代車(借り物)日記〜今まで借りた代車や、レンタカーの日記(インプレッション)です〜
トヨタカローラ 1.5XEサルーン (AE110型、1996年式)

神奈川県 足柄山の麓にて。
今回の借り物は、230Eの始動性改善などの修理の際、スマイルさんから
お借りした、トヨタカローラです。
2006年初秋、始動性改善と、死んでしまったセルモーターの交換のために、
いつもお世話になっているスマイルさんへ入庫。
いつもの様に代車を用意して貰う事になりました。
一通り症状の説明と、プロゴルファーのマルちゃん似の担当氏と雑談を終えた後、
管理人「じゃ、そろそろ(帰ります)」
スマイルさん「代車持ってきますね」
スマイルさんの代車は、毎回大体ちょっと古めの欧州車、
過去には、かつてこのコンテンツでも登場した、フォルクスワーゲンヴェントや、ゴルフII、
後はオペルアストラなどがあると言う。
(時には、代車が足りない時に、マルちゃん似の担当氏の私物のW123、280Eを
貸して下さった時もありましたが(無理言ってスミマセン))
個人的には、この頃(80年代後半〜90年代初頭のドイツ車)はカナリ好きなので、
実は正直、毎回これらの代車がちょっと楽しみだったりします(笑)
さて、今回は何が来るんでしょうか。
管理人「ちなみに、今回の代車は何ですか?」
スマイルさん「ちょっと古いカローラなんですけど、いい?」
管理人「全然オッケーですよ」
カローラでしたか(笑)
ちょっと古いという事は、つい先日まで現行だった120型カローラではなく、
その前の110型カローラ(95年デビュー)かなぁ・・・
しばらくしてマルちゃん似の担当氏が持ってきたのが、
やはりAE110型カローラでした。しかも前期(笑)
そんな訳で、今回のAE110型カローラのインプレッション行ってみましょう。
まず、AE110型カローラのデータ。
カローラと言えば、数年前にホンダのフィットが奪還するまで、デビューからずっと日本で
一番販売台数が多いトヨタのファミリーセダン。
世界各国へも輸出が行われ、この地球上でこのカローラが走っていない国は無いぐらい
世界的にもメジャーな車種であります。
110型と言われる、今回のカローラは、1995年デビューした通算8代目のモデル。
一つ前の7代目、100型と言われるモデルが、バブル真っ直中に開発されてあまりに
カネが掛かりオーバークオリティになり値段が上がった反省を元に、今度は大幅に
コストダウンしたモデル。100型のある意味セルシオ(初代)をそのまま小さくした様な
デザインから、直線基調のシンプルなデザインを採用し、初期に採用された分割式で
かつ無塗装のバンパーは、いくら何でも安っぽすぎる。と多くのオーナーにブーイングをされ
(個人的にはコスった際の修理費も安くいいと思うのですが・・・)、
翌96年にはバンパーの塗装化やABS標準装備などの小変更、
そして更に翌年の97年のマイナーチェンジでは、初期のブーイングの反省を受け、
大幅な質感アップと、外装は少し丸みを帯びたデザインに大きめな変更。
更に、レビン/トレノ用の5バルブツインカム、名機4A−GE型1600ccエンジンと
更に6速マニュアルを装備したGTを追加するが焼け石に水。
結局この110型カローラは、世間的には「安っぽいイメージ」を最後まで払拭できないまま、
2000年、次の120型カローラにバトンを渡すことになる。
ちなみに、この120型カローラ、車台は新設計、内装の更なる質感アップなど、
大幅にまたカネかけて、リキ掛けて作ったモデル。この120型のカローラを見ると、
110型カローラに関していかにトヨタが思うことがあったのか汲み取ることが出来ます。


今回のAE110型トヨタカローラ。前から(左写真)後ろから(右写真)
さて、今回お借りしたカローラは、
1996年式のXEサルーン。
96年式という事は最初の小変更直後のモデルなので、バンパーが塗装となり、
ABSが標準装備。エンジンは1500ccの5A−FE型のトヨタお得意のハイメカツインカム
(未だに、トヨタの言う何が、「ハイメカ」なのかさっぱり分からないハイメカツインカムですが)
そのため、型番としてはAE110型になります。
グレードはXEサルーンなので、乗用としては中間グレード。
1500ccで、4速オートマチック、タコメーター無し、オーディオは本来、AM/FMラジオとなりますが、
お借りしたのには、既に2DINカセットCDデッキが付いていました。
まぁ、簡単に言えば最もカローラらしいカローラ。更に言えば日本では極々平凡なクルマとなります。
冒頭に戻ります。
スマイルさん「OK@さん、使い方は大丈夫ですか?」
管理人「この型のカローラ、前に何度か乗ったことあるので大丈夫です」
スマイルさん「それなら大丈夫ですね」
そう、このAE110型カローラ、かつて仲良くしていたオンナノコの家がこれと同じカローラに
乗っていて何度か運転した事があるのを思い出した。
キーを差し込むと、ポーン、ポーン♪という警告音。
いつもこの音を聞くと「ああ、トヨタだなぁ」と思うのと同時に、「忌まわしき教習生時代」を
思い出す管理人であります(管理人が免許取得時の教習車はST190型コロナベースのトヨタ教習車)
キーを捻ると、キュルキュルと軽ぅーい、セルの音であっけなく5A−FE型エンジンは始動。
全くコツなど必要無い。
見渡すと、とにかく万人向けなオーソドックスなブラウンの樹脂インパネに、エアバッグ内蔵の
ステアリング。
この頃のトヨタ車、特に同時期のV40型カムリ/ビスタなどもそうですが、一番コストダウンが
顕著で、特に距離を乗っていないクルマでも、経年劣化で悲しくなるぐらい樹脂が安っぽいのが
ある意味特徴。
ここまでの文章では、思いっきり評価最悪かと思いきや、結局このカローラでは
借りていた2週間で、1000キロ走る事になりました。
何故こうなったかは、下記をご覧下さい。
まずエンジンの印象。
上記の通り、このカローラは、5A−FEと言われる1500ccエンジン。
1987年デビューの90系から、91年の100系、と長くカローラのメインを勤めたエンジン。
トヨタお得意のハイメカツインカムエンジンだが、何がハイメカなのかさっぱり私には分からない(笑)
エンジンの性質としては、同じクラス(デビュー当時)のホンダシビックのVTECエンジンの様に
高回転までシュンシュン回るとか、フォルクスワーゲンゴルフのエンジンの様に、実用低回転重視の
低速トルク型エンジンでもなく、通常使う回転域では大体どこでも過不足なくパワーもトルクも出る。
ホント、言葉通り「可も無く、不可も無く」というカンジ。

