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「サウナってなに?」
メキシコの公用語はスペイン語である。で、町の中にある看板はほとんどがスペイン語で書かれていた。(私がメキシコに行ったのは10年くらい前である)私はスペイン語はまったくわからない。それで現地で日本語の話せるガイドが付くツアーに参加した。 そのガイドはメキシコ人と結婚している気さくな日本人女性だった。 そのツアーには私ともう一人の日本人男性が参加していた。 つまり大手の旅行代理店が主催するようなツアーではなく、ガイドと運転手だけで客を観光地に連れて行き、説明してくれるものだった。 そのツアーで覚えているのはピラミッドに登ったことぐらいだ。けっこう急勾配で上まで登る間には平坦な場所があり、宮殿跡と思われるような柱が立っていたりしたが、かなり高かった。その日本人ガイドははじめから登る気はなく、私はここで待っているからと言って、腰掛けてしまった。 ガイドが言うには、このピラミッドを登った日本人のおばあちゃんがいて、そのおばあちゃんに感想を聞いたら、「金比羅さんの石段に比べたら楽なものよ」と頂上まで登ったそうな。 仕方がないので私ともう一人の旅行者は、登ることになったが、ガイドがいないので柱に彫られている豹などの動物が何を意味するのか、神殿跡みたいなのは何なのかわからずに登った。 頂上にたどり着くとさすがに汗をかいたが、下から吹き上げてくる風と眼下に広がる地上の景色に見とれた。 私は、その男と頂上で、「いい加減なガイドだな」と言ってけなしていた。 私はたいした目的もなくメキシコに来ていたので、ぜひとも見たいというものはなかった。 が、彼は違った。 彼の友人はボクサーで試合中の殴打が原因で亡くなっていた。彼はメキシコに来て、ボクシングの試合を見ることにしていた。 しかし、友人がメキシコで亡くなったのなら気持ちはわかるが、日本で行われた日本人同士の試合でのことだった。それなのにどうして、メキシコなのか、理解に苦しんだ。 たぶん、彼自身にも説明の付く理由がなかったと思う。 私たちはそのツアーが終わると、夜会う約束をして別れた。 私のメキシコシティーでのホテルはお城のような外観のところで、大きな木製の戸をあけると、だだっ広い薄暗い空間があり、そこに机を置いただけのレセプションがあり、部屋はもちろんドミトリーで、風呂はなく、シャワー室が別なところにあったが、ここもすこぶる広く、20畳はあると思われる石の壁に覆われたところにシャワーが数個付いているという、日本では考えられないような空間の使われ方だった。 とにかく薄汚いところだった。 私はシャワーを浴びて、夜、待ち合わせの場所に向かった。 私たちは、ボクシングの試合を見ることにしていた。彼は、試合を見ることを私にピラミッドの頂上で強く勧めていた。彼が言うには、メキシコのボクシングの試合も今では世界戦ぐらいしか人を集めることはできないが、3回戦4回戦ボーイの試合でも日本で見るよりは熱気が会場にある、ということだった。 |
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つづく |
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。。 |