サイボーグ009
職員室とラーメンと・・・


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 サイボーグ009は、テレビでも原作でもなく、雑誌を見て好きになった作品。アニメ雑誌の特集を読んで気になっていて、ずっと見たいと思ってたんですが、なんせ、当時高知では民放は2局しかなく、放送の気配すらないまま、リアルタイムでの放映は、3月で終わってしましました。

 しかし、その年の12月、お正月映画として009の封切りが決定。その宣伝として高知でも放映されることになりました。月〜金の5:30〜6:00という時間帯。当時我が家にはビデオデッキはなく、毎日クラブ活動をサボって、テレビの前に座る毎日すごしていました。

 当時私は吹奏楽部に所属してましたが、私たちの学年が入部する前は、部員は二人という弱小クラブだったので、毎日クラブをサボっても、特に何も言われなかった。サボっていた・・・といっても、毎日5:00まではちゃんと練習してたし、土曜日はフルタイムで出席してましたから。

 しかし、季節は秋、秋といえば”文化祭”。「今年は人数もそろったので、まともな曲を演奏できるぞ!」ということで、顧問のM先生はえらく張り切っていた(私たちの新入生歓迎会は、トランペットのソロだったもんね)。”だけど、私には009がある・・・!”と、M先生の期待をよそに、私は5:00に毎日帰っていた。

 そんな私に、M先生はおっしゃいました。「今日は絶対に帰さんぞ!」・・・。その日は文化祭本番2日前、仕上げのリハーサルを行うとおっしゃる・・・(前日に練習しすぎると、口が疲れるので最後の仕上げは2日前に行う)。「えー!!そんな話は聞いてない!困ります!!」と嘆願したけど、「毎日相対してるんだから1日ぐらいいいだろう」と相手にされず(今まで何も言われなかったことに、感謝ですよね(^^;;;)、合奏は始まった。どんなことをしてでも帰りたかった私がとった行動は、”泣く”だった。泣いた、とにかく泣きつづけてやった。前で指揮するM先生も、さぞかしやりにくかったことだろうと思いますが、しかし、どうしても「帰っていい」とは言ってくれず、それどころか、「今日は時間を延長して、最後の調整をするぞ」とのお言葉・・・。

 5:30を過ぎても、先生の予告どおり合奏が終わる気配はない・・・。”こりゃもうダメだ・・・”と半ばあきらめていた私・・・。その時M先生のお声が・・・「今日は遅くなるから、職員室から家に電話を入れなさい」。”職員室・・・”、学校内で数少ないテレビのある部屋・・・。職員室に入るなり、わざわざチャンネルを変えてくださったM先生に後光がさして見えました。

 残り7〜8分ほどだったけど、本当にうれしかったことを覚えています。その上、「みんな、お腹がすいただろう」と、部員全員にラーメンをおごってくれたM先生。こんなに人のいい先生は、そうそういないでしょう。

 そして、今年の4月、M先生はその中学校の校長先生になられたと聞きました。PTAの間では”世直し先生”と呼ばれる有名人らしいです。私たちの時代から何かと問題の多い学校で、ご苦労が絶えないことと思いますが、M先生のご活躍を地元を離れた空の下で祈っております。

(1998.8.19)


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