標高2078mの赤岳は、表大雪の中でも、ゴンドラリフトのある旭岳、黒岳に次いで、登りやすい山である。層雲峡温泉から標高1517mの銀泉台まで、車道が通じているので、日帰り登山者も多い。なだらか山容は、北海道の乗鞍岳のようである。
銀泉台の登山事務所からしばらく車道をたどると、登山口の入り口がある。40分ほどの登りで森林限界となり、視界の開けた斜面のお花畑に出る。このあたりが、第一花園と言われているところで、右手に石狩連峰が見える。エゾコザクラやエゾウササギギクやヨツバシオガマなどの咲く斜面をトラバースし、平坦なハイマツの廊下を抜けると、第二花園だ。この付近には、遅くまで、残雪がある。小さな池のある「神の田圃」を過ぎると、砂礫地にコマクサの咲く駒草平だ。ロープが張られ、手厚く保護されている。
やや急傾斜の第三雪渓の左を登り、砂礫の平坦地に出ると、左手に三角錐の東岳(2067m)が見える。この付近から第四雪渓にかけて、エゾコザクラ、エゾツガザクラ、アオノツガザクラ、チシマツガザクラ、キバナシャクナゲ、エゾツツジがピンクや白の絨毯を作っている。
第四雪渓の右端を登って、稜線に出ると、そこからはさえぎるもののないだだっぴろい火山礫の尾根となり、表大雪の山々が見え始める。烏帽子岳や黒岳が間近に見え、北鎮岳や凌雲岳がかすんで見える。
赤岳は、尾根上の大岩といった感じで、山の体をなしていない、真の山頂は、山頂の北200mのところにあるが、登山道はない。ここで昼食をとる。その間、天気が次第に悪くなってきた。
前方にのっぺりとした砂礫の小泉岳が横たわっているが、きわだった山容ではない。風あたりの強い広い尾根を進むと、T字路の小泉分岐に着く。直進(南西)すれば、ひと下りで、白雲分岐となる。左(南)の道は緑岳を経て、高原温泉に下る道だ。左の道に入ると、すぐ、小泉岳の標識がある。高原のなかの、一地点といった感じである。この付近には、この付近しかないホソバウルップソウ、エゾタカネツメクサ、トウヒレン、イワブクロ、クモイリンドウなどの固有種が多く見られる。
流れる霧の中で、白雲岳が見え隠れする。北鎮岳や凌雲岳もガスの中に消えてしまった。やがて、雨が落ちてきて、雨具をつけての下山となり、高山植物の写真をとるのをあきらめるしかなかった。(8月6日)
(本文は、トラベルマスターズ社の「十勝岳登山、小泉岳フラワートレッキング(2007年8月4日〜7日)」に参加した記録です)
■上の写真 : 赤岳から小泉岳に向かう (Ryoji Honda)

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