4、生検を受ける


平成十五年の新春を迎えた一月十五日に病院に行くと検査の前に医師から説明がありましたが、私の担当医の泌尿器科の科長ではなく若い先生でした。

直腸から前立腺に向けて針を六本刺して組織を採取しますが、検査をすると数日間血尿、血便がでることがあります。更に直腸から前立腺にかけて針による刺し傷ができるので細菌感染の危険があり、急性前立腺炎となる確率が五〜十パーセントあります。三十八度以上の発熱、局部の疼痛、頻尿などの症状が出たらすぐ来院して下さい。
検査室に入ると看護婦から用意された不織布(?)製の「使い捨てパンツ」をはく様に、割れ目のある方を後ろにしてはいて下さい、といわれました。

これまでガンではなく大腸のポリープを二度切除していますが、その要領と同じで左側を下にしてベッドに横になり、膝を折り曲げた姿勢になりました。最初にエコー画像を見る為の超音波発振装置を肛門に入れ、直腸を通して前立腺の肥大状況を調べましたが、器具を入れる際に非常に痛みを感じました。

5、直腸経由の生検は痛い!

肛門が裂けるような痛みで、歯を食いしばって我慢しました。エコー画像を見て医師が言いました、「前立腺が肥大してますね。!」

自動生検装置のスプリングの力を使い直腸に針を刺すのはチクリとするだけで、余り痛みはありませんでした。尿道に傷をつけずに周囲の前立腺から細胞を採取しようと前立腺の位置を確かめるため、超音波発振装置と自動生検装置の二つの器具を直腸内でグリグリ動かすので入り口の肛門が痛いこと!、後で肛門から出血したほどでした。

宮内庁の発表によれば天皇陛下の場合は腰部に麻酔をしてから生検をされましたが、その理由が体験的に納得できました。

しもじもの者は麻酔のお世話にならずに必死に痛みをこらえ、そして日帰りの検査でしたが、いとやんごとなき方におかせられましては肛門の痛みもお感じになられず、大事をとって一日のご入院を遊ばされました。

所要時間にして十分前後で生検は終了しましたが、感染症を予防するためにその後すぐに抗生物質が入った点滴を三十分かけて受けました。そして直腸の傷口からの感染を防ぐ抗生物質の薬と胃腸薬を七日分貰いましたが、二割負担の医療代金は合計4,820円でした。

別な方法

生検には別な方法もあります。直腸を経由せずに会陰部(エインブ、陰嚢の付け根と肛門の間)から、生検針を刺して前立腺に到達する方法ですが、これは感染症の危険が減る反面、皮膚の表面から前立腺までの距離が長く、場合によっては尿道を針で傷付ける可能性が増えます。

前頁で述べた長い針とはこの方法で使用するもので、直腸経由の場合は細い短い針を使用します。

祈る

運悪く感染症になるとしたら何日後から発病するのか、と医師に尋ねたところ二〜三日以内とのことでした。急性前立腺炎にならぬように無事を祈るだけです。

生検の結果採取した組織を病理検査して、癌細胞の有無が分かるまでには一週間以上かかります。そのThe Dooms・Day(最後の審判の日)が、一月二十三日と指定されました。結果が吉と出るか凶と出るか!、スリルとサスペンスのある今後の八日間です。

注:)
最後の審判とはキリスト教で世界の終末にイエス・キリストが再臨して人類を裁くという教義のことで、ヨハネの黙示録などに示され、しばしば宗教画の題材とされます。

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