデーサイレンス×ノーザンテーストという配合がの馬がG1をとっても、
少しもおかしくない。
ただし、そのためには「壊れなければ」という条件が付いてしまう。
その上、この配合の牡馬に一番向いているG1は皐月賞なんだよな…。
2002年1月26日(『競馬王』2002年3月号掲載)