入院生活を楽しもう
〜レッツ・エンジョイ・ホスピタル・ライフ〜



楽しもう、といわれても、癌と告知されたのにそんな能天気な事言ってられない。
と、きっとあなたは思うかもしれません。
しかし、入院してしまったからには、もう悩んでも仕方ありません。
あとはお医者様と神様に身を任せるだけ。
どうせなら、楽しく過ごしましょう。
YUKI も、つらいばかりの入院ライフではありませんでしたよ。


入院生活にあると便利なもの、楽しいもの
テレホンカード
寂しい夜や、暇な時間。入院中はとにかく誰かの声が聞きたくなるもの。携帯電話の普及でほとんど使われなくなったテレホンカードも、この時ばかりは大活躍。「お見舞い何がいい?」と友達に言われ「何もいらないから、いらないテレカあったら持ってきて!」とお願いしたら、会社中からかき集めて、大量もらったこともありました。
日記帳
入院中は毎日日記をつけるようにしていました。検査内容や先生に言われたことなど、後になると意外と思い出せないものです。日記をつけていれば、いつでも開いて確認することができます。それに、誰にもぶつけられない溜まった思いを活字にすることで、ストレス解消にもなった!
小さい魔法瓶とお客さん用紙コップ
入院生活も2週間以上となると、お見舞い客が結構多いことと思います。いくら病人といっても、せっかく来てくれたお客様をおもてなししたい気持ちは変わりありません。そんなとき、紙コップが結構役立ちました。何度も給湯室に行くのは大変なので、小さい魔法瓶が手元にあるといいかも。
ふりかけ、または味付け海苔
YUKI は入院中2袋も使っちゃいました。手術前や手術後、食欲がないときがあります。そんなとき、ふりかけがあるだけで、ご飯が食べれることがありました。「今日はどれにしようかなぁ」などと、選ぶのが楽しみでした。
小型ラジオ(イヤホン付)
入院が長くなると、テレビも飽きてきます。それから張り切って持っていった大量の小説も、意外と読みませんでした。活字が煩わしいのです。そんなときは、ラジオを聞きながら、新聞など眺めるのがいいかも。それに大きい声ではいえませんが、病室にはいびきをかく人もいます。うるさくて眠れない夜に使えるんです(笑)。
万歩計
え?なんで?思うかもしれないけど、万歩計、私は使ってました。術後比較的自由に動ける乳癌の手術は、体を大事にし過ぎないことがベター。なので医師も意欲的に動くことを勧めます。病院内をウロウロしたり、意味もなく売店に行ったりしていました。万歩計の歩数は「こんなに元気になった!」という、励みにもなっていました。




お見舞いにもらってうれしかったもの
テレホンカード
これは上記に書いたとおりの理由でうれしかったです。乳癌の手術は、終わってしまえばあとは回復するのみ。暇なのです。とにかくあちこちに電話したものでした。YUKI は1ヶ月の入院で、50度数のテレカを10枚以上使いましたよ。
グラタン
お見舞いというとどうしても、果物やお菓子が多いものです。もちろん、体のことを考えて果物など買ってきてくださるのだと思います。しかし病人はジャンクフードに飢えています。たま〜にこってりしたものが食べたくて仕方がなくなるときがあるのです。私が入院中無償に食べたくなった食べ物は、3位ラーメン、2位たこやき、1位はグラタンでした。入院中に食べたお義母さんの手作りグラタン、今でも忘れられない味です。
お花
やっぱりお花はうれしいものです。病人は心も体も弱っています。きれいなお花を見ると「早く元気にならなきゃ」と不思議と思うものです。その際切花じゃなくて、花かごの方が、花瓶が必要ないので患者さんにとってはラクかもしれません。
健康茶
体にいいからと言って、いろんなお茶をもらいました。七福茶、抹茶、玄米茶。さまざまな香りが楽しめるし、なにより体にいいというものは病人には大変興味があります。お茶は「飽きる」ということもありませんし、ティーバッグなら病室のみんなにもわけてあげると喜ばれますので、とても重宝されました。
やさしいことば
なによりもうれしいです。お見舞いにきて、病気のことを詮索する人がいます。「検査の結果は出たの?」とか「治るんでしょ?」とか、家族以外の人から言われるのはとてもつらいです。病気のことは抜きにして、「ゆっくり治してね」とひとこと言われれば、それだけでうれしいのです。



