「 愛知県犬山市にある京都大学霊長類研究所のチンパンジー「アイ」(♀、23歳)が、ヒトと同じような記憶力を持っていることを、同研究所の松沢哲郎教授と川合伸幸研究員が初めて実証した。アフリカ生まれのアイは、これまでに漢字など百以上の文字や数字がわかる「天才」として知られていたが、数字を短時間に覚えて記憶する能力もヒトの成人並みに達していることがわかった。
河合研究員らは、アイにコンピュータの画面上で、「0」から「9」までの数字をいくつか一度に見せた後、記憶を頼りに小さい数から順に答えさせた。その結果、5つの数字を最初に見せた場合の正答率は65%だった。
数字や文字などを瞬時に覚えて記憶できる個数は「マジカルナンバー」と言われる。ヒトの成人のマジカルナンバーは、7プラスマイナス2とされる。アイのマジカルナンバーは、少なくとも5と判定され、成人並みとわかった。」
これは、2000年1月6日付けの科学雑誌「nature」のBreif
Communications欄に報告された研究です。また、テレビ(私が観たのは、日本テレビの夜のニュース)でも紹介されてました。
ちなみに、朝日の記事は「成人並」と書いてますが、ネイチャージャパンの紹介記事では、「就学前児童と同程度かそれ以上」と書いています。まだ原本は見ていないのですが、たぶん後者の方が正確な表現だろうと思います。
さてさて、チンパンジーのアイと言えば、霊長研で言語の勉強をしている賢いチンパンジーとして有名ですね。これまでも、自分で鍵を開けて脱走したとか、ジミー大西と算数対決をして勝ったとか、いろいろ話題を振りまいてくれています。
大学時代に、大学の図書館で、松沢さんが書かれた本(「認知心理学選書21 チンパンジーから見た世界(東京大学出版会)」)を借りて読んだことがあります。その本の中では、「アイプロジェクト」の研究成果が詳しく紹介されていて、「なんておもしろい研究をしているのだろう」と、感激したことがあります。そのときは、霊長研に行ってチンパンジーの研究をしたいと思ったものです。
霊長研では、アイの他、何頭かのチンパンジーが一緒の言語の勉強をし
ているのですが、アイが一番賢いそうですね。アイは、文字や数字を識別する他、色と色を意味する文字との関係を認識するそうですし、百円玉をお金として使用して、食べ物と交換することもできるそうです。
最近では、世代を越えた知識の伝達が可能かどうかを調べるため、アイの出産に挑戦していまして、人工授精に成功し、98年7月に出産したのですが、そのときは残念ながら死産だったそうです。その後、再挑戦し、昨年10月に妊娠が判明し、今春出産する予定だそうです。期待しましょう。(Maki)