ヒメサユリで有名な袴腰山(526m)の北、谷をへだてて見える山が重倉山(295m)です。重倉山の麓には、「中浦ヒメサユリ森林公園」があります。
この公園は、旧下田村によって作られた公園ですが、町村合併により、現在は、三条市が管理しています。公園内には、食堂や売店、バンガローやオートキャンプの施設もあり、手軽に楽しめる森林公園として、休日になると、森林浴やキャンプをする家族連れで賑わっています。従来は、入園するのに、環境整備費として、200円の料金が必要でしたが、2006年4月から無料になりました。
かって、この公園には、たくさんのヒメサユリが植栽されていました。公園内にある案内板にも、ヒメサユリの咲く場所の案内が出ています。
ところが、今回(2006年6月1日)「山のともだち」で行ってみますと、その場所には、1本のヒメサユリも咲いていないのです。まさに「看板に偽りあり」です。
この日は、公園の定休日だったので、係りの人に話を聞くことはできませんでした。公園内にいた地元のおじさんの話では、「この公園では、もうヒメサユリを見ることはできませんよ。ヒメサユリを見たければ、隣の袴腰山に行ってください」ということでした。
時の流れとともに、ヒメサユリの咲く公園として売り出すよりは、流行のオートキャンプ場として売り出した方が金になるだろうという考えに変わっていったのかもしれません。
ヒメサユリが咲いているのを見にきた私たちは、がっかりしました。隣の重倉山には、わずかな数ですが、自然のヒメサユリが咲いていました。そこで、ひょっとしたら、この公園の裏山にも、自然のヒメサユリが咲いているのではないかと思って、裏山に登ってみることにしました。登るにつれて、松林の中に、ポツポツとヒメサユリが現れ始めました。
展望の良いピークまで登ると、「咲いてる、咲いてる」、日当たりの良い尾根の東斜面に自然のヒメサユリがいっぱい咲いているではありませんか。中には、1本で、4〜5つの花をつけているのもありました。標高250mにも満たない里山にこれだけのヒメサユリが見られるのは、めったにないことです。私たちは、すっかり満ち足りた気持ちになりました。
同時に、その斜面には、たくさんのワラビが頭を出していました。このまま放置すれば、目ざといワラビ採りの人の足で、この貴重なヒメサユリが踏みつけられてしまう恐れがあります。早急に保護の手を差し伸べる必要があることを感じました。(2006年6月1日)