箕輪山、鉄山(福島県)

期日 2004年5月30日(日)

  飯豊連峰の最高峰といえば、飯豊山(2105m)ではなくて、大日岳(2128m)である。奥秩父の最高峰といえば、金峰山(2599m)ではなくて、北奥千丈岳(2601m)である。このことは、山好きのひとならたいてい知っているが、一般には、あまり知られていない事実である。これらの山は、不幸にして、主脈縦走路から外れている上に、全体の印象がおおらかで、秀麗さに欠けるとあって、飯豊山や金峰山に盟主の座を譲ってしまった。
  福島県の安達太良連峰にも、これと同じ不遇の山がある。
  安達太良連峰の主峰といえば、乳首の形に似た安達太良山(1700m)である。安達太良連峰の魅力は、安達太良山から矢筈の森、鉄山と続く主稜のアルペン的景観にある。標高1700m前後の山とは思えないような赤茶けた岩と砂の荒涼とした世界は、初心者を驚かすだけの魅力がある。
  しかし、この連峰の最高峰は、安達太良山ではなく、標高1718mの箕輪山である。鉄山を越えて、一歩南に箕輪山の縦走路に足を踏み入れると、様相は一変する。尾根は、丈の低い潅木やハイマツに覆われ、広い高原状となる。前方に、大きくなだらかな線を引く箕輪山は、大きなドームのようである。アルペン的要素は失われるが、東北の山の良さをしみじみ感じさせてくれる風景である。巨岩が散積する山頂は、広くて清潔であり、気分の良い場所である。ここから望む鉄山は、なだらかな線をひいて、別の山のように見える。
  高体連シニア山の会2004年春の定例山行では、残雪と新緑のコントラストを求めてこの山を選びました。
  5月30日(日)予定どおり、春の定例登山(箕輪山、鉄山)を行いました。参加者は、増子、唐木、小林、岩野、高木、石黒、藤田、本田の8名です。
  5月29日、4台の車に分乗して、林に囲まれた小さな宿沼尻温泉の「リトルウッド」に集まりました。天気予報では、次の日は曇り後雨ということでしたが、幸い、前線の南下が遅れて、5月30日は、晴れて絶好の登山日和になりました。
  箕輪スキー場の大駐車場に駐車し、、箕輪スキー場のゲレンデに平行した登山道をのぼります。リフトの終点まで約1時間、そこからオオシラビソの林の中に入ります。林を抜けると、ナナカマドやツツジの潅木帯となり、新緑の潅木の中を泳ぐように進むと、やがて、ハイマツやシャクナゲも現れて、高山の様相になりました。
安達太良山の写真
  リフト終点から、山頂まで約1時間、開放感のある広場には、巨岩がごろごろし、360度の展望が得られました。ここで、会員の一人増子さんが鉄山までの縦走を断念しました。
  山頂から、主稜を緩やかに下った鞍部が笹平です。この周辺は、ミネザクラの花が多いところです。
  登り返すと、急な岩の登りにぶつかりますが、ひとがんばりすると、なだらかな高原状のガレ場に出ます。植生もハイマツやガンコウランが点在するようになり、茂みの中に咲くミネズオウの花が見事でした。
  避難小屋を越え、なだらかな尾根を進むと、やがて鉄山の山頂です。矢筈森の岩峰を前景に、安達太良山の鋭鋒を望む景観は、連峰随一です。ここで、体力、気力とも充実した会員の一人小林さんが安達太良山までの縦走を試みました。
  残りの会員は、避難小屋の前で、昼食をとり、箕輪山に戻りました。帰りは、タケノコやコシアブラの芽を採りながら、ゆっくり下山しました。リフトの終点から、スキーゲレンデに出て、そのまま広いゲレンデを下って、駐車場に出ました。

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