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| 【出立】 |
JR坂東駅に着いたとき、すでに15時になろうとしていました。ホームにも待合室にも誰もおらず、寂しいスタートでした。駅の周辺にも人の気配はなく、不安に駆られながらも1番
霊山寺を目指して歩き始ますと、途中、おばあさんとすれ違いました。おっかなびっくり挨拶と会釈をして、逃げるように立ち去ろうとすると「あんた、1番に行くの?
ならこっちだよ」と教えてくれました。おばあさんに気をとられて、大きな石柱の前を通り過ぎていたのだ。しょっぱなからこれかーと頭を掻きつつ、おばあさんに御礼を言って霊山寺に向かいます。
霊山寺に到着。山門は工事中。足場が組まれてその姿は見えず、ちょっと凹。気を取り直して奥に進みます。しかしお大師堂前で参拝する団体さんに出会い、立ち往生。何しろ人が多くて通り抜けられないのです。皆さん一生懸命に拝んでおられて、誰もこちらに気付く様子はなく、なかなか本堂まで辿り着けないのでした。境内には池や橋があって、日本庭園なのか?と思いました。私の持つお寺のイメージと違っていました。
参拝用品はライターとロウソクしか持ってこなかったので、その殆どはここ霊山寺で揃えました。今思えば、道中で少しずつ揃えてもよかったかなと思います。他の売店に比べて高値だという情報はありましたが、それは自分の身をもって体感いたしました…。
「歩きの人だけ、このノートに記帳していって」と言われたので、自分も歩きなのでと言って記帳しました。そしたら、ちゃぶ台に学生さんらしき若い男の人が座っています。この人も初めての四国遍路らしく、落ち着かない様子で参拝作法が書かれた小冊子をぱらぱらとめくっていました。私も荷物が急に増えてしまって、揃えたばかりの参拝用品をどうしていいものやらと思案に暮れているうちに、その男の人は一足先に旅立ちました。ノートを見ると、この日は彼を含めて6人の歩きへんろさんが出立、私は7人目でした。
売店を出てすぐのところが本堂で、買ったばかりの教本を開いて、誰かに聞かれてやしないかと辺りを見回しながらつっかえつっかえ、ぼそぼそと読経して、納経はもうしてあると言われたので、お大師堂に行きました。そこで、本堂にロウソクと線香をお供えするのを忘れていたことに気付きました。引き返すのも情けないので、心残りながらもそのままにしてお大師堂の参拝を済ませると、傍で作務をしていた人に「なかなか上手にお経読めるじゃない」と声を掛けられました。デヘヘと照れていると「でも輪袈裟のかけ方が違う」と直してもらいました。表裏を間違え、しかも上下逆さにかけていたのでした。このかけ違えは、それ以後も幾度か指摘されることになります。しかし今ではえっへん、ちゃんとかけられるのです(何だか偉そうだ…)。
こうして平成15年10月2日、真新しいランドセルに背負われる新一年生が如く、ピッカピカのへんろ姿でYutianの遍路道は始まりました。
写真;秋へんろは晴れた日が多く、いたるところで彼岸花が色鮮やかに出迎えてくれました。
Photo by YUTIAN:彼岸花、曼珠沙華とも呼ぶ。花言葉は「真実の愛」 |
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