
全国人権連は2月19日、伊吹文明文部科学大臣に対し、全国一斉学力テストにかかわって、これを中止するよう、緊急の申し入れをおこないました。
これは児童・生徒の個人情報を保護する観点はもとより、「解同」福岡県連の策動などにも触れて、その問題点を指摘しています。
申入書全文は、以下の通り。
2007年2月19日
文部科学大臣 伊吹文明様
全国地域人権運動総連合
議長 丹波正史
全国一斉学力テストにかかわる緊急の申し入れについて
貴職は、2007年4月24日に、全国のすべての小学6年生、中学3年生を対象に「全国学力・学習状況調査」(以下、全国一斉学力テスト)を実施しようとしています。
私たちは、いっそう子どもたちを競争させ、子どもと学校の序列化をすすめる全国一斉学力テストにはもとより反対です。
この全国一斉学力テストについての実施マニュアル(以下マニュアル)が1月末に各教育委員会や学校に送付されていますが、ここには、重大な問題点があると考えます。
マニュアルでは、教科に関する調査の解答用紙および児童生徒に対する質問紙調査の回答用紙に、学校名、男女、組、出席番号、名前を書かせることになっています。
そしてこの解答用紙および回答用紙は、そのまま梱包して送付することになっており、その送付先は、「文部科学省が委託する民間機関」すなわち小学校は、(株)ベネッセコーポレーション、中学校は(株)NTTデータとなっています。
上記の実施方法でおこなえば、(株)ベネッセコーポレーションおよび(株)NTTデータという一民間機関が、日本全国の小学校6年生、中学校3年生の個人情報をすべて握るということになり、それが文部科学省の委託であることから、文部科学省が、そのデータをすべて握るということになります。しかもマニュアルでは、子どもに固有名詞を書かせることについて事前に子ども、父母・保護者に知らせ、了解をとるという手続きすらおこなわずに、上記の集約をおこなうこととなっています。これは、個人情報保護に照らして、大問題であり、重大な人権侵害であると考えます。
2006年4月25日に発表されている「全国的な学力調査の実施方法等に関する専門家検討会議」の「全国的な学力調査の具体的な実施方法等について」でも、「得られた調査データの取扱い」で、「全国的な学力調査により得られた調査データについては、個人情報の適切かつ確実な保護はもとより、外部への漏えい、不適切な使用、改ざんなどにつながらないよう、十分に配慮」とされています。このことに照らしても、個人情報は確実に保護されなければならず、個人が特定できる情報を、文部科学省と特定の民間企業がすべて把握できるようなやり方は、断じておこなってはならないと考えます。
以上のことから、以下のことについて申し入れます。
記
- 全国一斉学力テストを中止すること。
- 文部科学省と特定の民間企業が子どもの個人情報をすべて把握するという実施方法を抜本的に見直すこと。
- 個人名を書かないことも認めること。
- 学力テストへの参加・不参加は生徒、学校、教育委員会の判断に任せること。
- 部落解放同盟福岡県連は福岡県に対し「教育的に不利な立場にある子どもの学力実態」把握に関わる追加項目や独自集計を文科省調査にあわせて実施することを要求しています。
これは学テに名を借りて、いわゆる「同和地区児童生徒」を抽出し学力把握を行い、歴史的役割を終えた「同和教育」を継続維持させるのが狙いです。
こうした不当な人権侵害を生む自治体独自の項目設定や独自集計を認めないこと。
以上