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私が演奏していた六本木のクラブに たまたま夫が遊びに来た それが私達の馴れ初めだ グラハムセントラルステーションの元ギターが来ているという噂が さざ波の様に クラブ中を駆け巡っていて それが 同業者である私をとても緊張させていた事を覚えている 演奏を無事終えて バンドの席に戻ると そこに 彼がいた ほんわりとした なじみ深い空気を持っている人だな というのが 最初の印象 でも はっきり言って 容姿の方は あまり好みではなかった それでも 同じギタリスト同士 おまけに大先輩だ 彼に請われるままに 電話番号を渡した すると それから2週間 毎日 電話がかかってくる様になった 多い時には 日に3度も4度もかかってくる けれど 忙しい と言えば すっと切るその引き際が なんだか好ましくて とうとう デートの誘いに応じる事に… 待ち合わせの場所で 彼が車に乗り込んできた時 何気なく目が合った その瞳の奥を覗いた時 あっ 私は この人を知っている と なにやら不思議な想いに包まれた これは今でも はっきりと 脳裏に焼き付いている情景だ 触れると 安心出来る人 それが私の夫になった
8.9.00 |
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