
全国人権連・山口県連
副執行委員長 山本正美
はじめに
私たちの運動は、部落解放運動の発展的転換を図り、人権と民主主義、住民自治が尊ばれる人間らしい生活ができる地域杜会の実現することを目的にしており、憲法の定める地方自治、住民自治と関わり、住民の生活と権利を実現していく運動です。
今日、大きな問題として、平和の要であるところの「憲法9条」を中心とした改憲策動が急速に進められています。 この「憲法9条」を守るということは、平和はもちろんですが、人権と民主主義の条項を守り生かすことでもあります。
山口県では去る9月、山口県部落問題対策審議会(部対審)に、「山口県における同和行政一教育のまとめ」を協議事項として提案し、全会一致で採択しました。 私どもはこの間、一貫して同和行政・教育の終結を主張し、一日も早く「まとめ」を行うべきだと要請して参りました。 その意味で、この「まとめ」について一定評価をしています。 また山口県では、全国に先駆けて1954年に部対審を設置して以来、半世紀を経て、このたび「部対審の役割は終えたもの」として幕を閉じました。
私たちは、今年度におきましても「人権の伸長と部落問題解決をめざす要請書」もって県内33市町村を訪問し要請を行いました。 その結果については、この2〜3年、市町村合併により各自治体で人権行政の位置付けや条件整備について検討がなされていないところも多々ありました。
私たちがめざす地域人権運動は、人権と民主主義、住民自治が花開く地域杜会の創造をめざしています。 しかしながら、9月に行われた総選挙では、与党自民党などが多数を占め、その後の情勢は、郵政民営化をはじめ、消費税の導入や、社会保障制度の改悪をはじめ「人権擁護法案」を次期国会に提出する動きなど、国民いじめの政治がつづいています。 今日まさに、県解連の出番であり、人間の尊厳にもとづく地域住民運動が必要とされ、自由で豊かな人間らしい地域社会の確立が求められていると考えています。
部落問題解決の総仕上げ活動
山口県部落解放運動連合会は、昨年10月5日に県知事と、県教育長へ「2004年度『部落問題の早期解決をめざす』要求書を提出し、今年の3月に文書による回答を得ました。 この回答では、県が「残された課題」について、今日どのような課題があるのか具体的に示し、同和行政の終結を県民に公表してほしい、と質問。 市町村段階では一自治体を除いて基本的には広報等で市町村民に明らかにしていますが、県から県民への公表はありません。
9月11日に開かれた山口県部落問題審議会は、50年に及ぶ「同和行政・教育のまとめ」を全員一致で採択し、部対審について「審議会としての役割を終えたものと考えている。」とし、「県民の皆様をはじめ、市町村及び関係者の方々の御尽力と御協力の賜であり、深く感謝と敬意を評する」と述べ審議会を閉じました。
さて山口県解連は、2002年の法が失効してから毎年、県民大運動を展開していますが、今年も7月8日から県下33市町村を訪問し「2005年度・人権の伸長と部落問題解決をめざす山口県民大運動」の要請を行いました。 すべての市町村から回答があり、その特徴として、「同和」を冠した行政・教育は、1市を除き終了している状況が明らかになりました。
地域における人権と市町村合併問題
2003年4月12日の周南市の合併以後、これまでの56市町村が29市町村に、来年3月の岩国市の合併で22市町となります。
これまでの市町村合併では、議員の在任特例や定数、報償費問題で住民投票も行われました。 また、庁舎問題、新市の名称問題、財政問題等々が表面化しましたが、合併特例法への駆け込みから、実態として自治体ごとの各項目での調整は合併後に先送りされているのが現実です。
小泉内閣のすすめる「三位一体」改革によるこうした市町村合併が議員と職員の削減を伴うだけでなく、住民の暮らしと福祉、教育など様々な分野に大きな影響を及ぼすことは間違いありません。
私たちは、人権と民主主義、住民自治をめざし、要求にもとづく地域住民運動をさらに発展させるものです。
部落解放運動の発転的転換
昨年4月、これまでの82年に及ぶ部落解放運動から発展的転換をはかった全国地域人権運動総連合(全国人権連)は、結成から1年半になりました。
私たちは、これまでの部落解放運動の成果と教訓を生かし、地域における人権問題を取り上げる組織として、地域社会から生み出される人権問題に積極的に取り組むことによって、地域における住民の人権擁護と復権をはかります。 また権利として定着していない人権問題については、社会的合意形成を通じて新たな権利として創造していきます。
今後の課題
私たちは県民とともに、部落問題解決のための総仕上げの課題を全県で大きく前進させていきます。 また、人権問題でそれぞれの現状をつかみ自主的な学習と研究への条件整傭を図りながら、人権を取り組んでいきたいと考えています。
山口県解連は、県において「山口県人権推進審議会」を設置し、県内における人権問題に関するとりくみの具現化をするとともに、県民の人権伸長を図る立場から、平和・環境・福祉・教育・高齢者・医療・労働・青少年対策などの充実を図るよう強く求めていくものです。