以下の例はすべて 腎虚不固 (久病により腎を損傷すると津液と精血が漏れる) の証に該当します。
ここに解説の要点を集めてあります。
1.
2. 糖尿病/脳梗塞/心筋梗塞
3. 流産癖
4. めまい/夜間排尿が多い
5. 夜間頻尿
6. 頻尿/冷え性
★ 糖尿病/脳梗塞/心筋梗塞
男 65歳
もっとも治して欲しいこと : 脳梗塞と心筋梗塞が今より進まないようにしたいです。
50歳ころより糖尿病になり 2年前に脳梗塞で倒れましたが幸いに後遺症がなくて済みました。
ところが又2年後に今度は心筋梗塞で倒れてしまいました。
他に 大腸ポリープ、軽い喘息、便秘ぎみです。
血糖値 空腹 135と聞いております。
後は 頻尿以外は特に症状は何もないようですが。
全身 : 健忘症
顔面 : 普通 めまい 目がかすむ なみだ目 鼻づまり 鼻水 クシャミ
口唇舌 : 口が臭 歯茎から血が出る
喉 気管 : 咳が出る ゼイゼイ音がする 痰が出る 切れにくい痰がある
腹部 : 腸が鳴る
大小便陰部 : 便秘 頻尿 尿を失禁する 咳をすると尿が漏れる 出が悪い 切れが悪い
頸部背手腕肩 : くびや肩が凝る 肘の痛み
腰膝下肢 : 腰が痛い
皮膚頭皮毛髪 : 抜け毛
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返事 :
最初に糖尿病、ついで脳梗塞、近年は心筋梗塞、そのほかに軽い喘息があるとのこと。
現代における慢性病のひとつの典型の様ですね。
脳梗塞・心筋梗塞・喘息の三つの病気には根底に共通の伏線が感じられます。
脳梗塞と心筋梗塞の病因でもっとも指摘されているのがコレステロール性の動脈硬化です。
なぜ高コレステロール症になるのかという事から考えていかなければなりません。
漢方では血中脂肪を「痰湿」と考えています。
痰湿は「津液」が変化したものです。
つまり「津液が煮詰まり濁痰になる」とします。
なぜ津液が煮詰まったかといえば、脾肺腎の気化機能の失調が原因です。
そしてそれは「脾腎陽虚気弱」の結果です。
なぜ脾腎の陽虚が起こったかというと大元は「肝気鬱結」です。
肝とは本来、春の生長の気の表れであり、条達を喜び抑制を嫌います。
肝は疎泄を主り、全身の気を休まず運行させています。
気の疎通・発散など昇降出入一切をコントロールする司令塔です。
これにより代謝や輸送、流通や調節、貯蔵や運行などが正常に行われます。
それなのに肝気が伸び伸びせず欝滞すると精神は抑鬱され、
気が塞いだり怒りっぽくなったりします。
そうすると脾の気化機能が不調になり「痰湿」を生じます。
痰湿はコレステロールとして血管壁について血流を阻害します。
それによって脳梗塞や心筋梗塞が起こります。
>咳が出る ゼイゼイ音がする 痰が出る 切れにくい痰がある
痰湿が肺に出れば喘息になります。……(痰涎壅塞,咳吐痰涎,喉中痰鳴)
>健忘症
痰湿が脳に廻れば聡明を欠きます。……(痰気上逆,擾乱神明)
脳梗塞における意識障害も「痰迷心竅」といって、同様の事です。
>便秘 頻尿 尿を失禁する 咳をすると尿が漏れる 出が悪い 切れが悪い
脾の陽虚に止まらず、腎の陽虚もあると排尿に制御がきかなくなります。
そもそも事の起こりは糖尿病ですが、血糖値が高くなるという事は血中に「湿熱」が
生じたという事なのです。(湿が長く留まると熱化して湿熱になる)
すべては脾腎の陽虚による「湿」に始り、それを最初に起こしたのは肝気の鬱結だったのです。
今は「腎虚不固」の証にまで落ち込んでいますが、これは五臓の衰弱の中でも最終的段階です。
これ以上に落ち込まないように食い止めて下さい。
おすすめの漢方処方
(1) 桑漂蛸散(そうひょうしょうさん)加味・・・・・・・・・・(煎じ薬)
★ 流産癖
女 31歳
もっとも治して欲しいこと : 今までに3回の流産をしました。いずれも6、7週の稽留流産です。
心拍確認後でした。つぎは無事に出産できるように健康な体を作りたいと願っています。
全身 : 汗をかきにくい 眠ってばかり
顔面 : 赤い
腹部 : 胃がすぐ痛くなる お酒を飲み過ぎると左の脇腹や背中が痛くなりやすい。
大便 小便 陰部 : 便秘 頻尿(結構近い)
頸部 背 手腕肩 : くびや肩が凝る
腰 膝 下肢 : 腰が痛い 腰が冷える 足が冷える(特に股の内側、足首)
足の裏がほてる(夏に少し)
婦人 : 月経量が少い(前からだが、流産してから以前より減った気がする) 流産しやすい
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返事 :
>今までに3回の流産をしました。いずれも6、7週の稽留流産です。
こんなに妊娠初期の流産ではとても満足に十ヶ月を持ちこたえる事はできませんね。
なぜ流産しやすいのか、その訳を考えてみましょう。
漢方では「月経の来潮と密接に関係しているのは子宮から起こる衝脈で、別名を“血海”と言います。
また妊娠を主宰するのは任脈で、この二脈が助け合うことによって子供が出来るのです。」といいます。
この二脈は子宮から起こるけれども五臓のなかの肝腎の影響をもっとも強く受けます。
なかでも腎とのつながりが強く、「腎気が壮んであれば胎は固く、腎気が虚していれば胎は滑る。」
とされています。
何故なら腎気が胎元を滋養しているからです。
腎気が虚弱であれば「胎気不固」となり、流産するのです。
これを「腎気不固の滑胎」といいます。
>頻尿(結構近い)
>腰が痛い 腰が冷える 足が冷える(特に股の内側、足首)
>月経量が少い(前からだが、流産してから以前より減った気がする)
これらはすべて腎気虚弱からくる徴候です。
では何故、腎虚になるのでしょうか?