可も無く不可も無くが取柄、とにかく黒子に徹する5A-FE型1500ccエンジン
前に、お仲間の営業部長氏が言っていた一言で、
「日産のエンジンは、エンジン、トヨタのエンジンは原動機」と言っていましたが、確かに
このトヨタのエンジン、原動機という観点から見れば見事に黒子に徹して、ドライバーには、
エンジンについては何も考えさせなくて良いまさに「ベストオブ原動機」というカンジです。

カローラのエンジンルームより。エアコンってディーラー装着のオプションなんでしたっけ?
ハンドリングは、これもなかなか素直。
これはトヨタ車に共通する事かもしれませんが、とにかくクセが無い。
欧州車や、マツダ車の様な「ハンドリング馬鹿(いい意味でね)」とかではなく、
クセが無い、可もなく不可も無く。というカンジです。
でもハンドリングが素直なので、曲がりくねった道を意外とスムーズに
こなしていく事が出来ます。
後は、ボディサイズが適正かつ、ハンドルが切れるので狭い道に
入ってしまっても余裕でこなすことが出来ます。
内装に関しては、ご存知の通り、このAE110カローラだけではなく、
バブル崩壊直後に設計された90年代半ばのトヨタ車に共通しますが、
悲しくなるぐらい安っぽい材質を使っている印象があります。

カローラのインパネ。もう少し樹脂の使い方が上手ならば・・・
この後のトヨタ車は、同じ安い(コストダウン)した素材を使っても、
それを安っぽく見させない効果(シボの付け方)を出来る様になりましたが、
この頃はやはり慣れていなかったのか、ストレートに「安っぽい」という
印象に繋がってしまっているのが残念です。
シートも、材質は決して悪くは無いのですが、やはり普段乗っているW123と
比べてもそうですが、欧州車と比べると絶対的な大きさが小さいのが難点です。
ちょっと長距離は辛いです。
そんなAE110型カローラですが、
やはりここまで書いた感想だとあまり良いイメージでは無い様に感じるかもしれません。
でも、このカローラを乗りながらふと一つの事に気づきました。
「日本で乗るなら、このカローラはカナリ乗りやすいクルマではないか」
確かにエンジンは可も無く不可も無いエンジン、ハンドリングも際だってシャープでは
無いですが、全てが必要十分。
全てのメカニズムが前に出ることなく自然で、ドライバーにとって「クルマ」という存在を
主張していないかの様に感じる。
日本で一番売れる乗用車、カローラ。それだけ多くのユーザーを相手にする
クルマになるためには、クルマ自体が黒子に徹している様である。
実際問題、狭い道も、曲がりくねったワインディングも意外とすんなり走るカローラ。
高速の追い越しなども確かに「怒濤の様なトルクが」とか「背中を押される様な加速が」
なんてのはないですが、ドライバーの意志通り普通に何事も無くこなしてくれる。
いささかプレーンすぎないか。というデザイン。そしてTHEクルマ!と言う様な3ボックスの
ボディですが、これがどんな風景のトコロに止めていてもすっと風景の中にとけ込んで行く。
何処に行っても浮くこともない。

カローラ写真館@、A。どんな風景にもスッと入って浮くことが無いカローラのデザイン
ある意味平々凡々とした。というのがこのカローラの一番の特徴なのかも知れません。
これだけ何もかもが普通にこなせるクルマ、そして何より機械的な心配もないこれが、
新車で150万円そこそこで買える日本という国はある意味幸せなのかも。
極めてパワフルなエンジン?シャープなハンドリング?惚れ惚れする様なデザイン?
クルマ趣味?大いに結構。
気が付けば230Eが帰ってくる2週間の間のトリップメーターが1周していました。
14日間で1000キロ走破。でも実際はそんなに走った気がしません。
今回の結論。
「ニッポンの道にはカローラ」
でも、このカローラというクルマ、平々凡々とした印象の奥に味があった。
クルマというモノの奥の深さを考えさせられた一台です。