高坪山(570m)は、胎内川と荒川の間に連なる蔵王山系の主峰である。胎内市黒川地区蔵王権現から登る古い登山道があったが、荒川町の梨の木から登る登山道が整備されてからは、そちらの方から登るルートが有名となり、ガイドブックのほんどは荒川町のから登る周回コースを紹介している。
最近黒川地区蔵王から登るコースの整備が進み、ポイントには案内板も設置され、わかりやすくなった。2007年発行の「新潟日帰りファミリー登山」には、釈迦岳として、この高坪山周回コースが紹介されている。一般には、蔵王山の方の通りがいいようである。このコースの特徴は、途中に蔵王山城跡や蔵王権現跡などの史跡に富むことである。また、蔵王権現周辺のブナを中心にした森林は、新潟県森林浴の森百選に指定されている。
新潟から行く場合、国道7号線の塩沢交差点で、右折し、蔵王集落に向かう。集落が尽きるあたりに、車15台が止められ程の空き地があるが、さらに先に伸びる細い林道を進めば、道路の左側に登山道の入り口を見る。その先に、車が5台ほど駐車できる空き地がある。
林道の先にはブドウ園があり、通り抜けはできない。登山道は、ブドウ園を迂回するように作られている。杉林を抜けると、明るい伐採地になり、まもなく、真新しい東屋に出る。ここからはブドウ園越しに、目指す蔵王山が一望できる。まもなく、登山道は、大きく右に回り、ブドウ園左の雑木林を行くようになる。
ブドウ園が尽きたところで高坪山分岐に出る。手前にベンチが置かれており、ブドウ園越しに、ため池と東屋のある丘陵が見える。登山道はここで、左まわりコースと右まわりコースに分れる。右まわりコースをとれば、釈迦岳、大沢峰、中峰と縦走し高坪山に至る。左まわりコースは、高坪山に直接登るコースである。お勧めは、右まわりコースを登り、左まわりコースで下山する周回コースである。
右まわりコースに入ると、しばらくは、杉林の中の水平道を進む。まもなく、このコース中唯一の水場である小沢を横断する。沢の上流には、砂防ダムが作られている。水場から少し登ると林道に出る。ここから先は、その林道をたどることになる。約10分で林道の登山口入り口に着く。そのそばには、「新潟県森林浴の森百選」の標識もある。コースに変化があるので、ここまで来るのに、約45分はかかる。
ここからは、はっきりとした尾根の急な登りとなる。15分で、蔵王山城跡(325m)に出、次の20分で蔵王権現跡(427m)に着く。蔵王権現跡は、周辺をブナに囲まれた静かな広場になっていて、一休みするのに良い場所である。次の20分で、釈迦岳(蔵王山)(527m)の山頂だ。右に胎内川から登ってくる登山道を見るが、整備の状態がよくないので、入らないようにという標示がある。山頂は藪を切り開いた小さな広場になっている。南側が開けており、飯豊連峰や二王子岳が見えるが、樹林で下がかくされているので、眺めはあまりよくない。景色を見るなら、その先にある切り開きの方が良い。
ここからは、なだらかな縦走路となり、大沢峰(534m)中峰(563m)と徐々に高度を上げる。縦走路の見所は、ブナの原生林であり、ひんやりとした空気がほてった体に心地よい。
中峰を越えると、三方境分岐に出る。右は、飯豊連峰展望台を経て、虚久蔵峰に通じ、左の道を行けば、最高峰の高坪山(570m)に至る。ここまで来て飯豊連峰の展望を見逃す手はない。右の縦走路に入って、展望台まで足を伸ばし、展望を楽しむ。再び、引き返して、ブナ林の美しい左の道に入り、高坪山に向かう。高坪山では、日本海のパノラマが見える。荒川町から登ってきたグループが休んでいる。
山頂からは、ブナの林の中の急な坂道を下る。傾斜がゆるんだところに、蔵王分岐がある。はじめの場所に戻るには、左の道に入る。階段状に整備された道が、高坪山分岐まで続く。ブドウ園の脇を下り、登り返して、東屋に出る。ここで、蔵王の山に別れを告げ、駐車した場所に向かう。(2007年9月16日)
■上の写真 : 登山口東屋から見た蔵王山 (Ryoji Honda)

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