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 全国人権連 > 「解同」問題等 > 「解同」介入の解雇は無効(高松地裁) > 高松地裁判決への弁護士声明
                                         

「解同」・県学事文書課の教育介入を断罪、藤井学園寒川高校解雇事件 高松地裁判決、岡山合同法律事務所弁護士、のりたけとおる

    
 去る2004年10月6日、高松地裁において、「解同」香川権連および香川県学事文書課による前近代的な教育介入を原因とする私立学校教諭の解雇を無効とする画期的な判決が言い渡された。

 解雇事件のきっかけとなった「解同」による教育介入は、「部活動中のソフトテニス部生徒が、グランド改修のために校内に運び込まれた砂の山に首まで埋められ、頭に軽いけがをした事件の究明と適切な処置」を小野真史教諭が校長に申し入れてから約2ヵ月後の01年5月に学園、県学事文書課、「解同」県連にそれぞれなされたという「匿名電話」にはじまった。 さらに6月には「小野が寒川高校のほかの教師をいじめており、差別用語をつかっている」という「匿名投書」が問題にされた。 こうして、7月には「解同」の主催する確認会への教員全員に対する参加強要へと発展した。 その後も、学園の「小野差別発言問題」への対応が生ぬるいと決めつけた「解同」は、2度にわたり丸亀市内などで街宣車やビラによる誹謗・中傷をくり返し、小野教諭らを解雇に追い込もうとした。

 一方、香川県学事文書課は、こうした「解同」の動きをバックアップし、学園に対し、「解同」の主催する確認会へ小野教諭らを出席させるように、行政指導の形で一貫して圧力をかけ続けた。 その後、学園の紛糾を解決するために県・学事文書課が乗り出したが、その紛争収拾(改善)案のなかで、学園理事の総入れ替えをおこなうとともに、「問題の教員(1名は小野教諭をさす)については、早い段階でしかるべき対応をはかるものとする」と、小野教諭らの解雇を示唆するにいたった。 学園は、この紛争収拾(改善)案を全面的に受け入れる形で、新たな構成による理事会を開催し、小野教諭らの解雇を内部決定した。

 こうした状況の下で、小野教諭は「解同」主催の確認会への出席強要禁止を求める仮処分を申し立てるなどして、抵抗を試みた。 しかし、この仮処分申し立てが弁護士の助力のない本人訴訟であったことなどもあって、02年1月、高松地裁丸亀支部は小野教諭の仮処分申請を退けた。 その10日後に、満を持した学園は小野教諭らを解雇した。 学園はこの解雇によって、「解同」の介入に批判的で学園の自主性と適切な運営を求めていた小野教諭らを学園から排除し、紛争の収拾を図ろうとしたのであった。

 解雇直後の02年1月、私は、香川県にある藤井学園寒川高校の小野誠史教諭ら2名が不当解雇されたとの相談を受けた。 私自身、子どものころ八鹿高校事件などの新聞記事を読んだ記憶はあったが、21世紀の今日でも、このような時代錯誤の「解同」による教育介入や、それを容認する教育行政が香川県でまかり通っていることを知り、驚きを禁じえなかった。 これまで「解同」関係の事件を担当した経験がなかった私は、「解同」問題にくわしい大阪の石川元也弁護士、伊賀興一弁護士、福山の服部融憲弁護士、林 隆義弁護士、そして地元香川(現在は東京)の塙 悟弁護士に呼びかけ、強力な弁護団が結成された。 その後ただちに、地位保全・賃金仮払いの仮処分の申し立てがおこなわれ、02年12月には、小野教諭の解雇を無効とする仮処分決定が言い渡された。 さらに、03年2月には地位確認・賃金請求の本訴の提起がされ、このたび、高松地裁において、全面勝利の判決が言い渡されるにいたったのである。

 今回の判決のポイントは以下の3点である。
 第1に、判決は、真正面から「解同」の教育介入の不当性を断罪した。 判決は、「解同」の確認会が地対協で問題視され、法務省でも出席すべきでないと指導されていたことを前提に、「本件解雇に対し、解放同盟香川権連の思惑が少なくとも間接的に介入したものといわざるを得ないから、本件解雇の有効性を判断するにあたっては、当該影響についても考慮されなければならない」と明確に述べている。 この点は、同じく小野教諭が勝訴したとはいえ、先行の仮処分では、「解同」の教育介入に対する判断が回避されたことと対照的である。
 第2に、判決は、「被告(学園)に対し強く働きかけることのできる立場にある学事文書課をはじめとする関係行政機関も、このような被告(学園)の方針(『解同』の介入を排除しない方針)に異を唱えることなく、むしろ解同香川県連が介入するのを容認」し、「被告(学園)を監督・指導すべき立場にある学事文書課をはじめとする香川県の関係部署の職員らも・・・・・・・・法務省の指導に従わず、いわゆる差別発言事件に関し、解放同盟香川県連が主催し、あるいは、解放同盟香川県連の関係者の参加が予定されている確認会であることを認識しながら、自らそれに出席し、あるいは原告(小野教諭)に対し出席を要請」したなどと、香川県学事文書課がはたした負の役割についても論及している。
 第3に、以上のことを前提とすると、学園が小野教諭の解雇を決定した賞罰委員会における判断は、「この時期、被告(学園)が・・・・・・解放同盟か側県連の影響下にあったという事情も踏まえれば、(賞罰)委員会における判断は、必ずしも公平になされたものとはいいがたい」とし、ほかに学園が形式的に解雇理由として掲げたものはいずれも解雇の理由とはならず、結論として、「解雇には合理性が認められない」と判示した。

 20数年続いた同和対策事業が一昨年をもって終了したことに見られるように、今日、同和問題は基本的に解決の方向に向かっている。 それは、同和関係者を特別扱いすることは部落問題を解決する上で適切ではないことを示す。 こうした、時代の流れに逆行する香川県の同和行政、「解同」による教育介入を許さないためにも、小野解雇事件で最終的に勝利することが求められている。 学園は控訴している。 今後とも、多くのみなさんのご支援を切にお願いする次第である。

              

判決文全文は、こちらをご覧ください(別窓が開きます)。

                  

 

 

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