中風前兆(TIA)と脳卒中の予防
世界人類の主要な死亡原因となっている三大疾病は癌、心臓病、脳卒中です。日本でも脳卒中は、癌、心 |
| 臓病に次ぐ、死亡原因の第三位を占める疾病です。脳梗塞や脳出血など、脳血管障害は死亡率も高く、後遺症 |
| を残したり、再発する確率も大変高いものです。 |
●中風前兆(TIA)を見逃さない |
| 中医でいう中風前兆(先兆)とは、一過性脳虚血発作(TIA=Transient Ischemic Attacks)のことです。 |
| TIAは局在性、可逆性の脳虚血で、突然発症し神経機能を失い、24時間以内にその症状は完全消失します。 |
| TIAの一部は数年以内に脳梗塞を起こすので、脳血管障害の危険信号といえます。 |
| TIAの症状は虚血の位置により異なりますが、突発、一過性、反復、老年の四点に概括できます。 |
| @突発――局在性の神経機能の虚血症状、例えば、一側の肢体のしびれ、感覚異常、失語、めまい、眼がか |
| すむ、昏倒、運動失調、筋力低下、同名半盲、構音障害、などの症状が数秒以内の早い速度で突 |
| 然出現する。 |
| A一過性――症状は重いが素早く消失し、24時間を越えないし、後遺症も残さないし、24時間後に検査して |
| も何の陽性も残さない。 |
| B反復――原因が除去されない限り、症状は反復して出現し、且つ発作は1回1回重くなる。 |
| C老年――発作は動脈硬化をベースに出現する為、TIAの患者は50歳以上の人に多い。 |
| TIA患者は早めに治療すべきで、決して軽く見逃してはなりません。TIAは脳卒中の早期警報として重視す |
| べ きものです。その治療の目的は、より大きな脳梗塞の発生を予防することに有るのですから。 |
●再発を予防する |
| 脳血管障害(脳卒中)を中医では中風病といいます。中風の病因,発病機序は違うので、予防の重点も違 |
| いますが、大部分の中風病患者は動脈硬化が根底にあり、また多くは老年で再発率はとても高いです。 |
| それでは脳卒中の再発を予防する為に、日常どんなことに気をつけたらいいでしょう? |
| @先ず、心を穏やかにすること。伸び伸びとして心地よく愉快でいること。精神の乱れは病気の主要原因 |
| のひとつです。 |
| 中国の古書『黄帝内経』には、“余知百病生干気也,怒則気上,喜則気緩,悲則気消,恐則気下,驚則気 |
| 乱,思則気結”とあります。憤怒は気血を上逆させ、喜び過ぎると気が緩み散って制御できない、悲しみすぎる |
| と正気が消耗し気虚無力となり、恐れ過ぎると気は下に逃げ、驚きうろたえると気の流れが乱れ、あれこれ思 |
| 慮し過ぎると正気は留まって通らない、と云っています。つまり強い情緒の刺激は健康に良くないのです。特に |
| 中風病人は過激な情緒変化を避けねばなりません。悲観や失望、抑鬱、激怒などはみな中風患者の体に影 |
| 響し、中風病の再発を招きかねないのです。 |
| A朝起きたら、ゆっくり動き始める。特に持病のある人は起床後二時間はウォームアップすること。元気に |
| なる時間は午後三時と思って下さい。たそがれ時も要注意です。 |
| B冬季、秋季は中風病のおきやすい季節です。中風を患ったことのある人は、充分に衣服を着用し寒邪を |
| 受けないこと。 |
| C禁酒、禁煙して、日常生活を規則正しくすること。 |
| D飲食はあっさりしたものを、量は少なめに、脂肪・脂っこいものは避け、塩辛いものも少しにして、新鮮な |
| 野菜や果物を多めにとること。アルミ製の炊事用具を使わず、化学調味料も避けること。 |
| E通便を良くし便秘を防ぐこと。夏場は食生活に注意し下痢しないこと。 |
| F血液の濃縮は脳梗塞をきたしやすいので、喉の渇きには注意して十分な水分を補給すること。人は喉が |
| 渇いてから始めて水を飲む習慣があるが、これは誤りである。中風病患者には特にいけない。何故なら、中風 |
| 病老人の神経は敏感性が低下するので、喉が渇いたと感じた時には、人体内の水分は既に平衡を失ってしま |
| っていて、体内の細胞は脱水状態で、月日の経つうちに血液は濃縮し中風病を誘発します。 |
| G出来るだけ薬の種類を少なくし、肝腎の負担を軽減すること。中風の原発病(例えば高血圧、高脂血症、 |
| 糖尿病、心臓病など)を治療すること。定期的に検査すること等。 |
| ―――――――病気はなよりも予防が肝腎です――――――― |
『中風病防治指南』 天津科学技術出版社 (日本語翻訳 中医針灸治療所)
無断転載は固くお断りいたします