代車(借り物)日記〜今まで借りた代車や、レンタカーの日記(インプレッション)です〜
トヨタマークII 2000グランデ (GX110型、2004年式)

今回の借り物 トヨタマークII
2000グランデ
今回の借り物は、コラムでも触れますが、230Eが逆追突に遭い、
修理の際、相手の保険会社が用意したクルマです。
230Eが逆追突という不意打ちを喰らい、修理入庫する際、
相手の保険会社が代車を用意してくれる事になりました。
その際、ダメモトで「(230Eと)同じクラスのクルマを用意するんですか?」と聴いてみたトコロ、
(正直多分、保険会社はレンタカーで用意するので、ヴィッツ、フィット、マーチなどの
コンパクトタイプが来るかと管理人は思っていました)
流石にメルセデスはムリ(当たり前ですね)だけれども、マークIIクラスなら代車で出せるという。
意外な回答に勿論快諾。
ただ、レンタカーで用意する都合上、クラスは指定出来るが、メーカー車種は指定できないという。
管理人の脳裏に浮かんだのは、マークIIクラスということなので、
・トヨタマークII
・トヨタマークX(もしかしたら最新型が配備されている可能性も考えて)
・日産ティアナ(残念ながらトヨタマークIIのライバル、ローレルが消滅したので)
・マツダミレーニア(意外な事にまだマツダレンタカーでは結構現役)
・三菱ディアマンテ(三菱レンタカーだったらこれが来る可能性大)
うーん。内装がシックなティアナ、設計は古いけどハンドリングが良く、出来が良いV6エンジンという
評判のミレーニア(デビューは93年!)なんかが来ればいいなぁ・・・
なんて一人で浮かれつつ、顔を怪我した230Eで修理工場へ行ったところ、
保険会社が回送し既に用意されていたのは、確かに言葉通りマークIIでありました。

今回のマークII、後ろから。個人的にこのリアデザインは結構いいと思います。
マークIIというクルマ、生い立ちは日本の国民車の礎の一台、トヨタコロナの
上級版としてデビュー。ポジションとしては、コロナより上、そして日本を代表する高級車クラウンよりも下というポジション。
完全なアッパークラスでもなく、勿論ミドルクラスでもない。という一見狭い市場の様に感じるが、
高級に見えすぎて角が立つ事もなく、そして簡素でもなく装備は豊かという、
ある意味、「出る杭は打たれる」という言葉を重んじるこの日本のユーザーの心情を見事に掴み、
初代から確実にヒットを飛ばしたモデル。
あのバブルの頃は、日本のベーシックカー、カローラに迫る勢い、月に数万台売れていた。
というぐらいだから驚く、ある意味マークIIこそ「日本の国民車」なのでは。と管理人は思ってしまいます。
今回のマークII、初代から数えて9代目(X110型)、現行型はマークXと改名してしまったので、
マークIIとしては最後のモデル。車検証の登録年月を見ると、年式を見ると2004年式
後継のマークX発表寸前でしたので、本当のラストマークIIだった様です。
グレードは、2000グランデというマークIIでは一番ポピュラーなグレード。
このX110型マークIIでは一番ベーシックなグレードになりますが、
勿論フルオートパワーウィンドゥ、オートライト、デュアルエアバッグ、ABS、リモコンドアロック
木目パネル内装、オプティトロンメーター(EL発光)
これらの装備が全て付いています。ベーシックという言葉とは程遠い装備です。
<インプレッション>
早速キーを受け取り、リモコンドアロックでドアを解除。
(今となっては当たり前の装備かも知れませんが)これだけで管理人、「高級車だあ」とメロメロ(笑)
マークIIに乗り込み、キーを差し込むと・・・
ポーンポーンと踏切の様な音。
管理人はこの音を聴くと「ああ、トヨタ車だなぁ」と思う瞬間。
(ちなみに、バックの時に「キンコン♪」という音を聴くと「ああ、ホンダ車だなぁ」と思う瞬間です)
どうでもいい事ですが、管理人の教習所時代のトヨタ教習車(T190コロナベース)を思い出します。
エンジンを掛け、まず何より驚いたのが
「静か」
という事。普段ヤカマシイ車しか所有したことの無い管理人にとっては当たり前なのかも
知れませんが、これには感動。ちなみにその後何度かエンジン掛かっているのに、
もう一度キーを回しそうになりました。

ミッションは勿論オートマチック(4速)
ゲート型に区切られた「メルセデスのパクリ」タイプ
今回のマークIIは、当たり前ながら4速オートマチックのモデル。
最近日本でもほぼ定着した感がある、一直線ではなく、ゲート型にレンジを区切ったタイプの、
いわゆる「メルセデスのパクリ」タイプ。
レバー自体はしっかりした作りで、操作感は軽くもなく、重くもなく、ストロークも少なく絶妙。
Dレンジに入れ、ちょっと軽めのアクセルをそっと踏み込むと、恐ろしくスムーズに発進。
加速もよく、エンジンもパワーがある。カナリ好印象。
このX110型マークIIのエンジンは全て直列6気筒。
前に乗った日産のRB型直列6気筒(これがまた世界最高峰の6気筒エンジン)、RB20E型に
加え、かなりパワー感があるので、てっきり1JZ−GE型の2500ccのモデルかと思いきや、
途中の信号待ちで車検証を見たら、原動機の欄には思いっきり
「1G」
と書かれておりました。


