8、前立腺肥大の手術を決心

平成十五年二月六日に前回の P S A 検査の結果を聞きに病院に行きました。その結果は正常値4.0以内のところ、12.7という今までの最高の値を示していました。

医師の説明によれば生検から八日後に P S A の検査をした為に、生検の影響が残っていて高い値になったのだろうということでした。直腸を刺激すると P S A の値は上昇するそうで、自転車のペダルを長時間こいでも上昇するといわれています。

前立腺肥大症は世間ではありふれた病気で、高齢の男性では、かなり多くの人が程度の差こそあれ排尿障害を持つています。更に肥大の状況についてどの時点で手術をすべきかは明確な基準がなく、患者の自覚症状や検査データを考慮しながら医師がアドバイスし、患者の判断を待つのが一般的です。

この辺が潮時

私の場合一年半ほど薬を飲み続けましたが医師から残尿もあることだし、そろそろ前立腺の手術をしてはどうですか?と当日に言われました。夜間の排尿は明け方に一度行く程度ですが、昼間は膀胱が刺激を受けることによる頻尿の自覚症状もかなりあり、女房が手術に反対であるのもよく知っていました。

しかし薬を飲み続けていても排尿の筋肉に作用して、多少排尿が容易になるとはいえ肥大が縮小するわけではなく、この辺が潮時と自分で判断して手術をすることにその場で決めました。手術の際には尿道付近の前立腺肥大部分を削り取るため、それによる内腺部のガン細胞検査ができることも、多少考慮に入れました。

帰宅後、横浜の娘の家で洗濯婆さん兼、子守をする女房にメールで手術の決心を伝えたところ、直ぐに電話で文句を言ってきましたが、今月中には帰宅できるとのことでした。

この病院では現在前立腺手術の順番待ちの人が十一人いるそうで、来月の手術をする日は未定ですが、一応入院の申し込みなどの手続きをすることにしました。

前立腺肥大手術の概念

前立腺手術後の図 前立腺手術前の図 前立腺を「みかん」に例えるとミカンの底にある直径約五ミリ程度の穴からスプーンを入れて、幅七ミリの刃(ブレード)で外皮の部分を残して内側から尿道もろとも中身をすべて削ぎ落とし、底の穴から削りカスを水と一緒に尿道経由で外部に流し出すということです。

具体的には腰椎麻酔をしたうえで先端に電気メス(高周波電流)が付いた内視鏡(ファイバー・スコープ)を尿道に挿入し、尿道を圧迫し狭くしている前立腺の肥大部分を内視鏡で見ながら、内部組織を少しずつ削り取ります(詳細は後述)。所要時間は九十分以内で、十日から二週間の入院が必要です。

この病院では手術に備えて血液を試験管五本に分けて採取しましたが、種々の検査をするのだそうです。更に耳たぶに傷を付けて、血が自然に止まるまでの時間を計りました。

前述のように尿道の狭くなった部分を大きく削り取って広げる為に傷口を縫う方法がとれず、電気凝固で止血するために五分以内に耳たぶの血が止まる必要があるのだそうです。私は四分で止まりました。

手術前の検査として内視鏡による尿道検査を三月六日にすることになりましたが、局部麻酔をするのかどうか聞き漏らしました。今は「まな板の上の鯉」の心境ですが、生検時のように痛くないことを祈ります!。

9、大腸ガンの検査

平成十五年二月六日の生検結果判明から、三月六日に予定されている手術前の膀胱鏡による尿道検査まで一ヶ月間の余裕が有ったので、七十才の古稀を再来月に控えた二月二十日に大腸ガンの内視鏡検査を受けました。過去十年間に大腸の内視鏡検査を二度受けていて、その際にポリープを九個切除しましたが、その後は四年間ご無沙汰しているので、今回念のために検査することにしたわけです。

前日の朝食後から絶食をして夕方に下剤を飲みましたが、夜中と明け方に催してきました。病院の検査では下剤を二リットルの水溶液(普通の水ではない)に溶かしたものを、四十五分掛けて飲み干しましたが、飲み始めてから一時間半後から下痢が始まり、二時間後には水に近い色をした液体が排出されるようになって、大腸内を「水により洗浄する作業」が終了しました。

ベッドに横になり内視鏡の検査に備えて脈拍の測定器を指先に付け、生理食塩水の点滴を受けましたが、内視鏡挿入の直前には点滴の管の途中から睡眠薬(精神安定剤?)を注入されたため、たちまち意識を失い気が付くと検査は既に終了していました。所要時間にして十五分程度だったと思います。

検査終了直後に眠りから目覚めたのは、その為の注射を上腕に打たれたからでした。一部の医療機関とはいえ、患者の苦痛を少しでも取り除き軽くするという、外国における患者主体の医療の考え方が、日本にも取り入れられて来たのは結構なことです。

他の病院の内視鏡検査では 直腸から S 状結腸、下行結腸を通り横行結腸へと、内視鏡が九十度ほど曲がる腸管の部位を通過する度に腸管に擦れて、引きつるような腹部の痛みを感じましたが、今回は眠っていたので助かりました。睡眠薬を使用した検査方法には感謝します。

検査後の説明によれば、盲腸にポリープが一つ見つかったので切除してガン細胞の病理検査に送るが、多分異常ないでしょうとのことでした。メデタシ!、メデタシ!。

ちなみに二割負担の医療費は9,140円でしたが、大腸ガンは他のガンに比較して進行がやや遅いので、数年間は大腸ガンの心配は無さそうです。


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