以下の例はすべて 痰飲停滞 (津液は肺に停滞すると痰飲となり正常な津液を輸布しない) の証に該当します。
ここに解説の要点を集めてあります。
1. 多嚢胞性卵巣による無排卵月経
2. 喘息
3. 風邪後のせき
4. 化膿しやすい
5. 嗄声
6. 酒のむと息しにくくなる
★ 多嚢胞性卵巣による無排卵月経
女 27歳
経過 : 結婚3年目になります。もともと生理不順でしたが96年11月からひどくなり、
97年4月から不妊専門病院へ通院しています。
おりものがあり、生理のきれが悪かったのですが薬を飲用して通院してから生理は
きちんと5日ほどで終わります。
排卵は薬など注射を使用すると来たり来なかったりしています。
通院をしてから(通院前67g)体重も7〜8kgほど増加してしまい、(最大で76kg)
現在、治療は中止をして体重を少しずつ落としています。
運動(水泳・ウォーキング等)
食事 : 間食しないように和食を中心とした食生活を心がけています。現在3kg減
体型はがっちりした感じです。運動は大好きなほうです。
頸部 背 手腕肩 : くびや肩が凝る
腰 膝 下肢 : 足の裏がほてる お尻がつめたい
婦人 : 不妊症
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返事 :
漢方では受胎は腎気旺盛、精血充実であれば任脈が通じ、衝脈も盛んになり、
月経は順調で妊娠することができるものと説明しています。
それが、腎気が虚弱で気血は不足し、衝任脈が失調すれば妊娠することができなくなるわけです。
では何が原因でそうなるかと言えば
(現代医学ではこれをホルモンの失調と説明するところですが)
漢方では「痰飲(たんいん)」という考え方を取ります。
痰飲が子宮や衝任脉を塞いで「衝任不通」の状態にするので無月経になるのです。
痰といっても喉から出てくる痰だけを言うのではありません。
痰飲、略して痰とは「津液(しんえき)」の変化したもので、
これは六淫・七情・飲食・勞倦・虚損などにより発生するといわれ、
五臓の気血の濁りや逆行が原因だとされています。
痰は変幻自在に離合集散し、全身の内外を動き回るもので、
瘰癧(るいれき・リンパ腺腫)・甲状腺腫・乳房のしこり等もこのせいです。
そして又、痰はよく肥満の形で現れます。
難しい理論がありまして、これ以上の説明は却って混乱させるでしょう。
すすめの漢方処方
(1) 導痰湯加味(どうたんとうかみ)・・・・・・・・・・(煎じ薬)
(2) 啓宮丸(けいきゅうがん)・・・・・・・・・・(煎じ薬)
★ 喘息
男 35歳
もっとも治して欲しいこと : もともと体が弱く、時々呼吸ができなくなったり、
常に健康状態が気になっている状態です。
現在、吸入器を使用しています。
最初は痰がよく出るようになり、好転反応かと思ったのですが、そうではなさそうです。
仕事が忙しく睡眠時間が少ないのも改善すべき大きな要因だとは思いますが、
今はその余地がありません。
全身 : だるい 怒りっぽい
顔面 : 普通 瞼がむくむ めまい 頭痛 鼻づまり 鼻水 クシャミ
喉 気管 : 喉が詰まった感じ 咳が出る ゼイゼイ音がする 呼吸困難 切れやすい痰が出る
胸 脇 : 動悸がする
腹部 : 腹が張る 食欲が無い
大便 小便 陰部 : 尿が濃い
頸部 背 手腕肩 : くびや肩が凝る 腕の痛み 肩の痛み
腰 膝 下肢 : むくみがある 足がだるい
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返事 :
>喉 気管 : 喉が詰まった感じ 咳が出る ゼイゼイ音がする 呼吸困難 切れやすい痰が出る
