信越トレイル-天水山・三方岳

  新潟県と長野県の県境に連なる関田山脈。ここには、越後と信州の交易に使われた16の峠がある。この峠を結び、南の斑尾山から北の天水山まで縦走するようにつなげたのが「信越トレイル」だ。2008年全線が開通した。アメリカの「アパラチアントレイル」の日本版である。トレイルの目的は、頂を目指すものではなく、豊かな自然の中をのんびり歩くことである。ブナの森を抜けると、突然開ける里山の展望、この繰り返しがこのトレイルの魅力である。
  平成7年7月7日タングラムスキー場から信越トレイルの南の起点である斑尾山に登った。平成9年9月21日には、妻を連れて、関田峠から中央部の黒倉山、鍋倉山に登った。
  平成9年10月18日、新潟日報旅行社のツアーに参加して、関田峠から伏野峠(セクション5)まで歩いた。この日は天気が悪く、小雨の中のトレッキングとなった。霧の中で、ブナの巨木が幻のようにつぎつぎと通り過ぎて行くのが印象的だった。
  このリベンジをかねて、今回(10月25日)は、北の起点である天水山(1088m)から三方岳まで歩く計画を立てた。道の駅「信越さかえ」に売っているトレイルのマップによると、天水山への登山ルートは、三つあって、十日町市松之山大巌寺高原からのルート、津南町山伏山キャンプ場からのルート、長野県栄村森宮野原駅からのルートがあり、松之山ルートがもっとも短く、ポピュラーなようだ。今回は、松之山登山口から登るコースを選んだ。
  関越自動車道を越後川口インタ−で降り、国道117号線を進んで、津南町に入る。宮野原橋の先の交差点で右折して、舗装された林道をジグザグに約15分登ると、山伏山森林公園に着く。山伏山荘の前には湖(薬師湖)があって、三角おむすびのような山伏山の姿を水面に映している。ここから林道を車で5分ほど進むと、天水山津南口があり、さらに数分進むと、天水山松之山口がある。登山口には、信越トレイルの標識が立っており、車が数台置ける空き地がある。
天水山の写真
  左手に整備された登山道がブナの林の中に延びている。やがて、ブナの巨木が林立する北斜面を約30分登ると、左から津南口の登山道が下りてきて一緒になる。さらに、ひと登りで、稜線に出て、宮野原ルートの分岐となる。稜線を右(西)に進んで、最後に急な斜面を登りきると、標高1088mの天水山の山頂である。山頂には、信越トレイルの標識があり、南東側が開け、津南町の河岸段丘や苗場山が見える。
  ここから信越トレイルの縦走路に入り、ブナの林の中を西に向かって下り、ピークをいくつか越える。天水山から三方岳にかけては、新潟県側は急斜面が続いていて、ときどき新潟県側の景色を開け、何度か立ち止まりたくなる。途中、窓のように切れた落ちた崖の上から、渋海川沿いの集落や棚田が俯瞰できる。その先には、米山と黒姫山のシルエットがある。信州側の景色は、潅木に遮られて見えない。
  右真下には、尾根と平行して斜面を切った林道(大巌寺林道)が樹間から見えかくれする。この林道は深坂峠に通じており、周回ルートとして利用できる。
  三角点のある三方岳(1138m)の山頂は狭くて、樹木に囲まれているため、名前のような展望は期待できない。下りは元来た道を忠実に帰る。登山口からここまで2時間、下りは1時間45分を要した。
  天水山の北斜面のブナ林の中に薄日が差し込んで、とても幻想的だった。この美しさは、撮影ポイントとしてよく知れているとみえて、三脚を持ったカメラマンが数人、林の中で撮影していた。(2009年10月24日)

■上の写真:信越トレイルから見た天水山と大厳寺林道(Ryoji Honda)

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