| 人権教育・啓発推進法とは 1999年4月、政権交代をした与党(自民党、公明党、自由党)は「人権問題等に関する懇話会」というプロジェクトチームを発足させました。
「人権教育・啓発推進法」が成立
与党「人権問題等に関する懇話会」は、2000年5月、「人権教育・啓発推進法」を提案して議員立法をもくろみました。 これに先だつ、1999年7月に、「人権擁護施策推進審議会」は、人権教育・人権啓発についての答申を提出していました。 そして会長談話を発表し、答申の諸課題は法的措置ではなく行財政措置で充分対応が可能と強調しました。 与党の立法提案は、会長談話を無視するものでした。
「人権問題等に関する懇話会」は部落解放同盟と全国自由同和会から意見を聞く、5月には自治体関係者からも意見を聞いた、として5月に「人権教育・啓発の推進に関する法律大綱」を発表しました。 大綱は成立する法案とほぼ同様でした。
法律の提案は、人権審議会会長が法的措置は必要なしという談話にもあるように、政府が設置した審議会で否定されたために、「議員立法」という形を取らざるを得なかったのでした。
2000年11月、人権教育・啓発推進法が成立しました
「人権擁護施策推進審議会」の第2号審議事項の「啓発・教育」問題の答申が、この法律になってあらわれました。
法律の最大の問題点は、人権問題を差別問題に矮小化し、「国民の差別意識」の問題としていることでした。 全解連(現、「全国人権連」)は、「憲法で保障された思想・良心の自由、表現の自由を侵害」するものとして、強く反対しました。
- 多様な人権侵害を無視して、表面にでる「差別問題のみ」に限定、矮小している。 「子供に、非行をやめようと言うだけでは解決しない。 条件整備が必要です」
- 国民間の意識だけを問題にして、行政主導の教育・啓発体制を作り上げるねらいがある。
- 国民の内心に踏み込み「勝手に、あなたには差別意識がある」と断定する危険性がある。
- 実態から乖離した「解放教育」や「同和教育」に法的根拠を与える。
などの諸問題がありました。
早速、部落解放同盟は声明を発表し「・・・今日までの同和教育と啓発の成果を引き継いだ部落差別をなくしていくための法律です」「人権教育・啓発として再構成された同和教育や同和啓発をするために制定された法律として重要な意義を担っているのです」と全面的に評価しました。
この法律には人権教育の名はありますが同和教育の「同」の字も見あたりませんでした。 しかし、同法の7条によって、2002年3月には、「人権教育・啓発に関する基本計画」が策定されました。 その中には、同和教育・啓発が具体的に記述されています。 しかも「地域により・・・依然として根深い差別意識」云々など、同和地区の実態を歪めて描くなどの問題点も多くありました。
同和教育・啓発が具体的に計画され、しかも国民に対して協力を義務づけるものでした。 ここに部落解放同盟と与党のねらいが如実にあらわれています。
|