以下の例はすべて 寒滞肝経 (外寒が肝経に留滞する場合) の証に該当します。
ここに解説の要点を集めてあります。
1. 生理痛・頭痛・冷え性
2. 生理痛
3. 頻尿
4. 左下腹部痛
★ 生理痛・頭痛・冷え性
女 35歳
病名と経過 : 10年来の頭痛持ちで困っています。
とくに生理時には後頭部の鈍痛がずっと続き、医者に処方してもらっている薬もあまり効きません。
ひどい時には吐いてしまいます。
あと生理時の腹痛(子宮内膜症ではないかと医者に言われています)もひどく、
初日のみ坐約で痛みを抑えています。
全身 : だるい(とくに朝)、さむけ(冷え性です)、汗っかき、眠ってばかり
顔面 : 青白い(血色悪い)、軽いめまい、頭痛、目がかすむ、なみだ目、鼻づまり(花粉症)
唇 下 : 唇がかわく
腹部 : 腸が鳴る、気持ち悪いことが多い
頚部 背 手腕肩 : くびや肩が凝る、背中が痛い、肩が痛い
腰 膝 下脚 : 腰がだるい、足が冷える
皮膚 毛髪 : しみ
婦人 : 月経痛がある、子宮内膜症の疑いがあると言われています。
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返事 :
生理痛・頭痛・冷え性の三つに関連するのは何かを考えてみます。
漢方の証候の一つに「厥陰血虚肝鬱証」というのがあります。
これは「血虚」の人が外気の寒冷に感じて、それが累積すると陽気が鬱して伸びず、
血流が凝滞して手足が冷える証候です。
これを「陽虚内寒・血虚寒鬱」といいます。
内に久寒があると寒邪が足の厥陰肝経を犯します。
厥陰の脉は頭の巓頂へと上っているので、頭痛に見舞われます。
また陽気が伸びないと脾胃の陽気も衰微して、濁陰の気が上逆し干嘔したり、涎沫が上ってきます。
婦人の生理は衝脉・任脉によって営まれています。
衝脉・任脉が内寒や外寒によって脅かされると“痛経”の原因になります。
それも相当の強さで現れます。
<漢方まんだら>のページの中の
A-5寒>B-1肝 寒滞肝経033
(外寒が肝経に留滞する場合)
の証パターンが可能性として考えられます。
「外寒不解・寒凝血渋」といって血虚と寒冷が原因で血脈の流れが渋滞すると見なします。
これに対しては「辛散逐寒・温経補虚」法を採用するのが良いと思われます。
おすすめの漢方処方
(1) 人参滋血湯(にんじんじけつとう)+温経湯(うんけいとう)・・・・・・・・・・(煎じ薬)
(2) 温経湯(うんけいとう)エキス・・・・・・・・・・(市販品)
★ 生理痛
女 26歳
もっとも治して欲しいこと : 冷え(下半身がひどく足先は冷え冷えです) すぐイライラする 生理痛(初日)
全身 : だるい 気がふさぐ 怒りっぽい 眠ってばかり
顔面 : 白い 顔面痙攣(目や口元) めまい(お風呂上り、寝起き) へん頭痛
口 唇 舌 : 口臭 口が乾く(唇がカサカサ)
胸 脇 : 動悸がする
腹部 : 高校生のころからすぐにお腹が痛くなる 今も排便前は腹痛から
大便 小便 陰部 : 切れ痔 陰部が痒い(陰毛部だけ 掻いては表皮の脱皮が繰り返す)
腰 膝 下肢 : 腰が痛い お尻が冷える 足が冷える
皮膚 頭皮 毛髪 : 毛髪が傷む にきび
婦人 : 月経痛がある 排卵痛がある 血の塊が混じる おりもの(白色)
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返事 :
>月経痛がある 排卵痛がある 血の塊が混じる
>お尻が冷える 足が冷える
生理は衝脉・任脉によって営まれています。
