期日 2002年10月6日(日)
大戸岳(1416m)は、会津若松市の最高峰であり、会津盆地を取り囲む山並みの南端に位置している。大戸とは、阿賀川沿いに吹く季節風に対して、扉のように立ちはだかるの意である。会津盆地から見ると、大戸岳が左の扉のように見える。右の扉は小野岳(1383m)である。小野岳がお碗を伏せたような独立峰であるのに対して、大戸岳はいくつかのピークを南北に連ね、意外に図体の大きい山である。
小野岳は、江戸時代の宿場の町並みが保存されている大内宿の登山口から登れば、約1時間半でわけなく頂上に達することができるので、ツアー登山の対象にもなっているが、大戸岳は、3時間を要する長丁場の山である上、稜線には切り立った岩稜の登りがあるので、とてもツアーの対象になる山ではない。
今回の山行の参加者は増子(L)、岡村、唐木、高木、西巻、石黒、藤田、本田の8人。前日は、湯野上温泉の民宿(すずき屋)に宿泊した。
当日は、一旦国道121号を上三寄まで戻り、右折して闇川に向かう。闇川から荒俣沢沿いに林道が伸びており、約1kmで登山口に着く。ここは二つの沢の出会いになっている。林道を右折して、すぐコンクリートの橋を渡り、草むらの中に駐車する。
7時10分登山開始、砂防ダムの脇から尾根に入ると、始めは、粘土質のえぐられた登山道があり、やがて明るい尾根筋に変わる。尾根の西側は自然林が伐採され、杉の幼樹が植林されているので、見通しが良い。前方に、大戸岳の主稜が見上げるほど高いところに見える。
ほどなく、登山道は、ブナやミズナラの自然林の中をゆるやかに登るようになる。途中五合目小屋跡を通過するが、その痕跡はまったく見当たらない。
尾根筋を登り始めてから、1時間半で旧道分岐に着く。ブナに代わって、針葉樹のアスナロの大木が目立つようになる。道は尾根ルートと山腹をトラバースするルートに分岐するが、尾根ルートはほとんど消えかかっている。右手のトラバースルートをとると、約20分で「中ツ手清水」があり、良い水場になっている。
道は山腹を巻きながら、最後に主稜に突き上げる。約40分のかなりきつい登りである。ここまで登ると、周辺の紅葉は、かなり色づいている。
主稜を右に進み、岩場のあるやせ尾根をロープにすがって慎重に登ると、「風の三郎」のピークだ。狭い岩場のピークから、すばらしい展望が開け、長い登りの労苦を忘れさせてくれる。
一旦下って、やせ尾根を登り返す。10時15分に、一等三角点と石の祠のある大戸岳山頂に立った。頂上からは、猪苗代湖、磐梯山、吾妻山、飯豊山、三本槍岳、二俣山などの山々が望まれるとあるが、この日は、かすみが濃くて、遠方の山はよく見えなかった。
頂上で昼食を含め、約1時間休みをとって、予定よりも1時間早く11時に下山を開始した。
山頂直下のやせ尾根を下っていると、突然男女含めて10人くらいの登山者が登ってきた。例によって、女性登山者の元気が良い。なまりの強いことばから、地元のグループのようだった。
「中ツ手清水」からは快適な下りとなり、落ち栗を拾いながら思ったより楽に登山口に着いた。天気にも恵まれ、深い原生林の雰囲気と変化に富んだ山旅を充分味わった。(文責 本田 良二)