HOME


あとの祭り

重賞回顧アーカイブ


●オールカマー

 皐月賞馬ダイワメジャーが最下位に沈む、という大惨敗を喫しました。

 調整過程での誤算であるとか、依然解消されない気性面の問題とか、その問題を抱えたままの騎手変更とか、とっさに考えつく敗因がいっぱいありすぎて、逆にどれが最大の原因なのか、わかりづらくなっていますが、まあおそらく、それらすべてが絡み合っての結果だったのでしょう。

 しかし、レースが終わった今ごろになっていうのもなんですが、考えてみれば、ダイワメジャーという馬は、小頭数のステップ競走に独特の、レースの終盤だけが急に速くなるような競馬には、とことん向いていない! ということに気がつきました。

 つまり、瞬発力の争いでも一流相手に通用するということを、今まで証明していないのです。であるからこそ、自己条件を勝ち上がるのに苦労したわけですし。皐月賞では後半の600Mを「33.9秒」というラップでカバーしていますが、あれは徐々にペースを速くしていって出したものですし、さらにいえば、離して逃げたメイショウボーラーを追いかけていくという形も、かなり大柄なこの馬にとって走りやすかったのだと思います。

 たしかにデムーロ騎手の存在は大きかったと思いますが、今回の大敗を分析すると「ヨーイドンの勝負では、並の馬である」可能性が考えられます。つまり、今回みたいなパターンでは、デムーロ騎手でも動かせなかったんじゃないかな、と。

 G1級の底力を持っている馬ではありますが、その底力はレースの流れが厳しくならないと引き出されない。かといって、自ら厳しい流れを作り出すほどのスピードを持っているわけではない。現在、ダイワメジャーが抱えているジレンマをまとめると、このようになると思います。

 今後は、どうしたらいいのでしょう? といっても、馬は元気ですから、負けが続いて嫌気を出さないうちに、この馬にフィットした流れになりやすいレースを選んでやればいいだけの話です。僕が思うに、ダート路線に狙いを定めるべきだと思います。厳しい流れを頑張って耐え抜くのが最大の長所ですから、ダート路線はこの馬にぴったりだと思います。現在ダート王者のアドマイヤドンは、ダービー6着。ダイワメジャーのダービーと同じ着順でした。

 逃げたトーセンダンディにとっては、2番手に張り付いて動かない、いや動けないダイワメジャーの存在が、大きな援護射撃になったと思います。古馬のG2で楽なペースで逃げている馬が、つつかれもせずに直線を迎えるなどということは、ふつうだったら考えられません。もちろん、大仕事をなし得る素質を秘めていたことには疑う余地がありませんが、今回の勝利は「隊列の形が産み出した展開の妙」によるところが大きかったと思います。

 スーパージーンは3番手追走から差して届かずの2着に終わりました。完全に脚を余しての敗戦ですから、結果的には「マークをする馬を間違えた」という形でしたが、しかし人気のクラシック馬を無視して動くわけにはいきませんから、これはしかたがないことです。

 ウインジェネラーレはダイワメジャーを内から交わして、直線入口ではトーセンダンディに最接近しましたが、それ以上の加速を求められると身体がついていきません。ダイワメジャー同様、厳しい流れを頑張って耐え抜くのが持ち味の馬ですから、こういう形の敗戦はやむを得ないところです。これによってこの馬の価値が下がることはありません。

 1番人気に推されたダービー3着馬のハイヤーゲームは、つねに前を射程に入れる位置で馬群の外目を進みましたが、直線では脚の勢いが他馬といっしょになって、4着に終わりました。右前脚が外向しているせいで、右回りの競馬場ではどうしてもスムーズに動けないという弱点を持っていますから、この馬の中山コースでの敗戦は、それほど深刻にとらえる必要はないと思います。

 今回に関しては、回りの問題よりも、久々で身体の張りがもうひとつだったことが一番の敗因ではないか、と僕は見ています。使われたことで良化は見込めますから、今回の敗戦によって評価を下げることは禁物だと思います。


INDEXに戻る