このように発熱や寒気もなく、痰だけがからむ喘息がもっとも多いですね。
これは「肺失粛降」といって、肺の気を下げる機能(粛降機能)が痰によって
阻害されているのです。
肺は呼吸を司り体内外の気体交換を行う以外に、
もう一つ大切な水道を通調し津液を輸布する働きがあります。
>顔面 : 瞼がむくむ
>腰 膝 下肢 : むくみがある 足がだるい
>大便 小便 陰部 : 尿が濃い
水道の通調が失去すると津液の運行不利となり、むくみになります。
>最初は痰がよく出るようになった
津液が濁って濃密になると“痰”になります。
>腹部 : 腹が張る 食欲が無い
「脾は生痰の源」で「肺は貯痰の器」といい、水分代謝の大元は何と言っても“脾”です。
従って脾の消化吸収機能が衰えた事が根本にあります。(脾失健運,湿聚成痰,痰濁壅肺)
>胸 脇 : 動悸がする
これも津液の病的変化による“痰飲”の病理反応です。
以上を総括して「痰水壅肺証」ということが出来ます。
おすすめの漢方処方
(1) 二三三湯(にさんさんとう)加減・・・・・・・・・・(煎じ薬)
(2) 導痰湯(どうたんとう)加味・・・・・・・・・・(煎じ薬)
★ 風邪後のせき
男 30歳
もっとも治して欲しいこと :
一ヶ月ほど前に風邪をひいて以来体調が戻らず、今だにせき込むことがある。
以前より貧血気味であり、元気の出る、増血作用のある漢方薬をお教え頂きたい。
全身 : だるい 気がふさぐ 怒りっぽい さむけ 汗は出ていない
顔面 : 白い
口唇舌 : 歯茎から血が出る
喉 気管 : 咳が出る 切れにくい痰がある
大小便陰部 : 尿が濁る 尿が濃い
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返事 :
>一ヶ月ほど前に風邪をひいて以来体調が戻らず、今だにせき込むことがある。
>切れにくい痰がある
>尿が濁る 尿が濃い
一ヶ月も経っておれば悪寒発熱などの初期症状はもややなく、風邪が残していった
後遺症のみが喉頭気管支や腎・膀胱にあるという状態です。
それが「だるい」状態なので「貧血気味」かと思わせているのです。
実際は貧血ではなく、風邪が姿を変えて居残っているのです。
この時期になってもまだ風邪薬を飲むような人はいないでしょう。
では何を飲めば良いのでしょうか?
粘痰は「痰+熱」で、尿濁・尿黄は「湿熱」です。
痰と湿は一連のものです。
つまり「痰湿熱」が肺経や膀胱経に残留しているのです。
(風邪ぐらいでは肺・腎の臓器にまで影響はしません、それに繋がる経絡に邪があるのです)
おすすめの漢方処方
(1) 痰咳方(たんせきほう)・・・・・・・・・・(煎じ薬)
★ 化膿しやすい
女 28歳
もっとも治して欲しいこと : 化膿しやすい
全身 : だるい 気がふさぐ 痴呆(ぼけ) 健忘症 さむけ 発熱
微熱 汗っかき 寝汗をかく 眠ってばかり
顔面 : 白い 赤い 瞼がむくむ めまい 頭痛 頭が重い 目がかすむ
目が赤い 目が痒い 鼻づまり 鼻水 クシャミ 鼻血
口 唇 舌 : 唇の色が紫色 アフター性口内炎がでる 歯茎が腫れる 歯茎から血が出る
喉 気管 : 喉が詰まった感じ 喉が痛い 声がかすれる
胸 脇 : 動悸がする
腹部 : 腹が張る 腸が鳴る 食べてもすぐ腹が減る
大便 小便 陰部 : 便秘 痔の出血がある
頸部 背 手腕肩 : くびや肩が凝る 肩の痛み
腰 膝 下肢 : 腰が痛い 腰がだるい 腰が冷える 足が冷える
皮膚 頭皮 毛髪 : おできや化膿 にきび リンパ腫
婦人 : 月経が早くなる 月経痛がある おりもの 乳房にしこりがある
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返事 :