過労やストレスから来る場合もありますが、殆どの場合は先天的な体質に因ります。
つとめて「補腎固胎」の作用がある薬草を摂取して養生しなければなりません。
おすすめの漢方処方
(1) 千金保孕丸(せんきんほだがん)加味・・・・・・・・・・(煎じ薬)
★ めまい/夜間排尿が多い
男 78歳
もっとも治して欲しいこと : めまい、夜間の排尿が多い
もともと眼が悪く、今は片目がほとんどみえていない。
4年前に脳神経が詰まって手術。同じく4年前に、前立腺ガンの手術。
(めまいは朝から、又、寝ていてもするみたいです。夜間は7回位おしっこがあるようです。)
顔面 : 普通 めまい
喉 気管 : 切れやすい痰が出る
胸 脇 : 動悸がする
腹部 : 臍の辺りが痛い
大便 小便 陰部 : 頻尿 夜間排尿が多い 出が悪い 切れが悪い
頸部 背 手腕肩 : くびや肩が凝る
腰 膝 下肢 : 膝が痛い
皮膚 頭皮 毛髪 : 斑点(しみ)
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返事 :
>めまいは朝から、又、寝ていてもするみたいです。
>夜間は7回位おしっこがあるようです。
>もともと眼が悪く、今は片目がほとんどみえていない。
おしっこが近くなると先ず“腎虚”を疑います。(腎気不固,膀胱失約)
年齢的にも腎虚は免れません。
腎は「水の臓」で瞳孔と関係があり、腎虚は失明の原因にもなります。
腎虚とは「腎気の虚」の他に「腎精の虚」でもあるので眩暈は当然です。
(腎は骨髄を生ず。髄は脳に通ず。脳は髄の海である)
ほかにも耳鳴、腰膝酸軟、四肢不温など老齢による症状の殆どは腎虚が元です。
おすすめの漢方処方
(1) 右帰丸(うきがん)・・・・・・・・・・(煎じ薬)
★ 夜間頻尿
男 83歳
もっとも治して欲しいこと : 足のむくみと夜間頻尿(90分、120分おきに尿に立つ)
血糖値が高い 喉がかわき、甘いものが欲しくなる
全身 : 気がふさぐ 怒りっぽい 午後から熱が高くなる
顔面 : 瞼がむくむ 目がかすむ 目が赤い
口 唇 舌 : 舌がもつれる 口が乾くい
胸 脇 : 胸やけがする 吐き気がある
腹部 : 腸が鳴る
大便 小便 陰部 : 頻尿 小便の出が悪い 切れが悪い
頸部 背 手腕肩 : 背中が痛い 肘の痛み 腕の痛み 肩の痛み 手指がしびれる
腰 膝 下肢 : 足が冷える むくみがある
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返事 :
> 足のむくみと夜間頻尿(90分、120分おきに尿に立つ)
高齢者の夜間頻尿は腎の陽虚による場合が多いものです。
腎陽虚になると膀胱での気化(水分の再吸収)が不十分で貯留した尿はすぐに出てしまいます。
これを「腎気不固,膀胱失約」「封蔵失職」といい、漢方では“労淋”に分類しています。
「足のむくみ」に気を取られると利水や利尿しなければと考えてしまいます。
本当のところは腎気不固で、それは腎陽虚だからです。
うんと腎の陽気を補って水分の再吸収させてやれば、足のむくみや口の渇きはなくなり、
尿の組成は正常になるでしょう。
おすすめの漢方処方
(1) 右帰丸(うきがん)・・・・・・・・・・(煎じ薬)
★ 頻尿/冷え性
女 28歳
もっとも治して欲しいこと : かなりの冷え性 頻尿 腰冷える 足が冷える
病院も色々行きましたが結局異常なしと言われました。
とにかくトイレが近いんです。残尿感もあります。
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返事 :
>かなりの冷え性 頻尿 腰冷える 足が冷える
>病院も色々行きましたが結局異常なしと言われました。
膀胱炎の疑いはないのですから、これは「労淋」といって、「腎気不固証」に属します。
本来『腎は封蔵の本』といい、腎気や精気や尿を封蔵固密するものなのです。
それが何らかの理由で「腎虚」になり、「封藏固摂失職、膀胱失約」の状態になっています。
<漢方まんだら>のページの中の
B-5腎>A-5寒 腎虚不固081
(久病により腎を損傷すると津液と精血が漏れる)
の証パターンが可能性として考えられます。
即ち、「腎虚不固・気虚生寒」という状態だと想像されます。
これに対しては「補腎固渋・益気除寒」法を採用するのが良いと思われます。
おすすめの漢方処方
(1) 右帰丸(うきがん)・・・・・・・・・・(煎じ薬)
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