新潟県と福島県の県境にある浅草岳は、その優美な山稜、豊富な残雪、美しい草原とお花畑で中高年の登山者にもっとも人気のある山の一つである。桜曽根の登山口から、わずか2時間足らずで、頂上に達することができることから、誰でも気軽に高山の雰囲気を味わうことができる。
6年前に、浅草山麓に県立のエコ・ミュージアムができ、五味沢からの林道が整備されて、途中まで、車で入りやすくなった。休日になると、林道は登山者の車で大混雑となる。従来の桜曽根駐車場は、手狭になったので、ネズモチ平登山口の手前に、大駐車場を作り、その先の林道にゲートを設け、一般車の通行を制限するようになった。(同じような例は、平標山にもある。押し寄せる車の混雑をさばくために、国道脇に大駐車場を設け、その先の林道を閉鎖してしまった)
登山者は、ゲートから登山口まで、約40分林道を歩かなければいけない。林道歩きは良いトレーニングになるし、道の両側には、季節の花が咲いているので、それを見ながら歩けば、それほど苦にはならない。
桜曽根の登山口から1時間30分ほど登ると、三角点のあるカヘヨボッチに着く。ここから先は、低木帯となり、左右の展望を楽しみながらのハイキングとなる。この先の登山道には、新しい木道(平成17年度着工)が敷かれている。新しい木道は、山頂直下まで、延々と続いている。前岳から頂上までの稜線には、雪田や草原があり、ヒメサユリやイワカガミ、オヤマリンドウなどの季節の高山植物が咲いている。木道によって、貴重な植物群はいくらか保護されることになるだろう。
山頂からの展望は360度、多くの越後や福島の山々が見える。特に、爆発火口の跡を残す鬼ケ面山の大岩壁の迫力とまぼろし城のように立つ守門岳の姿は、まことに印象的である。
頂上を越え、東(入叶津側)へ10分ほど下ると、突然目の前が開けて、広い草原が現れる。みずみずしい草原に、風が吹くと、まるで草の海のようである。
この草原は山頂から見えないので、気がつかない人も多いと思う。ここは、通称「天狗の庭」と呼ばれているところで、福島県の緑百景の一つであり、記念碑に「浅草山頂の大草原」という刻銘がある。この山の本当の良さを知るために、ここまで下って、みずみずしい草原の雰囲気を味わって欲しいと思う。(参考までに、新潟県で山頂草原のある山は、巻機山、未丈ガ岳、などです)(2006年9月20日)