>化膿しやすい
>瞼がむくむ めまい 頭痛 頭が重い
>喉が詰まった感じ
>動悸がする
>リンパ腫
>おりもの 乳房にしこりがある
これらに共通するのは「痰飲」です。
肝気はのびのびと広がる春の生長の気で抑鬱を嫌います。
それが疎通を欠き条達しなくなると肝鬱の状態になります。
肝鬱が長引くと「久鬱化火」といって肝火が生じます。
この火が津液を煉灼すると非生理的な「痰」に変わります。
その痰がはれもの・おりもの・むくみ・しこり等の原因になります。
これを「痰凝気滞」の証といいます。
すべては「情志不舒,肝鬱脾損,醸湿生痰」という生理機序で説明されます。
おすすめの漢方処方
(1) 逍遥散(しょうようさん)合二陳湯加味・・・・・・・・・・(煎じ薬)
★ 嗄声
男 58歳
もっとも治して欲しいこと : 嗄声
2ヶ月前に動脈瘤切除,血管置換の手術を行いました。その後、嗄声が改善されません。
声帯が弛んでいるのが直接の原因です。
なお今も痰は途切れず、1日に1時間程度、排痰で洗面台を離れられないときがあります。
だるい 排痰時に発汗 声がかすれる ゼイゼイ音がする 呼吸困難
切れにくい痰がある 食欲が無い 夜間排尿が多い
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返事 :
>動脈瘤切除,血管置換の手術を行いました。
>声がかすれる
手術のせいか「気滞血淤」が起こっています。
>切れにくい痰がある
>食欲が無い
気滞は脾胃の働きを停滞させ痰を生じさせました。(痰濁凝聚)
それが喉間の脉絡を塞ぎ、声帯肥厚となっています。
この「気滞痰凝」を解決しない限り、いくら術後の時間が経過してもよくなりません。
おすすめの漢方処方
(1) 二子二石湯(にしにせきとう)加味・・・・・・・・・・(煎じ薬)
★ 酒のむと息しにくくなる
男 38歳
もっとも治して欲しいこと : 子供の頃、小児喘息で、中学の頃治りました。
その時の治療は、体に喘息の原因となる物質を注射して、抗体をつくる というものでした。
現在、 日常の生活では、喘息はでないのですがアルコールを摂取(飲酒)すると、
気管がせまくなり、苦しくなる(喘息と同じ症状)のです。
仕事や付合いで飲酒は全て避けられないため、飲酒の際には気管支拡張剤を使用
しているという状態で、 最近はその影響かどうかわかりませんが 動悸が頻繁に
あるようになりました。
全身:汗っかき
顔面:普通 やや鼻づまり
喉 気管:たまに喉が詰まった感じ 酒を摂取すると気管が苦しくなり、呼吸困難
胸 脇:気管支拡張剤を使用した数時間後にやや動悸がする
皮膚 頭皮 毛髪:抜け毛が多い
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返事 :
>治療は、喘息の原因となる物質を注射して、抗体をつくるというものでした
原因治療ではなく対症治療ですね。
>アルコールを摂取(飲酒)すると、気管がせまくなり、苦しくなる
漢方では「酒は痰飲のもと」といいます。
痰飲とは水湿からの病理産物の一つです。
痰飲生成の原因はアルコールの他に油物や肉類や味の濃い食物のとりすぎです。
痰湿の体質になると痰湿が肺の経絡を塞いで肺気の昇降を妨げます。(痰飲停滞)
気の昇降をスムーズにし、胸膈をのびやかにする為には痰湿体質を
改善する事が根本治療になります。
おすすめの漢方処方
(1) 蘇子降気湯(そしこうきとう)・・・・・・・・・・(煎じ薬)
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