全国地域人権運動総連合
           

   

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シリーズ、ここが重点。発展的転換と各地の人権連運動

住民の生命と安全を削る行政、人間味あふれる街をめざして

  

広島県地域人権運動連合会
事務局長  岡本 幸信

 

平成の大合併の「先進県」の中で

 広島県は平成の大合併の「先進県」のひとつとされ、86自治体あった市町村が村は消滅、28市町(8月末現在)となり、さらに来年(2006年)3月末までには23市町となります。

 この「平成の大合併」と国、広島県の同和行政の終結との時期が重なるなかで、全解連時代に地域におけるこれまでの行政と運動との築き上げたものが解体され、そのなかで新たに「地域人権運動」としての組織を再構築せざる得ないことを広島県連は余儀なくされました。

 1998年、自民党は都市部での大敗を受けて、与党の都市戦略として地方に回していたカネを都市部に回しはじめたと地元地方紙すら指摘するよう、広島県内の市町村合併は、その戦略のなかで進められ、広島県はその旗振りをしてきました。

 合併をした自治体には合併特例債や交付税の優遇措置など予算を手厚くし、逆に小規模な町村に手厚くしていた地方交付税を合併しない自治体には削減するよう「アメとムチ」を出すことにより、県内の多くの自治体は、「合併は止むを得なし」とする風潮を生み、住民運動も総じて低調でした。

     

「手から水がこぼれるよう」住民サービスが低下

 多くの合併が一段落した今日、市町村合併から見えてきたものと失われたものが見え始めています。

 一つは、合併を機に大型公共建設事業の関連予算が大きく計上され、どの合併した自治体でも10億円から50億円もの予算化がすすんでいます。 その一方で、生活に直結する細やかな施策が「手から水がこぼれるよう」に行政のサービスが住民から見えなくなっています。

 たとえば、地域人権連吉舎支部の総会では、合併した三次市がケーブルテレビを設置する大型事業のために従来の防災無線に予算がかけられないなど「住民の生命と安全にまで削ろうとしている」と実態を告発。 同市では、旧市町村には、保健士が一人しかいなくなりほとんど機能しないといったことも指摘されました。

 また、合併から直接派生するものではありませんが、相次ぐバス路線の廃止計画の中、地域から市の中央病院へ直行していたバスまでなくなり、車がない人は日常の生活ができないといった問題も各地域から出されています。

      

人間味あふれる街づくりをめざす人権連

 この時期にどのように運動を展開するのか。 今の不利な点を逆に有利にして生かす取り組みにしていくことが求められています。 やはり、各市町があまりにも広くなりすぎたことは住民自治の発展にとっては難しい面をもっています。 しかし、その自治体(市町)にひとつでも組織があれば、その自治体の代表としての取り組みが、可能であるといえます。

 特に、これまでの役場が支所となり、「何を相談しても決めるのは本庁」とされている中では、住民は相談をどこにもって行けばいいのか迷っている実態もあります。 人権連は、これまでの運動の積み重ねの教訓とノウハウを各支部で生かすことによって、その窓口になることができる可能性を持っています。 小さな自治づくりをめざし、今、自分の町が人間味あふれる街づくりへとしていくことが問われていると思います。

 こうした合併での地域要求の潜在化をすすめる課題とともに、国や広島県が同和行政を終結して、3年が経過しつつあります。各自治体における同和行政の終結がどこまですすんでいるかを検証していくことも大きな課題です。

        

各自治体での同和行政終結を検証する活動

 福山市では、市教委が小中学校の校長に事実上の「同和地区」の児童・生徒を特定して学力を調査する「学習の記録票」の提出を求めていた事実が明らかになりました。

 福山市は、一般対策に以降後も、批判の強かった「地域進出」にかえて2001年度から「解同」支部が主催し、「同和地区」児童・生徒が参加する教科学習会に補助金を出す「学力向上地域支援事業」を実施。 補助金は講師謝礼(1回5500円)として2003年度で1337万円余りにもなります。

 市教委の調査は今年1月、各小中学校長に学習を参加する児童・生徒の名前を特定し、通知表・指導要録の評価をもとに「学習の記録票」に記入し返答するよう求めていたものでした。 この問題は、日本共産党福山市議団が公表したものですが、「市教委が『同和地区』児童・生徒をあぶり出すことにつながるのが、この事業の宿命で、事業を廃止するしかない」と表明しました。

 このように、自治体によっては、いまだ「人」と「地域」を指定した「同和行政」が「継続」されており、福山市の事例はその一例です。 一方で、合併を契機に同和行政を基本的に終結した自治体もあります。

 こうした今日の現状を把握し、部落問題の最終解決めざしての課題と取り組みを明らかにしていくことを追求せねばなりません。

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