この2脉の陽気が不足して虚寒の状態になると血流が妨げられ淤血(おけつ)が生じます。
それで生理痛・排卵痛・血の塊・手足の冷えとなるのです。
>口が乾く(唇がカサカサ)
>陰部が痒い(陰毛部だけ 掻いては表皮の脱皮が繰り返す)
淤血が生じると皮膚の栄養が足りなくなり乾燥して虚熱が現れます。
>すぐにお腹が痛くなる性質 今も排便前は腹痛から。
2脉の陽気不足の根本は「腎の陽虚」です。
“腎は大小二便をつかさどる”のですが陽虚のためスムーズにいかないのです。
おすすめの漢方処方
(1) 温経湯(うんけいとう)・・・・・・・・・・(煎じ薬)
(2) 温経湯(うんけいとう)エキス・・・・・・・・・・(市販品)
★ 頻尿
女 30歳
もっとも治してほしいこと :
トイレが近く、特に車に乗っていると10分おきに行きたくなることがあります。
家にいるときはそうでもないのですが、映画館の中でもそうです。
いつも体が冷たく、冷房がきついと、下痢したりします。
甲状腺機能低下症で、今は大丈夫ですが、半年に1度検査をしています。
自律神経失調気味だったこともあるのですが、精神的なことと、関係があるのでしょうか?
特に悩み事はないつもりなのですが・・・・・
顔面 : 頬が赤い(冬目立ちます)
大便、小便、陰部 : 頻尿
首、手腕、肩 : 首や肩が凝る
腰、ひざ、下肢 : 腰が冷える 足が冷える
婦人 : 月経痛がある 血の塊が混じる
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返事 :
>トイレが近く、特に車に乗っていると、10分おきに行きたくなることがあります。
>いつも体が冷たく、冷房がきついと、下痢したりします。
足の肝経という経絡は下腹部へ下がり陰器をめぐり膀胱の働きに影響します。
あなたの体には「寒冷」という刺激が侵入して長く居座っています。
その「寒冷」の為に肝経が正常な機能を果たせないでいます。
これを「肝経寒滞」といいます。
しかし誰でもが寒冷の被害を受けるのではありません。
「中焦虚寒」といって、脾胃の消化器官の働きが弱い人が体温の生産力が少ないので
被害を受けやすいのです。
寒冷が脾胃に及ぶと下痢になります。
>婦人 月経痛がある 血の塊が混じる
また漢方では「女子は肝を以って先天と為す」と言う如く、生理と肝の働きは密接な関係にあります。
だから生理にも影響が出るのです。
>顔面 頬が赤い(冬目立ちます)
冬の寒さによって体内の寒冷はますます悪化します。
血流の悪さが頬の色になって現れています。
甲状腺機能低下症もおそらくはこれらの体質的な素因の上で成り立つものと思われます。
体質改善に励んでください。
<漢方まんだら>のページの中の
A-5寒>B-1肝 寒滞肝経033
(外寒が肝経に留滞する場合)
すなわち「外寒不解・寒凝血渋」という状態だと想像されます。
これに対しては「辛散逐寒・温経補虚」法を採用するのが良いと思われます。
おすすめの漢方処方
(1) 芍藥甘草湯加味(しゃくやくかんぞうとうかみ)・・・・・・・・・・(煎じ薬)
(2) 桂枝加竜骨牡蠣湯加味(けいしかりゅうこつぼれいとうかみ)・・・・・・・・・・(煎じ薬)
*ホームページの 症例 DB/泌尿器科/小児尿頻 も参考にして下さい。
★ 左下腹部痛
女 27歳
もっとも治して欲しいこと: 昔から生理の2・3日前から腰痛と左下腹部痛の生理痛をもっていました。
(1日目は寝込みますが2日目は治ります。) ところが、1年半前から生理の時のよ
うな左下腹の痛みが1日中24時間ひかなくなりました。痛みが増し4ヶ月前から寝込
むこともありました。痛みというのは、引っ張り上げられるような感じで、腹筋や
