
東京人権と生活運動連合会
書記長 洞口 浩史
はじめに
東京都連は2年前の大会で規約を改正し、東京人権連となりました。 しかし「解同」の横暴や都区行政の不公正・乱脈問題などはあとを絶っておらず、こうした不正・不公正とたたかう東京でのセンター的役割、さらに会員の要求実現、特に東京都同和問題懇談会(同和懇)答申で示された「産業全体の底上げ」を実現していく課題などは、今後も東京人権連の重要な役割であり、これこそが正常化都連発足当時からの初心でもあるわけです。 この「不公正・乱脈とたたかう」「会員の要求を実現する」という「ふたつの旗」を高く掲げ、都連はこの間活動してきました。
去る4月19日、都連は東京都との同和問題連絡協議会に参加し、都の「解同」追随姿勢を批判するとともに、皮革・履物産業の振興、関係家内労働者の生活と権利向上などを訴えてきました。 この連絡協議会での都連の主張と東京都の回答を中心に、都連の活動をあらためて見てみようと思います。
憲法・世界人権宣言を基底に据えた人権行政を
連絡協議会の開会にあたって、都連の山本金義執行委員長は、東京都の人権行政が依然として同和偏重であることを批判。 同時に靴・履物産業が大量輸入と長期不況で非常に苦しい状況に追い込まれているとのべ、「都はこうした現実を直視し、苦境に立つ都民生活に光をあてる行政を」と訴えました。
質疑では、東京人権連はまず、「東京都人権施策推進指針」の見直しについて追及。 見直し期限の5年を過ぎたいま、新たな指針をつくるなら、憲法や世界人権宣言に基盤をおいた指針にすべきだと訴えました。 都側は「意見は受け止める。 憲法や世界人権宣言を尊重することに変わりはない」とのべました。
「同和問題をはじめ様々な人権課題」と表現している東京都の人権課題の認識については、東京人権連は、「同和問題をはじめ」とする表現が無用な誤解を招きかねないことを実例で示し、「都民が直面する人権課題は多様だ。 少なくとも東京では、『同和問題をはじめ』という実態にない。 単に『様々な人権課題』で間に合うはずだし、どうしても個別課題を書くなら、『指針』に示された課題を列挙すべきではないか」と指摘しました。 都側はこれに対し、「同和問題はわが国固有の人権課題」などと答えましたが、「アイヌ問題もわが国固有の人権課題ではないのか」との反論には沈黙せざるを得ませんでした。 そのうえで、人権プラザでの外国語表記や、外国語・手話のできる人員の配置、社会教育講座を一般に開放し、外国語や手話、点字、介護などをやったほうが、よほど人権プラザにふさわしいのではないかと提案。 都側は「より多くの方々に利用していただけるよう、工夫を凝らしたい」と回答しました。
「確認・糾弾」を擁護する東京都を追及
「解同」の「確認・糾弾」については、法務省が1989年に「解同」を名指しした上で、これを徹底批判する通達を出していることを取り上げ、「都は人権プラザを、『確認・糾弾』の場として提供すべきではない」と追及。 しかし東京都は、国の方針にも反し、「任意で開催されるものであれば、行き過ぎたものにならない限り、運動団体のやり方に行政が口を出すべきではない」との態度に固執。 「法務省は、任意の出席ということにも疑問を呈し、『確認・糾弾』を『部落問題解決の阻害要因』として否定している。 二言目には『国の動向』を口にする都が、国と同じ立場に立てないことは問題」と東京人権連は追及し、この問題については別途、話し合うことを申し入れました。
履物産業の振興、ILO家内労働条約の批准を
産業・労働対策では、東京人権連はILO家内労働条約の批准などを、都として国に働きかけたらどうかと提案。 都側は昨年6月、すでに働きかけていることものべ、「今後も機会を見て働きかけていきたい」と回答しました。
ILO家内労働条約の批准をめざす運動については、基本的には履物協議会などが中心となってたたかう課題ですが、東京人権連はこれに積極的に協力しています。 また履物協議会や浅草民主商工会などとつくる「革靴の大量輸入阻止、地場産業を守る実行委員会」では、事務局団体として奮闘しています。 WTO(世界貿易機構)のドーハ・ラウンドで、日本は経済主権を放棄し、農業をはじめとする国内産業を切り捨てようとしています。 これを阻止し、日本の産業、とりわけ東京では靴・履物産業を守っていくことが、都連の会員のくらしを守ることに直結します。
いま私たち東京都連は、革靴の大量輸入を阻止して地場産業を守るために、業界などとも協同しながら、政府に要請行動をおこなっています。
私たちの活動は、地道にすすめていく以外に方法はありません。 しかし都区の人権行政も徐々に変わりつつありますし、産業を守るたたかいでも、保守的といわれる業界との協同行動も考えられるところまできています。 地を這うごとくゆっくりではありますが、都連は今後もたたかいをすすめていく決意です。