謎のスリーピース 


目次
【はじめに】
【四国遍路に出た理由】
【準備と装備】

【出立】
【阿波の国 ~ 発心の道場】
【土佐の国 ~ 修行の道場】
【伊予の国 ~ 菩提の道場】T
【松山でひと区切り】
【伊予の国 ~ 菩提の道場】U
【讃岐の国 ~ 涅槃の道場】
【妹の嫁ぎ先】
【看板坊主くん】
【参禅体験】
【色んな人と出会いました】
【懺悔の初体験】
【野宿へのいざない】
【女であるということ】
【こうして一日が過ぎてゆく】
【島四国88ヶ所 】
【色んなお接待を頂きました】
【結願】

【心的な変化について】
【これから】


  








     一本の線香

    Photo by YUTIAN
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【参禅体験】

参禅(さんぜん)とは、坐禅(ざぜん)に参加すること
自分のうちが禅宗のお寺を菩提寺にしていることは知っていました。幼い時はその菩提寺のお寺さんが開園していた保育園に通っていたし、もしかその頃が一番手を合わせていたかも。「のんのんののさま 見てござる」と、訳は分からずともことある毎にお歌を歌って手を合わせておりました。

四国を歩き始めてからというもの、毎日のようにお大師さんの話を耳にして、密教の教えというものに触れる機会が多くて、そしたら仏教そのものも含めて自分の宗派のことを何も知らないことが気になり始めました。宗派の違いが気になったんじゃなくて、生まれた頃から一番身近にあった、いわば自分自身の「宗教的なルーツ」のようなものを知りたくなったのです。

一度区切って地元に戻っていた時のこと。法事で来られた菩提寺の若いご住職さんに、供養をしてもらった後を待ち伏せて、実は今歩き遍路をしている最中だと切り出してみました。そして今まで顔は合わせたことはあっても会話したことは無くて、このとき初めて少しお話することができました。知りたいことは山ほどあったけどうまく質問できなくて。そんな中、ご住職が「○○は通られましたか?」と尋ねてこられて「いいえ、そういう地名は覚えがありません。次回は松山から海沿いを東に行くことになります」と答えると「私はへんろ道は分からないのですが、もし○○という地名を歩かれたら、そこに私が修行をした僧堂(そうどう)があります。地元では有名なお寺ですから、時間があれば寄られたらいい」と教えてくださいました。

私は阿呆なので、現地に入るまでへんろ道が○○を通っていることを知りませんでした。そして、お寺の名前も忘れてしまいました。「○○というところに、禅宗のソードーがある」…頭にはそれだけが残っていました。そこに行けば、自分のルーツが分かるかも知れない。多少へんろ道からそれていても是非寄ってみたいと思いました。ずんずん進んで、はたして、そのお寺はありました。しかも民宿岡田のご主人と鎌大師さん、HALさんの協力をいただき、そのお寺の見学?にまでこぎつけました!!

車で送ってくださったHALさんに御礼を言ってお別れして、様子も全く分からぬまま、立ち会ってくださった修行僧に促されるままに記帳をしました。「上山とはお寺に入ることです。下山とはお寺を去ることです。貴女はいつ下山される予定ですか?」「は、はぁ…日にちは…決めていません。でも、遍路の途中ですので長居は…。明日…かなぁ」「それでは、下山予定日の欄は何も書かないでおきましょう」「はい、有難うございます」あいやーこれはのん気に見学などと言ってはおれないようだ。

そこでの体験は、ひとつひとつがとても興味深いものでした。坐禅、食事、掃除。お寺の住職さんに当たる方からも、直接声をかけていただきました。結局翌日にはそのお寺を後にしたので、禅の何たるかも分からぬままでしたが、疑問ばかりでまんじりとしていた気持ちは解消されました。百聞は一見にしかず。かくも体験が説得力を持っているとは。お蔭で、ルーツ探し(…と言うか、価値観探しの方が合ってるのかな)は今後も続きそうです。


Photo by YUTIAN:1本の線香が燃え尽きるまで、坐禅を組みます。
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      僧堂にて
 
      Photo by YUTIAN

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