シートベルトが触ると痛いです。2ヶ月前に婦人科を受診「異常なし」。
薬だけもらって飲んでいます。飲まないと体が「く」の字なって伸ばすことができず、
痛みに気が取られて何もてにつかずとても困ります。
2〜3年前から水分をとったら15分もしないうちにトイレに行きます。
人と同じことをしているのにかなり疲れを感じます。
全身 : だるい 気がふさぐ 怒りっぽい さむけ・微熱 眠ってばかり
顔面 : 普通 赤い 頭痛・頭が重い(雨が降る1日前に症状がでる)
目が赤い・目がまぶしい・なみだ目・目が痛い・目が痒い(いつもではない) 鼻が乾く
口 唇 舌 : 口が苦い(寝起き) 舌がもつれる 唾液が多い 口が乾く
喉 気管 : 喉が詰まった感じ ゼイゼイ音がする 呼吸困難(坂道等)
切れやすい痰が出る(体調を崩した時の合図)
腹部 : 脇腹が痛い(左下腹部) 腹が張る 食べてもすぐ腹が減る
大便 小便 陰部 : 便秘(2〜3日1回 1週間1回もある) 下痢 頻尿 尿を失禁する
切れが悪い 陰部が痒い
頸部 背 手腕肩 : くびや肩が凝る
腰 膝 下肢 : 腰が痛い 腰がだるい 足が冷える こぶらがえり むくみ 足がだるい
皮膚 頭皮 毛髪 : 斑点(しみ) かゆい 湿疹・ただれ・水泡
(へそから両下腹にむかって細い線が1本づつある。モグラの通った道みたいな感じ 痛くも痒くも無い)
にきび(背中や顔の輪郭に沿って) 若白髪
婦人 : 月経量が少い 月経が早くなる(病院の薬を飲み始めた今年5月から25日3日間
以前は40日3日間) 月経痛がある(腰痛と左下腹部痛) 血の塊が混じる おりもの
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返事 :
>生理の2・3日前から1日目に腰痛と左下腹部痛の生理痛……
>1年半前から生理の時のような左下腹の痛みが1日中24時間ひかなくなりました。
>痛みが増し4ヶ月前から寝込むこともありました。
これは「少腹痛(下腹の片側痛)」ですね。
>痛みというのは、引っ張り上げられるような感じで、……
>体が「く」の字なって伸ばすことができず、……
>足が冷える こぶらがえり
>2〜3年前から水分をとったら15分もしないうちにトイレに行きます。
六淫(風寒暑湿燥火)の中でも「寒」は収縮する性質があり、引きつる痛みというのは
寒による場合が多くあります。
>へそから両下腹にむかって細い線が1本づつある。
肝経という経絡は丁度そのあたりを通り、陰器をまとっています。
肝経は月経と深い関係を持っています。
寒気が肝経に停滞すると片方の下腹部に牽引痛をあらわします。
(男子なら睾丸を上へ引っ張るような痛みになります)
これは実邪なのでかなり強い痛みになり、温めるとやや緩みますが、押えると却って
痛みが増すことがあります。
これを「寒滞肝経」の証といいます。
もとは外寒だったのが長く停滞するうちに内寒に変化して去らなくなったのです。
寒邪を駆逐しない限りはこの痛みは続きます。
<漢方まんだら>のページの中の
A-5寒>B-1肝 寒滞肝経033
(外寒が肝経に留滞する場合)
の証パターンが可能性として考えられます。
すなわち「外寒不解・寒凝血渋」という状態だと想像されます。
これに対しては「辛散逐寒・温経補虚」法を採用するのが良いと思われます。
おすすめの漢方処方
(1) 当帰四逆湯(とうきしぎゃくとう)加味・・・・・・・・・・(煎じ薬)
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