名古屋の味 イタリアンスパゲティ 編

 この企画を始めてから重要なことに気が付いた。あたしゃ、名古屋に住んでいるから(正確には隣の市)、名古屋名物ですよと鳴り物入りで説明されて いるのは他にないものだと認識できるのですが、例えば赤味噌がそうであるように、ごくごく普通であたりまえじゃん、と思っているものが実は名古屋限定品 だった場合、認識できないという危険をはらんでいます。

 名古屋をはじめとする東海地方(この東海地方ってのも曲者。愛知・岐阜はOKなんだけど、それに三重は入るのか?静岡は?高校野球なんかで愛知岐 阜三重の高校が負けちゃうと、中日新聞は福井だろうが石川だろうが、なりふり構わず応援を始めるもんなぁ)では、喫茶店が非常に多いことで有名です。特に 岐阜なんかは喫茶店で使う金の多さが日本一だそうで。ただ、その喫茶店のほとんどは個人経営の零細なもの。顔なじみになると無理も聞いてもらえ、まったり と長居することもできるんですが、一見さんには敷居が高い。勢い、チェーン展開されている「コメダ珈琲店」なんかに人が流れちゃう。ということで、そうい うお店がひとつ、またひとつと灯を消していきます。そのような喫茶店の軽食メニューのひとつ。

 他地域ではナポリタンスパゲティと称しているもの。名古屋では「イタリアンスパゲティ」と称します。スパゲティを炒め、ケチャップで味をつけたも の。具はソーセージ。豪勢な店だと玉ねぎやピーマンが入ります。これが焼いた鉄板皿(ほら、ステーキハウスなんかで使われるような、あれ)に生卵を敷き、 半熟の卵焼き状にした上に盛られて出てきます。ジュージュー言わせながら食べる、卵がからんだスパゲティの味は格別。こんな簡単なもの、どこにでもあると 思ったら、名古屋限定だったのね。こりはびっくり。このイタリアンスパゲティは、名古屋市東区にある喫茶ユキが発祥だと、どのウェブページにも書いてあるので、うちにも書いておきます。

イタリアン・スパゲティ  「甘味喫茶おかげ」のイタリアンスパゲティ。
 おかげでは、「レトロスパゲティ」と表記されています。

 各社から缶やレトルトで出ている「ナポリタン」は、見た目には似ているんだけど、なんか、スパイスやダシがいっぱい混ぜてあって、まずくはないんだけど、あのケチャップ一点張りのワイルドでパンチのある味がないのよね。もっとも、あんなん、自分でも作れるんだけど。