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あとの祭り

重賞回顧アーカイブ


●京都大賞典

 途中までは緩いペースで淡々と進んで、3コーナーからが急に速くなる、という京都の長丁場に独特の流れになりました。坂の頂上あたりから、馬群がわさわさと動き出すのを見て、それにつれて実況の口調がテンポアップするのを聞くと、ああ、京都大賞典だなあ、と実感します。今年も無事に夏を乗り切ったなあ、と。しかし、そんな感慨に浸る暇もなく、レースは一気にクライマックスを迎えました。

 実績・人気ともに断然のゼンノロブロイが内目の3番手にいます。それを目標にして、4コーナーでは外から、レニングラード、アドマイヤグルーヴが、猛然と並びかけました。しかしゼンノロブロイの鞍上・岡部幸雄騎手は手綱を絞ったまま、楽に走らせています。能力の優越は、この段階で歴然としていました。直線に入って、やっと並んだと思ったら、ほとんど持ったままの手応えで引き離していくのですから、追いかける方は悲しくなったのではないでしょうか。

 しかし、もう一頭挑戦者が残っていました。外から一気に伸びてきたナリタセンチュリーです。これまではローカル重賞で2着があるくらいで、実績的には見劣っていましたが、それは一線級と戦う機会が少なかっために、実績を残すチャンスがなかっただけです。前残りの流れを追い込んで5着した春の天皇賞を思えば、トップクラスで通用するだけの能力の証明は、すでに済んでいたとすらいえるのかもしれません。

 たしかに京都は大の得意コースではありますが、それにしても相手はゼンノロブロイです。しかも、正攻法の差し切りで、叩き合ってねじ伏せるような競馬でしたから、価値は高いと思います。これで、G1で通用するだけのスケールを持っていることを、確認できたのではないでしょうか。それにしても、毎日王冠を制したテレグノシスもそうですが、トニービン産駒は年を重ねるごとに強くなるということを、あらためて思い知らせてくれました。

 ゼンノロブロイは、今年に入ってから4戦で、これが3回目の2着です。なにかが足りないから勝てないのでしょうが、しかし直線までのレース運びは申し分ないものでしたし、最後にしても差し返そうとしています。断然の1番人気で2着だから、格好悪いのはたしかですが、そんなに悲観するような内容ではなかったと思います。

 自身は精一杯頑張っているのに、次々と他世代の強い馬が行く手に現れる、というパターン。これは、4歳世代のクラシック上位組がのきなみ味わってきた屈辱です。頂点への距離が、思ったよりも遠かったことは事実でしょう。それにしても、この馬がトップクラスの一頭であることに変わりはありません。3歳時に無理して使われなかったおかげで、今季も元気一杯です。「充実の4歳秋」を無事に迎えた強みが、どこかで活きてくると思います。


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