里山の生活誌

庭園用水道の配管作業


里山環境生物学研究所
2008年2月


 田舎暮らしも20年近くたつと、家まわりの作業もいろいろと多様になる。当然ながらそうした作業には、水周りの条件がしっかりと整備されているかどうかが問題となる。わが家では、屋外の水道栓は東西に長い母屋のそれぞれの端に一か所と、進入アプローチの入口に一か所の合計三か所に設置してある。これらは母屋の建築のときに、こちらからの注文でプロが設置したものである。当時、設計担当者はその用途についてしつこく質問したものだった。どうやら三か所も水道栓をつけるのは無駄だといわんばかりの態度だった。都会人的発想である。

 そして、およそ20年後の今、庭園用の水道栓は、これらの三か所だけでは全くのところ、たりないということがわかってきた。「庭園」というほどのおうげさな庭ではないのだが、雑木林の一角にあるこの庭的スペースも、いまでは二か所の駐車場のほか、作業兼物置用の手作り小屋、大谷石で組んだ大きな囲炉裏、小さな池と大きなデッキなど・・・が配置されている。そして近頃ではカミサンのガーデニングも佳境に入りつつあるというありさまでは、この一角だけでも三つか四つほどの新たな水道栓が欲しい・・・・ということになってきた。 

 今回は、このエリアに四つの水道栓を新設した。そのうちの一つが上の写真にある、ちょっとおしゃれな水道栓である。蛇口の取っ手部分は鳥のかたちをしていて、銅製の緑青風の色調が、木枠にしみ込んだ防腐剤のうすい緑の色とマッチした。蛇口の下の砂利の木枠は、浸透枡であり、底部にはごろ石と採石を埋め込んである。

 上の二つの水道栓は、二つの駐車場の脇にそれぞれ設置したもので、左側は散水用水栓、右側は普通の水道栓とした。右側のは立ち上がりを低く抑えて散水用水栓風にしてあるが、一応は手などを洗うにも都合よいようにしておいた。この短い立ち上がりは、断熱処理をしたうえで、その周りを竹藪から拾ってきた孟宗竹の筒で覆っている。装着しているホースは、どちらもホースの内部に藻を生育させないために、光を通さないような加工をしたものを使っている。

 もう一つの散水栓は、上の写真にあるように、手作りの池の脇に設置した。つまり、池への給水用である。屋根型の瓦の下にのぞいているのが水栓のコックで、ここから細めのホースが枯木の山の中を通って「く」の字に組み合わせた細い竹筒へと入っている。池の上には網を張った木枠が被せてあるのだが、これは鳥よけである。これがないと、たちまちサギなどがやってきて魚を食べてしまう。

 水道栓をあちこちに立ち上げるためには、水道用の配管作業が必要である。わが家では、深度4,50メートルほどの水脈からポンプで揚水しているのだが、最近、20年近く稼働したポンプが老朽化して新品に交換した。その作業をプロがやっているところをつぶさに観察して、配管の手順などを覚えてしまうと、あとはホームセンターから必要な材料を買ってくれば、すぐに水道の増設はできる。

 上の写真は、従来の配管に新たな分岐を自前で入れた様子を示している。揚水ポンプからの送水管は、塩ビ製で直接母屋へと入っているのだが、その管の一部にループを挿入し、ループの一部から庭園用の新たな配管を接続した。上の写真にあるコックは左が母屋へつながる管で右が庭園に向かう管に設置されている。これら二つのコックを操作することで、母屋と庭園への送水が簡単に制御されるというわけである。写真の木枠は防腐剤注入の1x4材と2X4材で作った。この上に木の蓋をしておけは、いつでもコックの操作ができる。

 水道配管の作業は、要するに力作業が大部分である。配管用の溝を効率よく掘ること、配管用塩ビパイプと接続用部品を状況に応じて手際よくセットしてゆくこと、水栓立ち上がりの部分の断熱処理を的確にやっておくこと・・・、などがポイントであろう。今では、ホームセンターで必要な用具、用品を確実に入手できるので、昔のようにプロにすべてを託すというような愚かなことは、プロには申し訳ないが、しなくてすむようになった。もっとも、このての作業というのは、やはりある程度は好きでないと、うまくできないようである。


最初のページ