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あとの祭り

重賞回顧アーカイブ


●神戸新聞杯

 1分59秒ジャストという、速い時計での決着になりました。これは、先週のローズSでレクレドールが出したのと同タイムで、神戸新聞杯としては、一昨年のシンボリクリスエスを上回るレースレコードになります。

 マイネルマグナートが逃げていたら、おそらくもっと遅い流れになっていたはずですが、さすがにこの馬を楽に行かせてくれるほど、重賞は甘くありません。小牧太騎手鞍上のシンザン記念馬・グレートジャーニーが積極的にハナを奪う展開になりました。

 前半1000Mの通過が61.2秒ですから、一見すると遅いようにも見えますが、細かく調べると、200Mを12秒近辺のラップがずっと続いていて、大きく落ち込むところがひとつもありません。つつかれもせずに好きなように走って、こういうラップを並べてしまうところが、グレートジャーニーが本質的に中距離馬ではないことの証明なのでしょう。つまり、走りにそれだけのゆとりがない、というか。とはいっても大きく負けているわけではない(0.5秒差4着)のですから、この馬自身のレベルの高さは証明できたと思います。

 平均に速い流れで、しかも上がりがまた速い。ダービーを追い込んで2着したハーツクライにとっては、最悪のレース展開になってしまいました。前脚の出に硬さがあるために、速い流れをすんなりと追走することはできず、押っつけられながらも最後方。モタついた挙げ句にようやくエンジンが掛かったのが直線なかばで、大勢が決したあとでした。

 ハーツクライは、時計が速く上がりも速い2000の競走に向いていなかった。これはすなわち「レベルの高い芝2000Mの競走に合っていない」ということです。逆に、今回の流れに完璧に対処して、持ったまま4コーナーを回ってきたケイアイガードは「レベルの高い芝2000Mの競走にフィットした馬だ」といえると思います。

 このことは、ケイアイガードが現代競馬の主流も主流、メジャーど真ん中を進んでいることを表しています。最後こそキングカメハメハにねじ伏せられたものの、番手抜け出しの堂々たるレース運びは見事でした。結果がどうなるかはわかりませんが、ケイアイガードにフィットしたレースは、菊花賞ではなく秋の天皇賞であることは、いうまでもありません。

 ハーツクライは、けっしてステイヤーというわけではないでしょう。いわば「とろい中距離馬」といった存在で、僕の中でのイメージは、アルゼンチン共和国杯を勝ったトウカイオーザに近いものがあります。春の天皇賞になるとわかりませんが、近年の菊花賞にもっとも適しているのは、このタイプの馬だと思うので、本番ではおおいに期待が持てると思います。

 キングカメハメハは3角すぎでゴーサインを受けましたが、瞬時に反応するわけではなく、一瞬「おやおや」と思わせました。しかし、そう思ったのがあさはかさでした。大きなエンジンは、最初は掛かりが鈍いものです。広い競馬場で小頭数ならば、大事に外を回ってもぜんぜん問題ありません。とにかくトップギアにさえ入れてしまえば、この馬のものです。すべての杞憂は無用に終わりました。

 次走・天皇賞は古馬との初対戦になりますが、時計的な問題はすでにクリアーしていますから、不安材料を探す方が難しいくらいです。おそらく、圧倒的な一番人気になるでしょう。必死に考えてみたところ、負けるとしたら、緩い流れになったのに包まれて動けず、前に行った馬を残す、というパターンがあります。だけど、改装後の東京競馬場では、ゴチャつくようなことは少なくなっているので、その場面さえ想像しづらいというのが、正直なところです。


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