大峰山(400m)は、櫛形山脈の南端にあり、その支稜に群生する「橡平のサクラ樹林帯」は、昭和9年に国の天然記念物に指定された。種類や生育場所によって、開花の時期も花の色も微妙に違うサクラが新緑の峰に映えて見事な景観をつくり出す。サクラが群生している山には、ハイキングコースが整備されていないので、サクラの木の下で、お花見というわけにはいかない。大峰山の登山道の「一本松展望台」から、大沢の谷を隔てて眺めるだけである。それだけに、周辺の自然環境は、守られていると言ってよい。
今回(2006年4月19日)来週のグループ登山の下見を兼ねて、願文山(248m)経由で、大峰山に登ってみた。願文山に城跡があり、途中、オオバキスミレ、カタクリ、スミレなどが咲き乱れる心地よい道だった。
大峰山登山口の貝屋には、サクラ公園があり、広い駐車場がある。しかし、普通の年なら大半のハイカーはその先の寺沢林道の終点まで車を乗り入れので、願文山から大峰山を目指すハイカーはわずかである。
今年は、サクラ公園の先で、林道は閉鎖されていた。今年の豪雪によって、崖崩れがあって、林道の修復工事が行われているということだった。大半のハイカーは、終点まで林道を歩いていた。
駐車場のログハウスの脇から、整備された遊歩道が右手の山に伸びていた。登りきった広場が花見広場でトイレがあり、村民が植えたいろいろな種類のサクラが、今が盛りとばかりに咲き誇っていた。遊歩道は、さらに見晴らしの丘、花見の丘と続いていた。
花見の丘で、左に遊歩道を分け、願文山に向かう登山道に入る。ユキツバキの咲くなだらかな登山道が中間点まで続く。その先に、短いけれども急な登りがあり、待望のオオバキスミレやスミレサイシン、カタクリなどの花が現れた。
山頂の手前には、人の手になったと思われる空堀(堀切)がある。山頂の広場には、石塔と石の祠があり、右手から金山からの道が登ってきた。再び現れる空堀(掘切)を横切り、尾根の鞍部までゆるやかに下ると、ここにも願文山と大峰山の中間点であることを示す標識が立っていた。
ここから大峰山の展望台地まで約100mのやや急な登りとなる。もっとも急な箇所は階段になっていた。この周辺のカタクリは特に見事だった。

傾斜がゆるんで、上からハイカーの声が届くようになれば、大峰山の展望台地はすぐそこである。ここは、明るい芝生の広場で、越後平野の展望が良く、ハイカーが思い思いに休んでいた。立派なログハウス(山小屋)もあって、小屋の前には、金塚小学校の生徒が植えた雪割草が咲いていた。サクラ公園から、ここまで、約1時間半をみればよい。大峰山の山頂は、ここから、尾根に沿って自然林の中を約10分進んだところにある。
下りは寺沢林道からの登ってくる一般コースをとった。沢に沿って、大きく迂回を繰りかえしながら下ると、水場に出る。このコースは、遅くまで残雪があり、雪解けの斜面には、カタクリやショウジョウバカマが咲いていた。
この先の小高い丘が、有名な「一本松展望台」で、「あずまや」や解説の看板が立っている。大沢を越えて、対岸の尾根や斜面に広がる天然記念物「橡平サクラ樹林帯」を一望することができる。開花時期に合わせて来れば、カスミサクラ、オオヤマサクラ、オクチョウジサクラなどが、カエデ、トチ、ナラなどに交じって群生していて、まことに壮観である。今回(4月19日)は、つぼみから1部咲き程度で、尾根や斜面にぼんやりと白いかすみがかかっている程度だった。
「吉平観音」から、サクラの木が植えてある明るい斜面を下ると、大沢林道に下りる分岐があるが、ダム工事のため、通行禁止になっていた。左の斜面をからんで緩やかに5分ほど下ると、ぽっかり林道終点に出た。10台程度の車のおけるスペースがあり、トイレも設置されていた。林道が閉鎖されていることもあって、1台の車もなかった。ここから、サクラ公園駐車場まで約30分の林道歩きとなるが、すれちがう車の心配もなく、斜面に咲いている山野草を観賞しながらの下りはちっとも苦にならなかった。(2006年4月19日)