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あとの祭り

重賞回顧アーカイブ


●秋華賞

 前半の1000Mが59.9秒で、後半の1000Mが58.5秒ですから、前に行った馬にとって楽な流れだったはずですが、結果的に上位を占めたのは、後方から差してきた馬ばかりでした。これはたんに、先行馬よりも差し馬に強豪が揃っていたからでしょう。

 有力馬の中で唯一前に行ったダンスインザムードに、お膳立ては整っていたはずです。事実、いったんは完全に抜け出して、独走に入るかと思わせましたが、直線なかばで脚色が鈍り、差し馬の餌食になって4着に終わりました。この馬にとって、そんなに厳しいペースでもなかったはずですから、敗因は「馬に走る気がなかった」としかいえないように思います。

 考えてみれば、オークスで連勝が止まったあと、アメリカ遠征を敢行して、そこでも期待を裏切る結果に終わっていました。肉体的な疲労はとれていたとしても、精神的なダメージは残っていたのでしょう。「今回は楽な相手だからがんばれ!」というのは、虫がよすぎる注文だったのかもしれません。

 馬単体を見ると、同世代の牝馬相手に負けるとは、とうてい思えないほどの恵まれた資質を持っています。だからこそ、海外遠征という大きな目標を設定されたわけです。そして、そこで負けても、国内戦ならば楽勝できるだろう、と。どうも、周囲の期待が先走りすぎて、現実の馬を置き去りにしてしまったようです。

 ダンスインザムード陣営が、同世代の馬たちを通り越して、海外や古馬戦に視線を向けていた陰で、最後の一冠に向けて牙を研いでいたのがスイープトウショウです。あふれる才気を早くから評価されていたことでは、この馬とて変わりがありません。

 不器用な脚質のため、大一番では勝ちを逃し続けてきましたが、あえて末脚にこだわり続けることによって、正面から壁をぶち破ってしまいました。一番外を回して、まさに「ねじ伏せる」という言葉が相応しい内容で、同期の馬たちぜんぶに借りを返すことができました。やっぱり強かった。鬱憤を晴らすような競馬でした。

 これで、今季は重賞2勝目で、G1での連対も2回目ですから、最優秀3歳牝馬のタイトルに王手をかけたといっていいと思います。


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