REPORT

ファーストライブメモ

'95.8.17 18:30PM- 名古屋ボトムライン

1.曲目

  • 黒猫の悲鳴
  • タブー
  • ピエロパッツォ
  • 悲しみの華を散らして
  • マーメイドインブルー
  • 月影心中
  • 戻れない夏
  • 欲の化身
  • ヤツが・・・
  • エンジェルオーガズム
  • ジェラシー・・・そして殺意のエピローグ
  • 汚れた天使
  • ネイキッドハート

2.衣装

黒革パンツ、白の長袖シャツ、黒のジャケット
黒の長袖シャツに着替え
アンコールはツアーTシャツに赤の革のパンツ、黒のテンガロンハット

3.MCより

今の気持ちは・・・止まていた心臓が再び動き出して、体中の血管に血が巡り出し「蘇生した」気分。
自作の2曲について・・・去年作詞した。「欲の化身」の裏タイトルは「教祖をぶっとばせ」。「ヤツが・・・」のモデルはもう一人の自分。
近況を語り、去年丸坊主にした時に撮影したスチール写真を見せてくれた。
左腕の刺青(M&M)のこと。

4.セット

バンドセットに白いマスクが掛けてあり、センターの壁にはパンフの十字架がかかっている。バンドの配置は、向かって左からKB,Co,G,B,Dr,KB,ミキサー。センターにスタンドマイク。

5.樹生流パフォーマンス

客席ダイブ。
アンコールでTシャツを客席になげたので、100人ぐらい殺到して大変な騒ぎに。クレーター状態になってた。

6.8/20(原宿)のトピックス

ゲスト:アレンジャーの小森さん
欲の化身で出だし失敗。
MCで「欲の化身」レコーディングのときの怖〜い話。サイパン・チュニジア(写真集撮影の)の話。


以上は、95年の手帳に書いてあったメモのままです。もっと感想とか書いとけばよかったですけど、逆に、我ながら良くこれだけメモったなあと思うのですが。他の日なんて未だにメモすら見つかりません(泣)。どなたか代わりにここに載せませんか、あなたの手持ちのメモと感想を・・・。


記憶のかけら

このメモを見ているとまざまざとあの日の不思議な感覚を思い出します。まだ日の高いうちからたくさんの人が会場に並び、でもいつものコンサートとは違ってとっても静かに並んでいるんです。ライブハウスで見るのも初めてだしなんといっても、光GENJIを脱退してから初めて大沢くんを目の当たりにするわけだし、事前に聞き込んでいるCDは、これはもう「!!」というアルバム。なんともドラマチックだし、雰囲気はもうオカルトとかホラーとか、ゴシックとかそういう映像的な世界で、CDジャケットの異様な雰囲気がぴったり。今まで知っていた大沢樹生とはちがうものを見ることになることは、想像が付いているからその瞬間を息を詰めて待っているという感じなんだと思う。期待感でいっぱいで口をきけない。中に入ったら入口の光とは逆に暗い室内。室内というのがぴったりの小さな空間。壁がすぐそこにある。そして向かいにはステージ。バンドセットがすぐ近くまであって、光GENJIのステージとはまったく違う。ソロってこういうことなんだっていうのが見ただけで理解できるわけです。当然椅子もないから詰めて前に行く人もいれば、後ろや横の壁に沿って立つ人たちもいて、奇妙な空間が中央にできています(これは、ライブハウス恒例のスタイルだなあと、今なら分かります)。会場に流れるのはクラッシック。バッハかなあ。怪しく異様な音楽に聞こえました。これが始まる前の雰囲気(の記憶)。お分かりいただけるでしょうか。

ツアータイトルは「セラータ・パッツォ」=狂った夜会。非日常の一夜。悪夢の世界に迷い込んだ雰囲気を感じさせるタイトル(初日はタイトルのことなんかまったく意識してなかった。確か東京に帰ってきてから私はタイトルの話を聞いた気がする)。このタイトルにふさわしい曲は最初の「黒猫の悲鳴」(曲というか、語りですね)「ヤツが・・・」「月影心中」「ピエロパッツォ」「タブー」「欲の化身」「ジェラシー・・・そして殺意のエピローグ」といったアルバムの曲。まさにこのツアーは、ファーストアルバムをひっさげての自信作だったわけだ。歌詞と曲の醸し出す異様な、そしてひそやかな恐怖を煽り立てる雰囲気がライブの軸となっていたと思うけど、その中に、ぽつぽつと雰囲気の違う明るい清らかな曲が投じられることでめりはりのある構成だったのではないかと思う。イメージというかコンセプトが明確に提示されたライブだったと思う。でも、私は「マーメイドインブルー」が一番好きだった。青い水の中を泳ぐ人魚を憧れる気持ちを、闇の中、狂った世界に生きる人間は持っているといった対称性を感じるというとかっこよすぎるかな。なんか、希望の光が暗い水底から見えるような、そしてみずしぶきの清らかさと生命力を感じさせるこの曲に救われるような気がした覚えがある。

文字にするとなんか人間味のない演劇のようなライブだったかのような印象を与えてしまうかもしれないが、それは違う。やはり、そこにいるのは生身の大沢樹生であるから、ライブは当然!パワーと圧倒的な熱に支配されていた。久々の大沢樹生を前に、客席だった固まっているはずがないではないか。大沢樹生にとっては、ライブ空間がアリーナほどの広さであろうと、ボトムラインのような空間であろうと変わらない存在感。でもさすがに初日だったからこそのものすごい緊張感というのは感じられた。ステージ上にも客席にもあったと思う。でもそれを逆に自分のエネルギーに代えていた。原宿、川崎へと、日にちが連れて緊張感が逆にテンションをあげる役割を果たして、盛り上がった気がする。普段の穏やかな樹生とは違う、キレた樹生。この2面性こそが樹生の特質じゃないかなあと思う。ライブでテンションがあがらない樹生なんて考えられないじゃないですか。歌いながら自由な振りで踊るというより音楽に乗せられてからだが動くといった感じの樹生の動きも、ソロライブならではだった。MCで一人でしゃべっているのもはじめて見たわけだけど、違和感はなかった。確かにあんなにしゃべる人だったとは・・・という思いはあったけど。川崎が盛り上がったのは訳があった。それは「ネーキッドハート」をライブ録音するからということと、ツアーのラストだということ。(ファンが客席から差し出した酒を「サンキュ」といって飲んだんだっけ。ジンライムかなんかだったと思う。)客席とステージの一体感がそこにはあった。

1998.9.17

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