全国地域人権運動総連合
           

   

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シリーズ、ここが重点。発展的転換と各地の人権連運動

「同和」中心の熊本県人権行政をただす

熊本地域人権運動連合会
委員長 菅井 幸夫

     

はじめに

 熊本地域人権運動連合会(人権連)では昨年7月に全解連から熊本県地域人権運動連合会に発展的転換をしました。 そして現在、熊本県の変更した同和中心の人権教育を正す活動を展開しており、その一環として熊本地域人権運動連合会(人権連)と県民要求実現熊本連絡会(要求連)は「どこかおかしくないですか熊本県?人権(同和)問題報告会」を2月に開催するなど積極的な活動を展開しています。

         

いまだに残る「同和教育基本方針」

 熊本県では国が同和問題は基本的に解消したとして同和問題に関係する法律を終結し四年になろうとしている現在も、「同和問題は人権問題の中心である」として昭和52年に制定された「熊本県同和教育基本方針」(以下、基本方針)を中心に行政の拠り所として施策が行われています。

 この「基本方針」には、「民主主義を基調とする現代の社会においても、なおかつ部落差別は拡大再生産されている。  結婚の自由、居住及び移転の自由などの市民的権利が侵され、なかでも就職の機会均等が完全に保障されていないため、被差別部落の人たちは停滞的過剰人口の中で、慢性的失業に追いこまれ、劣悪な生活を余儀なくされ、ひいては教育の機会均等をも奪われているという事実を直視しなければならない。 本県においても、これらの現実をきびしくとらえ、これらの問題を早急に解決することは、行政に課せられた責務であり、県民ひとりひとりの課題であるという認識に立って、同和教育の推進を強力にはかりたい」と、時代錯誤もはなはだしい情勢認識が昭和52年の時点のまま、現代まで生き続けています。 そのうえ同和教育基本方針は「この方針の具体化に当たっては、関係諸機関及び団体との積極的な連携を図り、教育の主体性において体制を整え、また諸条件の整備に努め、所期の目的を達成する。 なお、同和教育は学校、地域社会、さらに家庭をふくめたすべての教育の場で進められるべきで、相互の協力を密にすることはもちろんのこと、深い認識と理解を持った指導者の養成を図り、同和教育の積極的な推進に努める」と結んでいます。

 この基本方針が全県下の基本方針の手本となり、同様の市町村段階での教育基本方針が制定されています。 この教育基本方針があるために、かつて熊本城二の丸広場で5.23狭山集会が1万人規模で計画されていました。 しかし県民の批判が高まり、中止に追い込まれました。 その後、数年の中断を挟み、今度は熊本県教育委委員会を主催者にして「部落差別をはじめすべての差別をなくす熊本人権子ども集会」と名称を変更し県下から1万人規模の子どもを集めた集会を開催しています。

        

突出した同和予算

 現在、熊本県は財政再建赤字団体の一歩手前といわれる様に、財政的に困難な状況に陥っています。 そのような中でも前述の基本方針があるために同和関係談他に対し多額の補助金を支出しています。 情報公開条例に基づいて入手した平成11年度は部落解放同盟熊本県連に知事部局が2700万円・教育委員会が1300万円(合計4000万円)、全日本同和会に知事部局が2000万円・教育委員会が650万円(合計2650万円)、熊本県同和教育研究協議会(現在は県人権教育研究協議会・熊本県人教)に対して教育委員会から5百万円が支出されていました。 平成12年度より県教委から県同教への補助金が50万円減って450万円になりました。

 熊本県は県下の部落解放同盟(支部数32支部、会員千200世帯)に対し4000万円の補助金を支出していますが、県PTA連合会(600単位、14万7000人会員)へは年間わずか84万円、県老人クラブ連合会(3067クラブ、19万5000人会員)へは年間162万円しか補助金支出していません。 会員数に対して補助金額の違いに異常さを禁じえません。

         

依然としてつづく偏向「同和教育」

 全解連が県連を結成し、結成集会に熊本県を案内した時も熊本県は「新しく運動を始められた団体なので今後の活動を見守らせていただきます」と表面的な対応のみで、熊本県部落問題研究集会等にも参加はなく、ましてや補助金対象団体にも指定せず十数年が経過しました。 この間、毎年、日本共産党熊本県委員会等と、前述の「熊本人権子ども集会」中止や同和関係団体への補助金の廃止、熊本県同和教育基本方針の廃止を強く求めてきましたが、なかなか受け入れようとはしませんでした。 このような異常さは、教育現場にも大きな影響を及ぼしています。 県下のある町では、同和問題に対して自由に発言ができない状態が続いています。 通常の学校内での授業が終ってから、かって同和地区と呼ばれた地域の子ども達を対象に勉強会に夜遅くまで参加させられているのです。 また、ちょっとした発言を差別事件として解同は学校や役場に対して「人権教育がなっていない」と抗議して学校教育現場に乗り出してくる有様です。

       

今後の課題

 このような状況の中で多くの県民に現状を知ってもらおうと2月10日、県民交流会館パレアで「どこかおかしくないですか熊本県?人権(同和)問題報告会」を開催、教育現場の状況を現職教員が報告しました。 話を聞いていた退職元教師は「20年前と変わらないひどい状態ですね」と感想を述べていました。 次に日本共産党の原徹山鹿市議は「市助役の日当よりも動員された同盟員の日当が高かったり、出張の旅費・宿泊費が高く設定してあったり具体的に指摘していくと他党の議員も支持してくれて不当な支出を返還させた話をしました。

 人権連の西本正信副会長は「戦後、水平社運動を引き継ぎ解放同盟を立ち上げ、正常化連になり全解連を結成し、昨年7月に同和問題の解決を感じながら全解連から熊本県地域人権運動連合会に発展的転換をした」と歴史的経過について報告しました。

 また日本共産党の松岡徹県議は、議会毎に熊本県の川辺川問題や水俣病問題を先進的に取り組んでいる熊本県が、こと同和問題に関してだけは関係運動団体にのみ目が向いて、なかなか県民に目が向かないことなど具体例をあげて報告しました。 この後、フロアーの参加者からも各地の状況が報告されました。

 この日、昼間は日本共産党地方議員と支部が熊本県に「団体補助金の廃止」や「熊本県同和教育基本方針の廃止」「県が主催する子ども人権集会の中止」を求めて交渉を行っています。

 これからも熊本県地域人権運動連合会は、多くの県民の皆さんの力ををバックに、県の歪んだ同和中心の人権行政を正して行きたいと思っています。

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