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 全国人権連 > 話題と出来事 > 教育基本法改悪反対へ新井事務局長が談話

        

国民の教育権を奪い、「戦争体制づくり」の憲法改悪に連動する教育基本法改悪は許さない。新井直樹事務局長が談話。

         

 政府・与党が4月13日、「教育基本法に盛り込むべき項目と内容について(最終報告)」と題する報告書をとりまとめました。 これは自民・公明の与党が、児童・生徒に「愛国心」を強要し、戦時国家体制に従順な国民をつくり上げようとするもので、憲法改悪に直結し、国民の教育権を奪う暴挙です。

 全国人権連の新井直樹事務局長は4月19日、これを許さないで断固としてたたかうという談話を発表しました。 以下にその全文を掲載します。


 

(談話)2006年4月19日

与党「教育基本法改正に関する協議会(最終報告)」について

− 国民の教育権を奪い、
   「戦争体制」づくりの憲法改悪に連動する
   教育基本法改悪法案の国会提出に反対します −

全国人権連 事務局長  新井直樹

        

 与党は4月13日、「教育基本法に盛り込むべき項目と内容について(最終報告)」(以下、改悪案)を明らかにし、政府に対し、「教育基本法改正法案を速やかに取りまとめ、国会に提出するよう要請」しました。

 「最終報告」は、「教育基本法に盛り込むべき項目と内容」について、前文と条文に対応する18項目についての考え方を示し、教育基本法を全面的に改悪しようとするものです。

 「最終報告」の基本的な特徴の第1は、憲法第9条の改悪によって自衛隊が海外で武力行使できる体制づくりをすすめようとする策動と一体に、教育において国家主義を推進しようとするものです。

 「最終報告」では、「教育の目標」に、「・・・・・・我が国と郷土を愛する・・・・・・態度を養うこと」という文言を盛り込むとしていますが、「愛国」に対する思想や態度が教育の場において強制されることになれば、「(憲法の)理想の実現は、根本において教育の力にまつ」とした教育基本法の基本性格を根底から変質させるものであり、「君が代・国歌」の行政による押しつけが「内心の自由」を侵害し問題化している今日、同様の事態が生じかねないもので、断じて認められません。

 第2に、現行第10条の「(教育は)国民全体に対し直接に責任を負って行われるべきものである」という文言が削除されていることや、教育行政の教育条件整備義務が削除されていること、「男女共学」の規定が削除されていることなどは、教育の機会均等ならびに権利の公平性確保、人権尊重の実質化とも関わってきわめて重大な問題です。

 第3は、「権利としての教育」を転換して、財界の求める人材育成のための「エリート」育成に偏重した教育へ転換するとともに、「公共の精神」を強調して教育を受けるものに義務を課そうとしていることです。

 新自由主義の「構造改革」は「格差社会」を拡大し、教育の実状も所得や地域格差が著しく反映しているおり、一層の「格差」を生み出すものです。 

 これは、自民党の「新憲法草案」に示された、立憲主義を転換して、国家に対する国民の権利を消滅させ、国民の責務を強調する考え方に同調したものです。

 さらに、「義務教育」規定から「9年」の年限が削除されることは、義務教育段階からの学校制度の複線化に道を開く危険性を持つとともに、教育基本法に「教育振興基本計画」を規定することは、「教育の構造改革」のための予算を確保し、行政による教育介入をともなう教育の格差づくりに法的根拠を与えるものです。

 「人権教育」の領域でも子どもの権利条約を指針に捉えることをせず、意欲・関心・態度で評価する風潮が強まっているおり、教育基本法の全面改悪は、新しい形の「忠君愛国」を一層あおり「内心」の管理強化へと進む大変危険なものです。

 私たちは、平和な世界のもとで、子どもたちのすこやかな成長と豊かな発達を保障する教育を求める立場から、多くの教職員や国民とともに教育基本法の改悪に反対し、教育基本法を守り生かすことを強く求めます。

 そして、教育基本法改悪法案の国会提出を許さないため、具体的で切実な教育要求実現の運動と結んで、国民的な運動に共同してゆくものです。

           

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