とてもスムーズかつ静かな、VVT-i付き1G-FE型エンジン(通称BEAMS2000)
この1Gというエンジンは2000cc、デビューは遡る事25年近く前、1980年代初頭のもの。
代々マークII兄弟や、クラウンに積まれ、改良に改良を重ね、8代目のX100系の途中で、
可変バルブタイミング、VVT−iを採用し、「BEAMS」という愛称を付けられた1G−FE型では最終型のエンジンとなります。
上記の通り、加速も、回転の上がりもすこぶるスムーズ。
エンジンの遮音もとても良く対策がされており、もの凄く静か。
回転の上がり方などの味付けは、日産のRB型や、BMWのシルキーシックスの方が
確かにいいのですが、これらはどちらかと言うとエンジンメインなエンスージアスティックなタイプ。
逆にこの1Gエンジンは、スムーズかつしずしずと回り、静かでパワーも十分。
エンスージアスティックな要素としてのエンジンというよりも、信頼性の高い良い意味でまさに「原動機」。
例えて言うならば、最近の日本には希少となってしまったであろう奥ゆかしい、「大和撫子」の様なカンジです。

マークIIのインテリア
室内も、FRのレイアウトを採用しながらも、背は先代にあたるX100系よりも高められ、
十分な広さ。確かに広さではFFレイアウトを採用したプロナード、ウィンダム、カムリなどもありますが、
これらがダダっ広いというある意味アメリカのリビングというカンジなのに異なり、
これらより狭いとは言えども適度な狭さ。
室内は、明るいアイボリーの布張りのシートに、明るめの木目調パネルの組み合わせ。
なかなか趣味も良く、過去に場末のスナックのシートの様と例えられたワインレッドの内装を
多様した(特にX70系とか:笑)のと同じ車種とは思えません。
例えで言うと、丁度いい広さで落ち着く8畳の応接間というカンジであります。

メーターはこれもトヨタお得意のオプティトロンメーター。
メーター照明にELを採用し、めっちゃ白く、めっちゃ明るいです。
いつも乗っててつくづく「暗いなぁ」と思う230Eのメーターとは(心情的に)100倍は明るいカンジ。
ハンドリングに関しては、これは予想通り、ちょっと多めのアシストのパワーステアリング。
町中では扱いやすいのですが、高速走行時にはちょっと軽すぎて不安になる事がありました。
サスペンションに関しても同じく、町中では非常に乗り心地はいいのですが、
高速走行時はちょっと柔らかすぎるかな。と感じられます。
これらの通り、市街地を走行する分には、とても良く出来た印象があります。
幹線道路を60キロで流していると、エンジンはすこぶる静かでスムーズ、
ハンドルも扱いやすく、サスペンションも絶妙な味付け。
乗っていて、これほど良く出来たクルマは世界に無いのではないか?と思ってしまいます。
ある意味、
「100キロまでの速度域では、(物理的なサイズを除けば)確実にBMW750iLよりも快適である」
と管理人は感じました。
ちなみにこのマークII2000グランデ。新車当時の価格は235万円。
この値段でこの快適さ、ある意味驚異です。
輸入車でこの値段で探すと、ゴルフ1.6Eやアストラ、ちょっと足して116iなど・・・
そこでふと思ったこと上記の通り、100キロまでの快適度は無敵のこのクルマ。
確かに高速を走るなら、安定感はBMW3シリーズや、それともゴルフの方があるのかも
知れませんが、そのクルマを購入して、手放すまでのキロ数のうち、ナン%が高速走行か。ということ。
恐らく半数以上、ヒトによってはほぼ全てが街中を走っているのではないかと思います。
それを考えると、この快適さ、この値段。後は何を求めるモノがあるのだろうか・・・・
それらの全てに背を向けて、230Eを転がす管理人。
「クルマ趣味ってナンなのだろう?」と、哲学的な思考をさせられてしまいました。
このマークII、結局500キロちょい走って、リッター8キロ弱。
2リッター6気筒のオートマチック車、そして猛暑の中ガンガンにエアコンを効かせていたので
この値は決して悪くないと思います。
今回のマークIIの結論。一言で言うと
「日本人による、日本人が作った、日本人のための一台」という感じ。
ある意味、万人の満足度が最も高いであろう一台。
管理人も趣味柄よく、ヒトから「どんなクルマにすればいいか?」なんて質問を受けますが、
クルマを趣味としないヒトならば、このマークIIは最も心配なく勧められる一台。
ふと、過去のCG誌を読んでいたら(89年3月号)、丁度6代目マークII(GX80型)の
ロードテスト第1回で、テスターの熊倉さん(現モータージャーナリスト)が
当時同じくテスト中だった、750iL(E32型)と比べて同じ事を書いていて驚きました。
最後に、その熊倉さんの一言。
「ヒトにクルマのアドバイスを求められたら、このマークIIを勧めておけば、もっとも間違いがなく、
そして今後の人間関係が崩れることはまずないだろう」(要約)
この一文。管理人大いに同意です。