鋸山は、長岡市東山連峰の最高峰(765m)で、山頂付近が八海山のように鋸状になった独特の形をしているので、すぐにそれと分かります。雄大な眺めと手ごろな縦走コースで、ハイカーの人気を集めています。
長岡市の栖吉から、栖吉川沿いに花立峠を経て登るコースが表道です。登山口には、「天狗の泉」という清水があって、パイプの先から勢いよく流れ出ています。
沢沿いの道は、烏滝の手前で橋を渡り、川の右側に移ります。雪解け水がかたわらを流れる登山道を行けば、アズマイチゲ、ショウジョウバカマ、ネコノメソウ、オオバキスミレなどが次々に現れ、眼を楽しませてくれます。使われなくなった田んぼの中にミズバショウが自生してところもあります。
杉林を抜けると、休憩場所のオオモミジまであと一息です。そこから、木々の新緑がまばゆい急な斜面をジグザグに登り、明るい小尾根に出ます。4月中旬は、このあたりは、豊富な残雪に覆われ、雪の斜面を登ることになるでしょう。平坦な尾根を南東方向にたどれば、やがて花立峠に到着します。石仏が祀られている花立峠は、西に展望が開け、刈羽の山が眺められます。
半蔵金へ下る峠道を分け、左へ木立の尾根を進みます。登り始めと中ほどに、すばらしいブナの樹林帯があります。途中、尾根が日本海側に切れ落ち、その急斜面にユキワリソウが咲いているところもあります。
やがて、山名どおり、小さなピークが現れます。下から眺めて想像したような鋸の刃渡りもなく、小さな登り下りを数回繰り返すと、木立が切れ、頂上に着きます。山頂には、一等三角点と石祠、方位盤などがあります。展望はすばらしく、守門岳や川内の山々の残雪がとても印象的です。そのまま、稜線を進めば、大入峠登山口に至ります。
花立峠から、半蔵金へ下る道は、山腹を巻きながら、静かな木立の中を進みます。なだらかな道は、きれいに整備され、ところどころ芝とコケに覆われていて、昔の峠道の雰囲気が伝わってきます。後半は、棚田の中の農道を行きます。棚田の風情が好ましく、開放的で、展望もすぐれています。