ブレークニー弁護人の、法廷通訳されなかった弁論
国家の行為である戦争の個人責任を問うことは、法律的に誤りである。何故ならば、国際法は国家に対して適用されるものであって、個人に対してではない。個人に依る戦争行為という新しい犯罪をこの法廷で裁くのは誤りである。戦争での殺人は罪にならない。
それは殺人罪ではない。戦争が合法的だからである。つまり合法的人殺しである殺人行為の正当化である。たとえ嫌悪すべき行為でも、犯罪としてその責任は問われなかった。 キッド提督の死(注参照)が真珠湾攻撃による殺人罪(起訴状訴因第三十九)になるならば、我々はヒロシマに原爆を投下した者の名を挙げることができる。投下を計画した参謀長の名も承知している。その国の元首の名前も我々は承知している。彼等は殺人罪を意識していたか?。していまい。我々もそう思う。それは彼等(米国)の戦闘が正義で、敵(日本)の行為が不正義だからではなく、戦争自体が犯罪ではないからである。 何の罪科で、いかなる証拠で、戦争による殺人が違法なのか?。 原爆を投下した者がいる。この投下を計画し、その実行を命じ、それを黙認した者がいる。その人達が(東京裁判を)裁いている。 (以下省略)
注:1)
注:2)
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