2006年7月4日
全国人権連事務局長 新井
直樹
大阪府東大阪市長選が2日、投開票され、前市長、長尾淳三氏(54歳、無所属、共産推薦)が、現職の松見正宣氏(63歳、無所属、自民・公明推薦)と、新人で前自民府議の西野茂氏(62歳、無所属)を破り、4年ぶりに返り咲きを果たしました。 投票率は36.03%(前回46.99%)。
長尾氏の当選で、日本共産党員の市長は全国で4市となりました。 人口50万以上の市では東大阪市のみ。 ほかの3市は東京都狛江市、岩手県陸前高田市、秋田県湯沢市。
東大阪市民は、水道局の新庁舎建設などの税金のムダ遣い・不公正な同和行政をすすめながら、福祉や市民サービスを切り捨てる小泉改革に沿った現市政の「行財政改革」にノーをつきつけました。
市民犠牲の市政の流れを転換し、清潔で公正、くらしの活路を開く民主市政の再建をよびかけた長尾前市長に党派を超えた期待がよせられました。
長尾氏は市長が詐欺容疑などで逮捕され、市政の立て直しが争点だった98年の選挙で初当選しましたが、市民本位の姿勢を貫く長尾氏反対包囲網が敷かれ、前回、松見氏に敗れました。
今回は松見氏を推薦した自民が西野氏の立候補で分裂。 さらに、かつて同じ選挙区で争った現職と元職の衆院議員がそれぞれ別の候補者を推す「代理戦争」を展開しました。
長尾支持のひろがりに、松見陣営は、最終盤「共産市政を再び許すな」と激しい攻撃を加えました。
選挙戦で長尾氏は、自民が松見氏と西野氏の陣営に分裂したことを「市民不在の場外乱闘」と批判。 政策面では「厳しい財政でも暮らしを守る」と訴え、無党派層にもアピールし、三つどもえの接戦を制したものです。
おりから小西・飛鳥会、芦原病院事件などが露呈し、「解同」と行政、暴力団ぐるみによる利権構造が広範な市民やマスコミからの批判で崩壊し、大阪市も一定の見直しをせざるを得ない事態が生じていました。
こうした不公正乱脈な「同和」行政の瓦解に対する東大阪市民の期待が長尾氏当選を生んだものです。
2000年8月16日に東大阪市同和行政研究会会長杉之原寿一による「東大阪市における同和事業の終結に向けての意見書」(別窓が開きます)が、当時の長尾東大阪市長あてに提出されました。
この東大阪市同和行政研究会は、1999年度第1回定例市議会における長尾市長の市政運営方針にもとづいて、「本市における同和事業の終結に向けて、現状を分析し、実態を踏まえて考え方を整理するとともに今後の方向性、課題等について研究するため」(設置要綱)に、1999年11月21日に設置されたものです。
研究会は、東大阪市長より委嘱を受けた神戸大学名誉教授・杉之原寿一(会長)、立命館大学名誉教授・真田是(故人・副会長)、弁護士・石川元也、龍谷大学教授・広原盛明(当時)、滋賀大学教授・梅田修の5名で構成され、同年11月21日に第1回研究会を開催して以来、15回にわたり研究会を重ね、「東大阪市における同和事業の終結に向けての意見書」がとりまとめられました。
長尾市政であらためて、この意見書をもとに、同和行政の終結に向けた措置を積極的に推進されることを要望するとともに、全国人権連もその立場で奮闘するものです。