記事紹介(チンパンジー、ゲノム解析、H12.11/26記)

→サルの部屋


『チンパンジーのゲノムで新薬 宝酒造・三和化研 解析で提携合意 遺伝子特許化目指す』(H12.11/23朝日)

「宝酒造と大手医薬品卸スズケンの製薬子会社、三和化学研究所は、22日、チンパンジーのゲノム解析で提携に合意した、と発表した。三和化研は、飼育しているチンパンジー約100匹の血液サンプルを宝酒造に提供する。宝酒造は、チンパンジーとヒトのゲノムを比較することで、新薬に結びつく遺伝子の解明につなげる方針で、機能の分かった遺伝子の特許化や、データベースの構築を目指す。

 チンパンジーは、DNA配列がヒトと2%程度しか違わないといわれ、そのゲノム解析は、人類の進化を知るうえでも重要と世界的に注目されている。宝酒造は、同社の子会社でアジア最大の民間ゲノムセンター「ドラゴン・ジェノミクス」(来年1月末の完成予定)でチンパンジーのゲノムを解析。感染症に対するヒトとの遺伝子の反応の違いなどを調べるとしている。

 三和化研は、国がB型肝炎のワクチンを開発するため、1978年に輸入したチンパンジーを引き取り、熊本県内の施設で飼育。チンパンジーは絶滅の危険性が指摘され、国際的に取引が厳しく制限されており、国内には400匹弱しかいない。同社の保有匹数は国内一で、世界でも有数という。」

 
 この記事紹介のページでは、いつもは動物園の話をとりあげることが多いのですが、今回はゲノム解析のお話。類人猿は、遺伝子レベルで見ればヒトとほとんど変らないので、チンパンジーのゲノム解析は医薬品開発などの研究開発のために非常に有効な方法なのです。さらに、ゲノム研究分野の日本のトップ企業である宝酒造が取り組むのですから、これは今後の発展が期待されますね。(→宝酒造のニュースリリースはこちら
 さてさて、記事に出てくる三和化研という会社なんですが、絶滅危惧種であるチンパンジーを100匹飼育していると聞いてびっくり。とてもびっくり。チンパンジーが国内に400人もいるというのもびっくりなのですが、三和化研だけで国内の4分の1もの数を飼っているというのはすごいと思いました。どんな飼育環境なんでしょうね。動物園でのエンリッチメントだって最近出てきた考え方なのですが、それが研究開発を行う企業ではどんな感じなんでしょうか。まあ、大事な実験動物ですから、それほどむげに扱ってはいないものと期待したいと思います。とりあえず、血液サンプル採るくらいなら死にやしませんから、三和化研にはそれで儲けてもらって、その分をチンプ達の生活環境の維持・改善にまわしてやって欲しいものです。(Maki)