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あとの祭り

重賞回顧アーカイブ


●毎日王冠

 11頭の出走馬のうち、逃げて実績を残している馬が4頭もいたので、どれがハナを切るのかが注目されましたが、格式で上を行くローエングリンが行く構えを見せると、あえて喧嘩を売る馬もなく、並びはすんなり決まりました。

 1000Mの通過が59.7秒という、この距離のオープンとしては落ち着いた流れになりました。それを窮屈に感じている馬も何頭か見られましたが、最後の直線勝負に余力を残すには、早い仕掛けは致命的ですから、道中は淡々としたまま、動きらしい動きもなく直線を迎えました。

 ふつうなら、先行馬に有利なペースとなるところですが、毎日王冠は多頭数になりませんから(同日に行われる京都大賞典との間で使い分けがされるため)、後方から行く馬も、前とあまり離されることなく追走することができます。

 あとは、東京の長くて広い直線が待っています。その上、頭数が少ないぶん、馬群を捌くのも楽だ、と来ています。毎日王冠は、開幕週の絶好の馬場で行われるけれど、じつは追い込み馬が脚を残すことがないレースなんです。

 つまり、不器用な脚質に泣かされていたテレグノシスにとって、毎日王冠はぴったりのレースだったわけです。長い直線をまっしぐらに駆け抜けて、余力充分にきちんと差し届きました。強いレースだったと思います。前日予想で書いたとおり、今季のこの馬はパワーアップしていますから、展開に左右される懸念は少なくなっています。470キロ台の馬体重で競馬を使えていることが、それを証明しています。今のこの馬ならば、天皇賞に行ったとしても、良い競馬ができることでしょう。

 ローエングリンはまたもや惜しい星を落としてしまいました。15戦8勝の快進撃のあとは、これで11連敗。G1馬に頭を押さえつけられるような形で、苦戦が続いていますが、しかし今回にしても、内容はけっして悪くありません。ひそかに地力は強化されているはずなので、いつか壁を突破できると信じて、真っ向から挑戦を続ければ良いと思います。逃げ馬は、いつも目標にされる損な役回りですが、しかし、逃げという戦術は、つねに一発の可能性を秘めているのも、また事実です。

 強い逃げ馬と強い追い込み馬がいるレースで、ブルーイレヴンは外目から正攻法の差し競馬をしましたが、両馬に後れをとってしまい、3着に終わりました。ただし、テレグノシスもローエングリンも、ともに持ち味を出し切っていたことを思えば、0.3秒差の3着というのは、そんなに悪い結果だとは思いません。今回は、乗り難しいところをほとんど見せませんでしたし、また、最上級でも五分の戦いができる能力を持っていることを、あらためて示したわけですから、前途洋々といっていいでしょう。G1で好勝負できる日も、遠からずやってくると思います。


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