入院中の小話
集団爆睡の夜
普段はすぐ眠れる人でも、病院では不眠症になる人がいます。慣れない生活や、運動不足、病気によるショックなどからくるものだと思います。私も一時期不眠症に陥りました。病室のみんなも、眠れない様子(寝返りなど)が夜中伝わってきます。
ある日、病室のみんなで話し合いました。「今晩は、みんなで眠剤(睡眠導入剤)をもらって、ぐっすり寝ない?」と。病院では意外とあっさりとお薬を出してくれます。その夜は6人全員で眠剤をもらいました。
9時の消灯がきて、病室内いちばん愉快なSさんが「1番、眠剤入りまぁ〜す!」と言いながら飲みました。なんだかおかしくありませんか?思わず私も「2番、眠剤入りまぁ〜す!」と言って飲みました。続けて3番、4番、と6人全員が飲みました。
その夜は朝まで1度も目が覚めず、みんな爆睡。なんだか一致団結?を感じた夜でした。
おちゃめな看護婦さん
手術の翌日、自分の病室に戻る前に、看護婦さんが手術着からパジャマに着替えるのを手伝ってくれます。横になったまま手術着を脱がせ、タオルで体を拭いてくれました(きもちいい〜、けどちょっぴり恥ずかしい)。
「ハイ、では右足から通しますねぇ」と言って、看護婦さんはパジャマを右足から通そうとしました。そこでまず「おいおい」と思った。看護婦さんは、ノーパンのまま私にパジャマをはかせようとしているのです。
「あ、あの、先にパンツはかせてくださいっ」「きゃ〜ごめんなさい!」若い看護婦さんなので、まぁこういう失敗もあるよなぁ、と思いつつ、無事着替え終わった私は、点滴をひきずって自室に戻ろうと廊下に出ました。その時パジャマの上着になんとなく違和感が・・・。

なんと、ボタンが1こずつズレてかけてあるではないかっ。もぉぉ〜う、でもかわいいから許す!
それは胃がんではありません
一度病気をしてしまうと、ちょっとした体の異変に敏感になったりします。普段は気にならないようなことでも「なんだかおなかが痛いような気がする」とか、「食欲が落ちた気がする」とか・・・。
向かいのベッドのTさんもそうでした。
ある晩のこと、退院したらやらなければならないことなどを考えているうちに、眠れなくなったそうです。そのうちに胃のあたりが痛くなってきて、「ひょっとして胃がん?」と思い始めたそうです。そう思い始めたら止まらなくなり、乳がんの後は胃がんの手術か、大変だ・・・と考えはエスカレートして、とうとう朝がきてしまいました。

翌朝の回診でTさんがその旨を医師に伝えました。「先生、夕べ眠れなくなっていろいろ考えているうちに、胃のこの辺が痛くなりました。これは胃がんですか?」
先生は即答、「それは胃がんではありません」。
その様子を見ていた私は思わず笑っちゃいました。あまりにも先生の回答が早かったから。病室のみんなも笑っています。
もうちょっと時間をおいてから「違います」と言ってあげてよ、先生、早すぎるよ!(笑)
合言葉は「カステラ」
手術後の病院ライフは、実に退屈です。楽しみといえば、朝・昼・晩の食事と、たまにおやつを食べながら、病室のみんなとおしゃべりすることぐらい。
ある日、私がお見舞いにもらった抹茶を、病室のみんなに煎れてあげました。時間もちょうど3時だったので、同室のWさんが「お茶にしよう」と言って、抹茶にあうお菓子を探してくる、と、売店からカステラを買ってきてくれました。
楽しい3時のおやつが始まったわけです。
そのとき誰かが「みんなで食べたこのカステラの味、退院しても忘れられなそうだよ」と言いました。思わずみんなウンウン、とうなずく。
「退院しても、外来でたまに会えるよね」と私が言いました。
すると病室内いちばん愉快なSさんが「でもさ、ここではみんなスッピンだけど、外来のときは(化粧を)塗ったくっているだろうから、お互い誰かわかんなかったりして!」と言いました。

結論。
もしそのような理由で相手が誰かわからなかったとき、「カステラ」の合言葉でお互いを確かめることにしよう、ということになりました(笑)。