記事紹介(日光ニホンザル、H12.3/17記)

→サルの部屋


今回は、同じ話題で2つの記事を紹介します。

 『野生サルにエサ「厳禁」 日光市、全国初の条例案』(平成12年3/6朝日新聞3面)

「何人もみだりにサルにえさを与えてはならない」−野生ニホンザルが観光客にかみつき、商店や人家に侵入するなど深刻な問題を抱える栃木県日光市は、サルの餌付けを禁止する条例案をまとめ、6日開会の3月市議会に提案する。野生動物の餌付け禁止条例は全国でもはじめて。自然保護団体や研究者は早くから、餌付けは野生を失わせ、自然破壊につながると指摘していた。人間にとっても野生動物の付き合い方の転機となりそうだ。

 雪が残る華厳の滝に近い駐車場に「サルに注意」の看板がちらほら。多いときは30匹近いサルの群れが姿を見せるという。
 土産物屋は、ガラスの引き戸をつなげて閉じ、重く開けにくいようにするなどしている。それでも「サルは入ってきて、菓子やようかんを盗んでいく。観光客が少ない冬は特にひどい」と店員。被害が年4、5万円に上る店もある。
「日光市サル餌付け禁止条例案」は、サルが野生を失い、市民生活を脅かしているのは、餌付けが「主原因」であると指摘する。野生で生息できる環境を整備し,人間とサルの適正な関係を実現するのが、餌付け禁止の目的だ。
 餌付け問題で、日本自然保護協会は75年に報告書をまとめ、「サル、シカ、ガン、カモなどへの餌付けが保護に役立つというのは誤解だ。餌付けはむしろ自然破壊で、生息環境保全の貧しさの隠れ蓑になりかねない」と指摘した。
 今回の餌付け禁止条例案に罰則規定はないが、悪質な違反者は市長が氏名などを公表する。可決されれば、今年4月から実施の予定だ。注意しても「エサをやってなぜ悪い」と居直る人もいただけに、条例の効果が期待されている。
 サル対策には、これまでの様々な試みがあった。栃木県は97年に「日光・今市地域ニホンザル保護管理計画」を作り、サルと人間との住み分けを図った。日光いろは坂周辺は、車を止めてサルにエサをやったり記念写真をとったりする観光客が後を絶たないため、看板やチラシでエサやりををやめるよう警告、学生アルバイトを巡回させて、サルを追い払ったが、効果はあまりなかった。
 米国イエローストーン国立公園では、グリズリー(ヒグマ)からリスまで野生動物への餌付け、生ゴミの放置を厳禁している。人に慣れて接近したり、エサを求めて人間を襲ったりしかねないからだ。
 北海道知床では、観光客にソーセージをもらい、味をしめたクマが、人間に近づいて危険なため駆除された。ヒグマとの共存を目指す斜里町自然保護係の山中さんは「本来は自然公園法で餌付け禁止を明記すべきだが、法規制もない現状では、日光市の条例は大きな前進だ」という。

宇都宮大学小金澤助教授の話
  野生生物と人の関係を根本的に問い直す条例だ。人間の方は軽い気持ちでエサをやるのに、問題が起きるとサルなどの動物の側だけに責任を押し付けてきたが、人間の側にも責任があると自覚することが第一歩だろう。」

 『人慣れサル厳しい春 餌付け禁止間近の日光』(平成12年3/17毎日新聞夕刊1面カラー写真付)

「栃木県奥日光のニホンザルにとっては厳しい春になりそうだ。日光市が全国初の「サル餌付け禁止条例」を4月1日から施行する予定で、市議会が条例案を審議しているからだ。奥日光では、観光客がサルにひっかかれるなどの被害が年間数十件報告されている。人慣れしたサルがエサをねだり、場合によっては暴力に訴えるためだ。専門家の中には「『慣れ』でサルが人間を自分より下位の存在だと考えるようになった」と原因を説明する人もいる。
 観光客の少ないこの時期、いろは坂周辺のサルたちはおとなしいが、それでも群れの近くに車を止めると、ボンネットの上に飛び乗りエサをねだる。地元関係者は「知恵ある人間としてえさを与えるのを自制してほしい」と呼びかけている。」

日光のサル害は、最近特にひどくなっているらしいですね。条例ができることは非常によいことと思う。私の気持ちは、殆ど小金澤助教授が代弁してくれているので省略するとして、問題は実効性でしょう。エサをあげるのが観光客なので、取り締まりが効くもんなんでしょうか心配ですねえ。罰則規定ないもんなあ... 日光市さん、取締りしっかりやってください!(Maki)